長寿の秘けつ!?市民が復活…家康ゆかりの酒”忍冬酒”とは?
- 2023年02月17日

徳川家康が愛したという”幻の酒” 飲んでみたくないですか?
静岡市出身 俳優の加藤諒さんが、徳川家康ゆかりの地をめぐるシリーズ第2弾!
浜松市博物館を訪れた加藤さんは、75歳という当時では異例の長寿だった家康が愛飲していたという酒の存在を教えてもらいます。
一体どんな酒なのか!? 探っていくと、浜松市民の深い家康愛が見えてきました。(NHK たっぷり静岡 2023年2月17日放送)
家康が愛した”幻の酒”がある!?

そのヒントが浜松市博物館にあるということで
加藤さん、さっそく向かいました!

加藤諒さん「こちらで家康が飲んでいたお酒について教えてもらえると聞いたのですが‥」
鈴木学芸員「いま『家康伝承と浜松』というテーマ展をやっていて、そちらにありますよ!」 ※『家康伝承と浜松』展は2023年9月24日まで
鈴木さんに案内してもらった先にあったのは・・・

こちら看板なんですけど『忍冬酒(にんどう・しゅ)』と書かれています。家康公が浜松城の城主だったときに、浜松に住んでいた神谷家が『忍冬酒』という薬酒をつくっていたんです。そして神谷家が『忍冬酒』を家康公に献上したところ、家康公が大変気にいって、その褒美として太刀や金や土地を神谷家に授けたと伝わっています。(学芸員 鈴木奈々さん)

『忍冬酒』は戦国時代に製造が始まった浜松市名産の酒。家康をはじめとして浜松市民に広く愛されていたのですが、戦後、製造が途絶えてしまったのだといいます。
なんと・・!もう飲むことはできないの?!
‥と思いきや、鈴木さんからうれしい情報が。
浜松市民の手で復活したと聞いています。浜松忍冬酒の会の加藤國昭会長を訪ねると詳しい話も聞けますし、味わうこともできると思いますよ!(学芸員 鈴木奈々さん)

家康愛飲の忍冬酒は長寿の秘けつ?
忍冬酒って一体どんなお酒なの?!どんな味なの?!
気になる加藤さん‥
さっそく、浜松忍冬酒の会の加藤会長のもとへ!

ご自宅へ上がらせてもらうと、
加藤会長がお目当ての『忍冬酒』を見せてくれました!

「これが忍冬酒ですか?!色味的には茶色ぽい!」(加藤諒さん)
こはく色に輝く・・・こちらが忍冬酒!

「まずは味わってみてください」と加藤会長。

加藤諒さん「香りは少し薬のような‥? あっあまい!あまくておいしいです!」

加藤会長によると『忍冬酒』はみりんに、漢方薬にも使われる薬草の一種『すいかずら』を漬け込んだもの。

疲労回復などに効果があるといわれ、自分で薬を調合するほど漢方薬の知識が深かったという家康のもとにも献上されたといいます。

(加藤諒さん)家康はどんなときに忍冬酒を飲んでいたんですか?
加藤会長「詳しい資料は残っていませんが、私が想像するに”薬酒”として飲む。食後ですよね、寝る前とか。そうすることでスーと寝られて、熟睡して、明日への活力がわく。そうやって、ちゃんと健康管理をしていたからこそ75歳まで生きることができて天下人になれた。私はそう思いますよね」

『家康ゆかりの味を復活させたい』
市民の思いで現代によみがえった酒
でも・・・戦後に製造が途絶えていたという忍冬酒。
なぜいまよみがえっているのでしょうか?
「28年前、浜松市内の酒屋に1本の電話があったんです。『忍冬酒ってどこで販売していますか?忍冬酒は”浜松の名産”と広辞苑(第2版)に書かれていて』と。実はそれまで私たちも『忍冬酒』の存在について知りませんでした。製造が途絶えて以降、歴史に埋もれてしまっていたんです。ですがその話を聞いて『家康が愛した味をなんとか復活させたい』と浜松市民の有志が動き始めたんです」(浜松忍冬酒の会 加藤会長)

※一番左が加藤会長
特に苦労したのは昔ながらのみりんや日本産のすいかずらを手に入れること。忍冬酒の歴史や当時の製造方法を研究しながら改良を重ねること16年。ようやく家康の時代に近い味をよみがえらせたんです。2011年のことでした。

そんな加藤会長ももちろん忍冬酒の愛飲者。妻の峰子さんと毎週金曜の夜に「忍冬酒」で乾杯するのが習慣なのだとか。

「忍冬酒を通して家康公について知れば知るほど見習うべきところが多い」と話す加藤会長。2人とも家康公にならって健康には何よりも気を遣っているんだそう。
ちなみに峰子さんのおすすめは忍冬酒のバニラアイスがけ。忍冬酒の香りがアイスの甘みを引き立て、大人の味わいになるそうです!


加藤会長「忍冬酒を復活できたのは本当に誇りであるし、魅力あふれるお酒だと思います」
加藤諒さん「家康公が飲んでいたお酒を令和5年に飲める。すごくロマンがつまっている。パワーをもらえた気がしました」
時を超え地元で愛され続ける家康ゆかりの一品です!