ページの本文へ

静岡WEB特集

  1. NHK静岡
  2. 静岡WEB特集
  3. NHK静岡 三上弥アナ 干支(えと)・大河ドラマ 還暦  家康

NHK静岡 三上弥アナ 干支(えと)・大河ドラマ 還暦  家康

令和5年のNHK大河ドラマは「どうする家康」 「干支」と「大河ドラマ」を考察 「大河ドラマ」は還暦を迎えます!
  • 2023年01月05日

三上 弥 NHK「現場のことば」第36回

NHK テレビ本放送開始70年 大河ドラマ60年・還暦

新しい年になると暦が気になります。
干支(えと)と大河ドラマのことが気になったので、年末年始に調べました。
「どうする家康」開始を前に、
十干十二支、NHK大河ドラマについて考察します。

令和5年 卯年(うどし)

令和5年を迎えました。ことしのえとは「うさぎ」です。えとは本来「十干十二支(じっかん・じゅうにし)」のことを指すものの、最近の日本では、動物で想起しやすい十二支が主役になりました。漢字では干支と書いて「えと」や「かんし」と読ませることもあります。「年」が付く場合、「卯年(○うどし・×うさぎどし)」または「うさぎ年」です。

公共メディアNHKで「うどし」と伝える場合は「う年」という表記が原則で、卯年と字幕を出すときは卯に「う」とルビを振るのが決まりになっています。

いまも残る「十干十二支」

古来、十干十二支は時や方位を示すとき、日常的に使われてきました。午後になった瞬間に始まる「正午」のNHKニュース、戊辰(ぼしん)戦争、辛亥(しんがい)革命、甲午(こうご)農民戦争、壬申(じんしん)の乱といった歴史上の出来事、庚申塚(こうしんづか)といった地名などにいまも残っています。「十干十二支」は、アジアの漢字文化圏に浸透しているのが特徴です。

中学や高校で学ぶ古文の教科書や資料集には円グラフのような方位図や時刻表が載っているため、日常では使わなくても、何となく馴染みのある人は少なくありません。

「草木も眠る丑三つ時(うしみつどき)」という時の「丑三つ時」が午前2時ごろを指すことはよく知られています。

「十干十二支」・「還暦」 おさらい

とはいえ、明治政府が太陽暦を採用してから150年余りが経過したいま、「十干十二支」が日常的に使われているとは言えません。そこで、簡単におさらいします。

十干(じっかん) 

もともと日を10日のまとまりで数える呼び名
 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
 上旬・中旬・下旬のように、10日ごとのまとまりを「一旬」という。

十二支(じゅうにし)

もともと月の順を表し、12種の動物を当てはめるようになった。
子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥

「十干十二支」の組み合わせはあわせて「60」通り。        
六十干支」とも呼ばれる。ひとめぐりで「還暦」。

十干と十二支の組み合わせは最小公倍数の60通りあって「六十干支(かんし)」とも呼ばれます。

「六十干支」で有名なのは、トップバッターの「甲子」です。兵庫県にある甲子園の名称は、完成予定かつ竣工式が行われた大正13年が「十干十二支」の最初の組み合わせである「甲子(きのえ・ね)」であったことに由来しています。子年(ねどし)・ねずみ年です。

前年の大正12年はちょうど100年前、関東大震災のあった年で、「十干十二支」は「癸亥(みずのと・い)」でした。

「還暦」というのは、「六十干支」がひとめぐりした60年を示しています。生まれた年の干支を1回目とした場合、60歳で最初の「還暦」を迎える人はいても、2回目という人はほとんどいません。「存命中の世界最高齢」でギネス世界記録に認定されていた田中カ子(たなか・かね)さんは令和4年4月19日に老衰のため「119歳」で亡くなりました。素晴らしい長寿です。

