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静岡ラグビー特集➀ W杯イヤー!五郎丸さんの夢は?期待は?

ラグビー元日本代表 五郎丸歩さん 選手から裏方に回って1年あまり ラグビーW杯イヤーに寄せる思いを直撃!
  • 2023年02月17日
ラグビー元日本代表 五郎丸歩さん

ラグビー元日本代表・五郎丸歩さん。
2015年のラグビーワールドカップでは、キックの前のポーズが注目を浴び、
社会現象にもなりました。

2021年、現役を引退した五郎丸さんは、指導者の道には進みませんでした。
静岡を本拠地に置くリーグワンの「静岡ブルーレヴズ」の一員として、
ラグビー界に変革をもたらしたいとチーム運営の“裏方”に。

ファンクラブ運営やイベント立案、営業活動、駅前で
チームを多くの人に知ってもらうためのビラ配りなど
「なんでもやっています」と語る五郎丸さん。

そんな五郎丸さんは、今どのようにラグビー界に貢献しているのか。
そして、フランスでラグビーワールドカップが行われる2023年。
日本代表に期待することを聞きました。

                          (取材・文 片平和宏アナウンサー) 

 

ヤマハスタジアムで取材に応じる 五郎丸歩さん(2021年撮影)

「裏方」に転身した 五郎丸さん

 引退から数か月後の2021年11月。
    静岡ブルーレヴスのオフィスを訪ねると、ジャケット姿でリモート 会議に参加している五郎丸さんがいました。

五郎丸さん
「・・・開幕に向けてどのようにチケットを販売していきますか?」
「・・・飲食店にはできるだけ静岡の特産品を使いたいですね。」

会議で提案する五郎丸さん(中央)

ちょうど日本のラグビー界も大きく変わり、トップリーグはジャパンラグビーリーグワンとして再出発しようとしていたとき。
準備に取り組んでいた開幕戦でしたが、チームに新型コロナウイルスの感染者が出て中止に。
五郎丸さんの裏方としてのスタートは、目に見えない敵にくじかれました。

五郎丸さん
新型コロナウィルスの影響もあって、開幕当初も直前でコストカットをしなければならなかったです。私たちがやりたかった空間作りが、なかなかできなかったですね。

リーグワンとなって2シーズン目のことしのホーム開幕戦。
静岡ブルーレヴズはさまざまな工夫を施しました。

トップリーグ時代はヤマハ発動機として活動した静岡ブルーレヴズ。
バイクの大きな音がスタジアムに響き、炎が出る演出も。
五郎丸さんが当初思い描いていた演出で、およそ1万人が詰めかけました。

五郎丸さん
我々が目指す1万人というところ・・・数百人足りなかったですけど、リーグワン開幕当初は3000人に満たない位のお客さんだったので、それを考えると我々のクラブとしての非常にステップアップしたなと思ったので、今年の開幕に関しては非常に嬉しかったですね

場内ラジオのDJを担当する五郎丸さん (写真提供:静岡ブルーレヴズ)
ハーフタイムにはキックの体験イベントも (写真提供:静岡ブルーレヴズ)

五郎丸さんに将来的な目標を聞きました。

スポーツの良さというのは、やはり「非日常空間」だと思います。
選手たちがプレーをする、ぶつかり合う、戦うという非日常空間でありながら、
それをいかに最大限我々が演出していくか。
演出と言う表現は良くないかもしれないですけど、選手たちが戦っていく姿を、
スタジアムの中を含めて盛り上げていく。そういったものを私たちはやらなくてはいけない。

そして、いずれはクラブとして、1つ大きなスタジアムを持ちながら、
"スタジアムを中心としたまちづくり"というのが最終的にできていけば、
これが私たちが願っていることの1つです。

②五郎丸さんがW杯で注目すること

2015年のワールドカップ後はフランスリーグで武者修行した五郎丸さん。
フランスリーグは熱狂的なファンが多く、これまでのラグビー観戦の感覚をくつがえされたと話していました。そのフランスで行われるW杯は、運営面で大きなヒントになるといいます。

フランスワールドカップはとにかく運営面的に楽しみですね。
 スタジアムをどう盛り上げていくのか。
日本のラグビーのお客さんはラグビーが生まれたイギリスに似ているといいますか、それを真似してきていた文化があるので、静かに見なくちゃいけないと言う環境に慣れてしまっています。フランスというのは全く違う環境で試合を見ますし、スタジアムの雰囲気とかっていうのも、
やはりフランス独特のものがあるので。そういったのは固定概念を崩すためにもぜひ見たいなと思いますね。

③日本代表が勝つためには

片平アナ
前回大会より日本代表としての合宿期間が短くなっています。新型コロナウィルスも広がりましたし、日本代表の大会までの調整はどうみていますか?

五郎丸さん
リーグでしっかりパフォーマンスを見せなければいけません。そして選手一人一人がリーグのなかで強くなる必要があります。もちろんケガのリスクもありますが、そこには注意しながら、
一戦一戦自分のチームのために戦い続ける必要があると思います。

それとコロナウィルスの関係で日本代表が海外との試合ができなかったですよね。
ここは心配です。この4年間のトータルの試合数を計算すると他のチームに比べて少ないです。日本代表はハンディキャップを持ってしまったなと思っています。
このハンディキャップを埋めるために直前の合宿でどこまで詰められるか。
ここはかなり鍵になるかなと思いますね。

片平
去年のテストマッチは強豪に連敗でした。これは、どうみますか?

五郎丸さん
気にすることはないと思います。
戦っている相手が世界のトップなので、このワールドカップ前に世界のトップと試合ができるというのは非常に日本が成長した証かなと思います。
そもそも2015年以前は、マッチメイクすらできないことが多かったです。
ワールドカップ前にイングランド、ニュージーランド、フランスとトレーニングマッチができたのは非常に大きな経験になったと思います。

日本代表はグループD。
初戦がチリ、イングランド、サモア、アルゼンチンと強豪のチームと対戦することが決まっています。
五郎丸さんがポイントに挙げたのが、イングランド戦です。

五郎丸さん
やはり2戦目のイングランド。
ここでどれぐらい自分たちが戦えるのか証明する場所になると思いますね。
イングランドヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏が解任されましたが、
フィジカルという面ではヘッドコーチが変わっても、さほど大きく変化しないと思います。

片平
フランスでもプレーした五郎丸さんですが、気候などはプレーにどう影響しますか?

五郎丸さん
今回は南フランスが中心になっていますね。
雨が少なく、非常に"乾いた状況"でプレーできるんじゃないかなと思います。
ボールが乾いているほうが、パスが回しやすいんです。
やはり早い展開をしたい日本代表にとってはいい環境だと思います。

ただW杯では環境には慣れる必要があります。
昨年のフランスで試合もありましたが、芝生がかなりめくれ上がるような状況が見えました。
スクラムでは組みにくそうでしたね。対応する力が求められます。
日本代表には・・・頑張ってほしいですね!

取材を終え 片平アナと五郎丸さん

NHK静岡では2023年2月25日(土)午後2:05~
静岡ブルーレヴズ対東京サントリーサンゴリアスの一戦をラジオ第1で生中継します。

選手へのインタビューや取材のこぼれ話など、この静岡WEB特集でも発信予定です。

 

  • 片平和宏

    静岡局アナウンサー

    片平和宏

    愛知県江南市生まれ。
    大相撲中継担当だが、
    五郎丸さんの番組制作からラグビー取材も夢中に。

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