夏休み期間 「学童保育」の昼食 東京23区は半数近くで提供

21日から、夏休みを迎える学校が多いなか、東京・23区の自治体に「学童保育」で預かる児童に昼食を提供するか尋ねたところ、半数近い11の自治体が提供することがわかりました。

東京23区に対し、NHKはことしの夏休み期間に共働き家庭などの小学生を放課後に預かる「学童保育」で、希望する児童に昼食を提供する予定があるか聞きました。
その結果、半数近い11の自治体で希望する児童すべてに昼食を提供することがわかりました。
このうち、港区、北区、江戸川区は今年度から提供を始めるということです。
このほかの12の自治体は、一部の施設で昼食が提供されるということです。
理由については、昼食を提供する自治体が、「保護者からの要望が多い」とする一方、提供が一部にとどまる自治体からは、「アレルギーの対応が難しい」とか「必要な職員が確保できない」といった意見がありました。
提供方法を聞くと、自治体や学童保育を運営する事業者が宅配弁当を外部に手配するケースや保護者の有志が協力しあい、外部に手配するケースがありました。
ただ、保護者の自主的な取り組みとして弁当の配送サービスを利用するケースでは、注文を取りまとめる保護者の負担が大きいほか、最低注文数を下回ると用意できないなどの課題があるということです。
子どもの食に詳しい、跡見学園女子大学の鳫咲子教授は「共働きの増加により、学童保育の利用者が多くなるなか、昼食を提供してほしいというニーズが高まっていることが背景にあると思う。長期休暇中も、子どもが昼食を心配することがないような支援が必要だ」と話しています。

東京・港区では、この夏休みから区内にある38か所のすべての学童保育施設で、弁当の配送を始めています。
区が事業者と一括で契約し、注文や支払いは、保護者が各自のスマートフォンを使って行います。
弁当の注文数が一つでも施設に届くということです。
区内の小学校では21日から夏休みが始まり、港区・芝浦にある学童保育では早速、弁当を注文した子どもが受け取っていました。
21日のメニューは、主食がごはん、おかずがポークソテーやイカフライ、ほうれんそうのごま和えなど7品で子どもたちはおいしそうにほおばっていました。
3年生の女子児童は「好きなおかずが入っていてうれしいです」と話していました。
港区の学童施設に子どもを通わせる母親は「仕事が忙しいとか余裕がない時にもあるのでありがたく感じます。共働きが増えるなか、子育て支援としてニーズは高いと思う」と話しています。
港区子ども若者支援課の矢ノ目真展課長は「学童クラブの利用者が増えるなか、保護者の負担を軽減し、子どもと向き合う時間が確保できるようにすることで、子育てに前向きになってもらえるよう支援したい」と話しています。