「プール熱」患者数 過去10年で最多 手洗いやマスク着用を

「プール熱」患者数 過去10年で最多 手洗いやマスク着用を

主に子どもが感染し高熱や結膜炎などの症状が出る「咽頭結膜熱」=いわゆるプール熱の患者数が、過去10年で最も多くなっていることが国立感染症研究所のまとめでわかりました。

「咽頭結膜熱」=いわゆるプール熱は、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。
国立感染症研究所によりますと今月17日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者の数は、前の週から570人余り増え4539人でした。
1医療機関あたりでは1.45人で過去10年で最も多かった前の週をさらに上回りました。
都道府県別では福岡県が4.65人、大阪府が4.09人と国の警報レベルの目安となる「3」人を超えていて、次いで京都府が2.95人、奈良県が2.88人などとなっています。
子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は「この感染症は5歳未満の子が感染することが多いが、ことしはこの3年間でウイルスに感染してこなかった上の年齢の子にも広がっている。症状がある時は登園や登校を避け、手洗いやマスクの着用など対策を心がけてほしい」と話しています。

ことしの子どもの感染症の流行状況について、感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は「新型コロナウイルスの感染対策が取られる前は、いろいろなウイルスが交互に流行していたが、ことしはさまざまなウイルスが同時に流行し、以前の流行状況のパターンと変わってきている。こうした状況では同時に別のウイルスに感染したり、次々と連続して感染したりして、発熱する回数が増えてしまうので患者もしんどいと思う」と話していました。
また、家庭でできる対策としては、「基本的にはよく寝て、食事をしっかりとって、体調に気をつけることが大事だ。そのうえで手洗いやマスクなどの対策や体調がおかしいと思ったら保育園や学校を休むなどの対応を取ってほしい。ワクチンで予防できるものはあらかじめ打っておくと感染しても症状が軽くおさまることが期待できる」と話していました。