「滝山病院」に指導 診療報酬めぐっても調査か 厚労省など

看護師による入院患者への暴行事件が起きた東京・八王子市の精神科病院「滝山病院」に対し２３日、厚生労働省が国民健康保険法に基づき、東京都などと指導に入ったことがわかりました。
虐待以外にも診療報酬をめぐる問題がなかったかどうか調べるものとみられます。

東京・八王子市にある精神科病院「滝山病院」では、入院患者を暴行したとして、看護師２人が逮捕され罰金の略式命令を受けたほか、准看護師など２人が書類送検されていて、東京都は管理体制に不備があったとして病院に改善命令を出しています。
関係者によりますと、病院に対し２３日、厚生労働省が国民健康保険法に基づき、東京都などと共同で指導に入ったことがわかりました。
指導では、午前９時前に厚生労働省や東京都、それに八王子市の職員など十数人が病院に入っていきました。
外部から「診療報酬をめぐって不正がある」という情報提供があったことから指導に入ったということで、虐待以外にも、診療報酬をめぐって問題がなかったかどうか、レセプト＝診療報酬明細書などを調べるものとみられます。
滝山病院は、今月１６日に暴行事件を受けた改善計画を東京都に再提出していて、このなかで「二度とこのような虐待を起こさないように再発防止に努める決意です」としていました。

「滝山病院」をめぐっては、入院患者を支援してきた弁護士が厚生労働省に要望書を提出し、診療報酬の請求状況などの調査を求めていました。
患者を支援してきた相原啓介弁護士は、院内で録音された音声や関係者の証言などから、実際には行っていない検査を行ったかのような記録があることや、不要な薬の投与など不適切な治療が疑われることをあげ、国に対し診療報酬の請求状況の確認や、保険医療機関や保険医としての指定が適切か調査を求めていました。
相原弁護士は今回の指導を受けて「適正な診療や請求が行われていたのか実態を明らかにしてほしい」と話しています。