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"車中泊避難”健康被害にあわないために

みんなで防災 大窪愛キャスターが体験 
  • 2023年04月24日

4月11日から「たっぷり静岡」の中でスタートした「みんなで防災」コーナー。

防災というと、もしかしたら「ちょっと難しい、縁遠い…」と感じる人がいるかもしれません。
そこで、私・キャスター大窪が実際に体験しながら、「だれでも」「みんなが」できる、命を守るためのノウハウをお伝えします。

今回のテーマは「車中泊」。
熊本地震などの過去の大きな災害では、車中泊避難をした方が少なくありません。
新型コロナウイルスの感染拡大以降は、密を避けるために選ぶ人もいます。
感染対策やプライバシー確保などができる一方で、健康への影響、特にエコノミークラス症候群には注意が必要です。
避難生活で「これだけは」知っておいてほしいことをまとめました。

実際に「車中泊」を体験  
身体の状態は・・・

車の助手席で「車中泊」を体験 

車中泊では身体がどのような状態になるのか。
静岡県地震防災センターにある「車中泊」展示コーナーをお借りして、実際に、私も体験してみることにしました。

座席のシートを少し倒した状態でしばらく過ごします。
動かずにじーっとしていると、少し足や背中が痛くなってきた気がします。
止まった狭い車のなかで、ただ過ごす。
実際の災害のときは、先が見えない不安のなか、みなさんどんな思いだったのだろうという気持ちになりました。

松岡医師「大窪さん、動いていますか。とくに足とか体操してます?」
大窪 「していなかったです…」
松岡医師 「このまま長くいるとエコノミークラス症候群を発症してしまいます」 

現れたのは、災害時に派遣される医療チーム「DMAT」として、熊本地震の避難所運営に携わった、医師の松岡良太さん。
実は今回の体験も、松岡さんのアドバイスのもとに短時間行っていました。

松岡医師
エコノミークラス症候群は、長時間、同じ姿勢でいることなどで足の血液の流れが悪くなり、血の塊ができるもの。
この塊が、肺などの血管に詰まると死亡することもあります。

避難生活 
エコノミークラス症候群を防ぐポイントは 

どうしたらエコノミークラス症候群を防げるのか。
松岡さんに、誰でもできる方法をききました。
まずは、定期的に体を動かすこと。 
特にを動かして、足の血液の流れを促すのが大事だということです。 
4時間に1回は散歩したり体操したりします。 
屈伸運動がおすすめ。ふくらはぎを動かすことを意識します。

松岡医師
「深呼吸すると、さらに血液の流れがよくなります」

車の中など狭い場所でもできる運動もあります。 
▼ふくらはぎを動かすことを意識しながらやる、かかとやつまさきの上下運動。 
ふくらはぎのマッサージです。マッサージといってもするのではなく、筋肉を押しつぶすように上につまんでいきます。これを数回くりかえします。

こういった運動を、 1時間ごとに3~5分行うといいそうです。 

さらに、車の中で過ごすときのポイントもあります。
 足を少し上げて、できるだけ高さをなくします。 
リュックサックや毛布など車の中にあるものを活用し、 その上に足を置きます。
 ベルトなどを外して、ゆったりとした服装で過ごしましょう。

 

「ものの備え」も大事です。
着圧ソックス(弾性ストッキング)。足を圧迫して、足の血流を促すのが狙いです。
非常持ち出し袋に入れておくと良さそうです。

 そして「こまめな水分補給」も忘れずに。 
避難生活では、トイレの回数を減らすために水を飲むのを我慢する人も見られますが、 危険が高まります。 

松岡医師
「若くて健康な人も、エコノミークラス症候群を発症するおそれがあるので、すべての人が、注意する必要がある。知識に加えて、ものを備えておいてほしい」

★「みんなで防災」コーナー動画はこちら★
 


 

  • 大窪愛

    静岡放送局キャスター

    大窪愛

    浜松市出身。ふじのくに防災フェロー、防災士。「おはよう静岡」キャスターを務めるかたわら、防災分野の取材を続けている。趣味はマラソン。

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