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家族写真 大切なあなたへ 藤枝

写真をめぐる家族の物語
  • 2023年06月19日

何気ない日常をうつした写真。
みなさんにはいつまでも大切にしたい家族の写真はありますか?
そんな1枚をめぐる家族の物語です。

やがて大人になった写真の少年

今は家族写真専門のカメラマンとして活躍しています。
大石恭輔さん41歳です。

「撮りますよ~!」「さっきよりいい笑顔!」
大石さんが撮影していたのは2組の家族。笑い声の絶えない家族や、生まれたばかりの赤ちゃんを静かに抱きしめる家族。カメラの先にはいつもと変わらない家族の時間が流れていました。

(大石さん)
「家族の思い出を写真という1枚の形にできることは特別なことなのかなと思います」

家族写真を撮る理由

大石さんが撮り続ける家族写真。その背景には父親と接する機会が少なかった自身の生い立ちがあります。5歳の時に両親が離婚。父方に引き取られました。
父親は家を不在にすることが多かったといいます。

幼少期の大石さん

(大石さん)
「全然家庭のことは気にしない父親でした。夜はたぶん飲みに出歩いていて...あんまりいい印象ではなかったです」

その後、父親は交通事故で入院。亡くなるまでの20年以上、病院での生活を余儀なくされました。大石さんには父親と過ごした思い出がほとんど残っていません。

そんな父親の愛情を感じることが出来る唯一の写真。
幼い自分と父親がうつる、この写真です。

父親と大石さん

(大石さん)
「父に肩車をしてもらっていて、珍しく僕が笑っていて...。父親は家のことを顧みず、ずっと外で遊んで暮らしていたわりには、僕らにもちゃんと愛情をくれていたのかなということが写真から分かります。ほかの人から見たら普通の写真に見えるかもしれないですけど、僕からしてみたらすごく貴重な1枚です」

いつまでも心に残る写真。大石さんはそんな1枚になることを願ってシャッターを押します。

(大石さん)
「撮影した直後は特別感はないと思いますけど、大きくなったときに見返すことによって、いろんな感情がわいてくると思います。その一つとして家族の愛情を感じてもらえればいいかなと思います」

その場所 その時間 
かけがえのない写真

季節ごとに大石さんのもとを訪ねてくる家族がいます。
静岡市に住む八木さん家族です。2月の終わり、早くも満開を迎えた桜の下で撮影がおこなわれました。

(八木和美さん)
「この季節は初めてです。家族写真を撮りたいと思って...」

(八木久喜さん)
「自分たちだと見えないような子どもの表情を撮ってくれたり引き出してくださったりするので、いつも助かっています」

家族で過ごすかけがえのない時を写真に。
そこには息子の柚希くんに対する思いも込められています。

(八木和美さん)
「この子は指定難病なので、たぶん大きくなっても写真を見ても分かるかは分からないですけど、もし分かるようになったら一緒に大人になってから見返せたら

写真が伝えた思い 写真で伝える思い

写真が伝える家族の愛情。
大石さんは今、5歳になる息子の朝日くんにも写真を通して伝えていきたいと考えています。

(大石さん)
「いろいろ生きていくうえで親との衝突だったり道をそれてしまうことがあると思う」

息子の朝日くん

(大石さん)
「そういうときに写真を見返すことによって愛情の再確認というか、こんなに愛されていたんだなとか、思い出を残すことが僕の中では使命だと思います」

大石さん家族の写真
  • 木原奏人

    静岡局・カメラマン

    木原奏人

    令和3年度に中途採用で入局。
    レンズを通してさまざまな思いを映します。    

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