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静岡 続報「PFAS」問題 血液検査で元従業員から20倍超検出

  • 2024年03月09日

有機フッ素化合物の「PFAS(ピーファス)」のうち、有害性が指摘されている物質をかつて使用していた静岡市の化学工場。その運営会社が行った血液検査で、70代の元従業員の男性から、国の調査の平均値の20倍以上にあたる血中濃度が検出されたことがわかりました。

2013年まで使用 有害物質「PFAO」

アメリカの化学メーカー「デュポン」社が出資する会社が静岡市清水区三保で運営していた化学工場では、フッ素樹脂を製造する過程で「PFAS」のうち発がん性などの影響が指摘されている「PFOA(ピーフォア)」が2013年まで使われていました。

当時の内部文書

この工場では、2008年から2010年までの間に一部の従業員の血液検査が行われ、高濃度の「PFOA」が検出されたことが、当時の内部文書からわかっています。

元従業員の血中濃度 平均の20倍超

PFOA

この問題で、工場の運営を引き継いだ「三井・ケマーズフロロプロダクツ」が、2月、希望する元従業員を対象に血液検査を行った結果、かつて製造部門に所属していた70代の男性から、血中1ミリリットルあたり48.5ナノグラムのPFOAが検出されたことがわかりました。男性は、入社直後からおよそ10年間「PFOA」を扱っていました。

 70代男性 血液検査の結果

これは、国が2022年度に全国の3か所で89人を対象に行った調査の平均値である「1ミリリットルあたり2ナノグラム」の20倍以上にあたる濃度で、アメリカの学術団体が健康にリスクがあるとしている「1ミリリットルあたり20ナノグラム」という指標よりも2倍以上高くなっています。

かつて製造部門に所属 70代男性
仕事をしていた当時はちょっと考えられないぐらいの数字が出たのかなと。持病がいくつかあるので、それがPFOAの影響かどうかまったくわからない。早く(健康リスクについての)基準を設けてもらいたい。

ほかの従業員からも高濃度検出

元従業員の男性(77) 血液検査の結果

今回の検査では、かつて製造部門に所属していた77歳の元従業員の男性からも、血中1ミリリットルあたり29.7ナノグラムのPFOAが検出されました。これは国の調査の平均値のおよそ15倍にあたる濃度です。男性は、入社して半年後から10年あまりの間「PFOA」を扱っていたといいます。

かつて製造部門に所属 元従業員の男性(77)
15倍だから大きいし、40年経ってもまだこれだけ残ってるんだっていうのはちょっとやばいですね。自分の体を見た時に、不安を抱えながらいるっていうことしか今のところ言えないです。会社は毎年、血液検査してもらいたいですね。

専門家「会社はフォローアップを」

今回の検査結果について、PFASの問題に詳しい京都大学大学院の原田浩二准教授は次のように述べました。

国のPFAS対策を話し合う専門家会議メンバー
京都大学大学院 原田浩二准教授
PFOAは、体にたまりやすい性質があります。一方で、完全に摂取する量をなくせば、それからおおよそ3年ほど経てば半分の濃度になっていくということが知られています。そのことから逆算すれば、おおよそ数百ナノグラム、10数年前(の退職時)には血液中にはあったのではないかと考えられるわけですね。当時やはり工場で働いていた方というのは、日常的にPFOAを摂取していたと考えられます。
(会社側は)PFOAを非常に多く摂取する可能性があった方に対して影響がないのか、もしくは今後の健康上の問題が出てこないのかについてフォローアップしていくことが、従業員の健康管理の上で、重要だと思います。

「三井・ケマーズフロロプロダクツ」は、血液検査の詳細については個人情報に関わるため回答しないとしたうえで、「政府の見解でもどの程度の血中濃度で健康への影響が生じるかが明らかになっていないので、現時点でのコメントは差し控える」としています。

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