東京 杉並区 飲食店での食べ残し 持ち帰り推進する取り組み

国連の会議「COP28」が開かれるなど、気候変動対策が喫緊の課題となるなか、東京・杉並区では食品ロスを削減し、燃やすごみを減らすことで温暖化対策にもつなげようと、食べ残しの持ち帰りを推進する取り組みが始まっています。

環境省などはおととしから「mottECO」との愛称で、食べ残しを持ち帰ることで、食品ロスの削減を目指す活動を推奨しています。
今年度、杉並区は自治体として初めて大手外食チェーンと連携したモデル事業に参加し、10月から協力する区内61の飲食店で取り組みが始まっています。
協力店で配られる持ち帰り用の容器は、大手外食チェーンと同じ紙製で区が調達しました。
各飲食店が希望する客に渡して、客が自分で食べ残しを容器に詰め、持ち帰るという流れです。
客に容器を渡す際にはあわせて、できるだけ早く食べることや、長時間、持ち運ばないこと、十分に再加熱することなど、注意書きのチラシも手渡すことになっています。
協力店の一つで、阿佐谷にある日本料理店では、これまでに7つの容器を家族連れなどの客に渡し、食べ残した揚げ物などを持ち帰ってもらったということです。
店主の太田雅規さんは「一部の魚の捕れる量が減っているのも温暖化が関係しているとも言われていますし、以前から少しでもできることが何かないかなと思っていました。せっかくの食材なので最後までおいしく食べ尽くしてもらえるよう、お客さまにも説明しながら参加しています」と話していました。
杉並区はそれぞれの店に30ずつ容器を配布していて、年明けにはどのくらい使われたか調査を始め、効果を検証することにしています。
来年度は協力店を100ほどに増やし、秋から取り組みを再開したいとしています。
杉並区ごみ減量対策課の馬場誠一課長は「店の方からは心を込めて作った料理が食べ残され、捨てなければいけないのはつらいという話を聞いてきました。日本では食べ残しを持ち帰るのは恥ずかしいという方もいらっしゃると思いますが、それを払拭していきたいです。ごみは収集や運搬、焼却などに多くのエネルギーを使います。こうした積み重ねでCO2の削減、地球温暖化の防止に役立っていけばと思います」と話しています。