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鈴木康友氏が接戦制す 静岡県知事選挙を担当記者が振り返る

  • 2024年05月27日

接戦となった選挙結果

元浜松市長の鈴木さんが、72万を超える票を獲得しました。元副知事の大村さんは65万票余りでした。得票率では5ポイント差の接戦となりました。事実上の一騎打ちとなった2人の選挙戦を振り返ります。

選挙戦で鈴木さんは、市長時代の実績や経験をアピールするとともに、静岡県が県内での着工を認めていないリニア中央新幹線の推進や、企業誘致やスタートアップ企業の育成などを通じた地域経済の活性化などを訴えました。

一方の大村さんは、15年の川勝県政で生じたとする混乱から県政を立て直すと強調した上で、消防庁で勤務した経験を生かして災害対策を進めリニア中央新幹線の問題を責任持って解決するなどと訴えました。

今回の選挙結果、何が勝負を分けたのか。こちらの2つ、「地域間対立?」と「与野党対決?」という点で見ていきます。

地域間対立はあったの?

まずは、「地域間対立?」です。

こちらは、開票所ごとに、どの候補者が最も多く得票したかを示した地図です。青色が鈴木さん、赤色が大村さんです。

鈴木さんは、出身の浜松市を中心に、西部の8つの市と町で支持を広げました。

一方、大村さんは、出身の静岡市がある中部、東部、伊豆の27の市と町で支持を得ました。

最も多い票を獲得した自治体の数でみると、大村さんの方が多いですが、得票数では鈴木さんが上回ったかたちです。

浜松市中央区がカギだった

その理由として考えられるのは、浜松市中央区の開票結果です。

鈴木さんが18万票を獲得していて、鈴木さんの全体の得票、72万票余りの25%を中央区だけで占めています。さらに中央区の18万票に浜名区と天竜区の票を加えた浜松市全体では鈴木さんの得票の30%を超えているんです。

大村さんは、浜松市に次いで人口の多い静岡市の開票所などで 鈴木さんを引き離しましたが、やはり浜松市での“勝ち分”は大きく、得票数で見ると鈴木さんにおよびませんでした。

2人は選挙戦で「オール静岡」を掲げましたが、図らずも地域間の対立、対決という形になってしまったわけです。この点について、鈴木さんは一夜明けた27日の朝、次のように述べました。

「西部中心の県政になるのではないかという漠然とした不安感が今回の結果にもつながっていると思うので、いちばん県として目配りをしていかなければいけないのは、小さな自治体の集合体である東部地域だと思っている。西部だけの鈴木康友ではないということをしっかり理解していただいて、信頼してもらわなければならないので、仕事を通じて県民の理解を深めていきたい」

与野党対決はどうなった?

そしてもうひとつのポイント、「与野党対決?」です。

今回、NHKは出口調査で、投票の際に「政治とカネ」の問題を 考慮したかどうか尋ねました。その結果、「大いに考慮した」と「ある程度考慮した」が あわせて72%を占めました。

今回の選挙戦で、鈴木さんを推薦した立憲民主党と国民民主党の議員らは、選挙戦で、自民党の「政治とカネ」の問題について、批判する場面が多く見られました。

一方の自民党は派閥の政治資金をめぐり、浜松市が地元の塩谷立・衆議院議員が離党したことなどからこの問題への影響を警戒し、県外の国会議員の来県を極力控えるなど対応を迫られました。

いずれにしても7割以上が、政治とカネの問題を考慮したと回答していることからも、両陣営の戦い方が有権者の投票行動に一定の影響を与えたと考えられると思います。

課題山積の静岡県政

選挙戦では全国的にも注目されているリニア中央新幹線の問題や、鈴木さんがドーム型の整備を掲げる浜松市の野球場への対応などが争点になりました。来月はリニアの会合や、県議会が早速開かれますので、鈴木県政がどのように、一歩を踏み出すのか、注目です。

  • 仲田萌重子

    静岡放送局 記者

    仲田萌重子

    全国紙記者として福島県浜通りで過ごした後、2022年にNHKに入局、静岡へ。静岡県政キャップ3年目。

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