NHK静岡放送局
静岡市駿河区

令和癸卯・昭和癸卯

令和5年は「癸卯(みずのと・う)」の年です。初詣で参拝したら、巨大な絵馬に描かれたうさぎの絵と「令和癸卯  謹賀新年」という掲示がありました。

「癸卯」は60年に1度なので、前回は平成ではなく昭和です。昭和38年が「癸卯」の年でした。ことし還暦を迎えるのは、昭和38年生まれの人です。

前回の「癸卯」 昭和38年用の年賀切手

昭和38年用の年賀切手はかわいらしく、かつ、色合いが上品で印象に残ります。単色で印刷した切手が珍しくない時代に、このカラー印刷は力作だったと言っていいでしょう。

昭和38年という年は、1月に「三八(さんぱち)豪雪」で知られる大雪となりました。
黒部ダムの完成や、日本初の高速道路「名神高速道路」が開通したのもこの年です。
アメリカのケネディ大統領暗殺のニュースが、テレビジョンの「宇宙中継」、
いまでいう衛星中継の実験で送られてきたというのは、この年の放送史に残っている事実です。

NHK大河ドラマ「還暦」 

放送史を振り返ると、昭和38年は日本のテレビ放送開始10年に当たり、よくとしには東京オリンピックが控えていたことが分かります。

NHKの「大河ドラマ」はこの年に始まりました。「花の生涯」という作品で、大老・井伊直弼(いい・なおすけ)の生涯を描きました。昭和38年は「癸卯」の年ですから、NHK大河ドラマは令和5年のことし、「還暦」を迎えることになります。

いまと違うのは、第1回の放送が1月ではなく4月だったこと(4月7日)と、総合テレビの放送開始時刻です。当時は「午後8時45分から9時29分まで」の放送でした。
カラー作品ではなかったのも、現在とは異なります。

その日の「番組編成」は  昭和38年4月7日

時代の雰囲気を伝えるためここに記すと、NHK大河ドラマ「花の生涯」が始まったこの日・昭和38年4月7日の午前8時台には、新番組「オリンピックアワー」の第1回『オリンピックと東京』、午前11時からは「政治と政策」という番組でテーマは『わが党はかく戦う』、午後7時20分からの番組「こよい歌えば」では『島倉千代子とともに』が放送されました。

「どうする家康」

NHK大河ドラマ「どうする家康」
令和5年1月8日 放送開始

花の生涯」から60年。大河ドラマ「還暦」の年に放送されるのが、静岡県にゆかりのある作品「どうする家康」です。徳川家康は松本潤さんが演じます。

「どうする家康」は62作目の「大河ドラマ」です。ちょうど60にならないのは、最初の年が1作品目になることや、1年間にわたって放送しなかった作品があったためです。
60年前も現在も、総合テレビの最初の放送が「日曜日の夜」というのは変わりません。

新しい年を迎えて あなたの「十干十二支」は

今回の「現場のことば」では、干支・十干十二支とNHK大河ドラマについて考察してきました。

自分自身の還暦はまだまだです。
読者の方々が生まれた年の「十干十二支」は何で、還暦はいつでしょうか。新しい年になったのを機に調べてみるのもよいでしょう。

テレビ放送70年 昭和28年2月1日本放送開始 NHK

令和5年2月1日(水)は、NHKがテレビジョンの本放送を始めてからちょうど70年です。

国内のテレビ本放送の歴史は、昭和28年2月1日(日)、NHKの放送で始まりました。

テレビ本放送開始から10年を迎えた年=昭和38年の4月に、NHK大河ドラマが始まります。

第1作は「花の生涯」、最新の第62作が「どうする家康」です。

「どうする家康」は、令和5年1月8日(日)にBS-1と総合テレビで放送が始まりました。

NHK総合テレビでは、2月5日(日)午後、もともと「白黒」だったNHK大河ドラマ「花の生涯」をカラー化した映像「カラーでよみがえる! 大河ドラマ第1作『花の生涯』」を放送済みです。

NHKプラスでは、2月12日(日)午後5時29分まで配信しました。

ただでさえ珍しい「花の生涯」の放送が、カラー化された映像ではどのようになるのか、ご覧になった方は技術を堪能(たんのう)できたのではないかと察します。

<報告> NHKアナウンサー  三上 弥 (みかみ・わたる)


  • 三上 弥(わたる)

    アナウンサー

    三上 弥(わたる)

    平成6年度、NHKにアナウンサーとして入局。
    NHKニュース、国会中継をはじめ、報道分野の業務を中心に担当。
    NHK WEB に「現場のことば」を連載中。

ページトップに戻る