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静岡かに情報 たばこの吸い殻を身にまとったモクズショイ

シリーズ第6弾!「モクズショイ」伊豆で環境保護訴える?
  • 2023年05月17日

富士山をはじめ伊豆半島や駿河湾など自然豊かな静岡県には、観光やグルメを求めて多くの人が訪れます。不思議なカニやおいしいカニもいっぱい!どんなカニがいるのか、どんな食文化があるのか各地で調べました。シリーズ「静岡かに情報」。第6弾は、一見クモみたいなカニ、モクズショイをご紹介します。(静岡かに取材班)

海藻や木切れを身に付けてカモフラージュ。夜行性で少しグロテスク、でも愛嬌たっぷりのモクズショイですが、環境保護を訴えるかのようなものまでも。静岡放送局の望月豊アナウンサーが海に潜って取材してきました。

クモみたいなカニ

モクズショイはクモガニ科に属する、文字通りクモみたいなカニです。 

海藻やカイメンを体に付けてモコモコしていて、まるでタランチュラみたいですが、毒はありません。


 正面から見るとちゃんとハサミもあって、カニです。

 昼間は岩場などでじっとしているので、なかなかわからないのですが、夜になると活発に動きだします。

ガイドの方に見つけてもらいました
どこにいるかわかりますか?
毒グモみたいですね…

 伊東市富戸で潜水ロケをした時は、夏の夜と冬の2回出会いました。
 撮影していると自分から、のっしのっしとレンズに向かってきて、カメラマンも驚いていました。 

モクズショイ?モズクショイ?

 昔、研修で「モズクショイ」とリポートして注意されていた先輩がいました。
当時は「紛らわしいから仕方ない」くらい思っていましたが、確かに「モズクショイ」ではリポートとして使えないので、仕方ないではすみません。
「藻屑を背負っている」と覚えればいいんだよ、と教えてくれる人もいますが、藻屑だったか、食べるモズクだったか忘れてしまったり、実はモクズガニというのもいたりするので、生きものの名前というのは本当にややこしいとしか言いようがありません。
覚えるコツは、やはり生きものへの“愛”でしょう。

愛がなければよい潜水リポートはできない?

英語ではデコレーションガニ?

モクズショイは、英語ではSpider Decorator crabとかDecorator crabと呼ばれているそうです。装飾するクモみたいなカニ、意味でしょうか。
体の表面にかぎ状の毛が生えていて、そこに海藻やカイメンを付着させます。岩場などに擬態して身を守っているのです。 

大変失礼ながら、モクズショイはなんとなくゴミをまとっているような、ちょっと汚らしいイメージがありましたが、海藻を切り取ったり木切れなどを上手に身につけていたりするようすは、とても器用で感心させられます。

たばこの吸い殻をつけていた

そんな器用なモクズショイだからこそ少し悲しくなるシーンを撮影しました。

 左脚に何か白いものを付けています。

 よく見るとたばこの吸い殻です。

フィルター部分は水に溶けないで海中でも形を保っています。

もともと魚などから身を守るために自らを装飾して擬態しているモクズショイ。 ゴミを身につけることが擬態になるとはなんとも残念な話です。 

ちなみにダイバーが潜る海は基本的にきれいです。誰も汚い海に潜りたくないし、ゴミがあれば持ち帰ってきます。このモクズショイを撮影した富戸の海底でもゴミを見かけることはほとんどありません。
しかし、どんな小さなゴミでも海にかえらず残り続ける、それは海の生きものたちにも間違いなく影響を与えています。そのことを、このモクズショイは教えてくれています。

シリーズ「静岡かに情報」。第7弾は、地域で特産に育てたというタカアシガニをご紹介します。

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  • 望月豊

    NHK静岡 アナウンサー

    望月豊

    静岡県伊豆の国市出身。1998年入局。1999年から潜水取材班所属。国内外の海や川で潜水リポート取材。

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