2022年05月26日 (木)分かりそうで分かりにくいもの 【 三上 弥 】


こんにちは。
NHKアナウンサーの三上弥(みかみ・わたる)です。

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初夏になって暑い日もあれば、雨の降る日もあって、
気象情報や雨雲レーダーを見る機会の多い日々が続いています。

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初夏を迎えて、
柑橘の産地らしい光景にも出会うことができました。


三上弥の「現場のことば」
第31回は、「分かりそうで分かりにくいもの」です。


 案外迷う数詞の発音 

「分かりそうで分かりにくいもの」といえば、
当たり前に発音できそうで、
日常会話で言い方に結構「揺れ」のあるのが数詞です。

たとえば、

< 分 >

経験の積んだアナウンサーだとあまり迷うことはないと思うものの、
時刻や時間を表現する時、
「3分」「4分」「6分」「8分」「10分」「15分」の読み方やアクセントは、
人それぞれという気がします。

「3分」「4分」「8分」「10分」「15分」「18分」、
それぞれ自信をもって発音できるでしょうか。

「さ\んpun」「よ\んpun」
「はち\fun(は\っpun)」
「じ\っpun(じゅ\っpun)」
「じゅ\う・ご\fun(じゅ\うごfun)」
「じゅうはち\fun」です。

交通機関の車内アナウンスで迷っている事例を
聞いたこともあるので、そこそこ難しいのではないかと思います。

< 票 >

参院選が近づいています。
選挙の票数も、アナウンサーは若手のうちから各種研修や放送現場で
何度も確認・練習します。

「3票」「6票」「8票」「10票」「13票」「15票」「18票」
「100票」「1000票」は、
「さ\んbyo」「ろ\っpyo」「はち\hyo」
「じっ\pyo(じゅっ\pyo)」「じゅうさ\んbyo」
「じゅ\う・ご\hyo、じゅ\うごhyo」「じゅうはち\hyo」
「ひゃ\っpyo」「せ\んbyo」です。
各文字の末尾「о」は伸ばして発音します。
許容として認められている発音もあるものの、
ここでは代表的な発音を掲載しました。

ここに紹介したのは一例です。
数詞のことはこれからも取り上げる予定です。
より詳しいことは
「NHK日本語発音アクセント新辞典」に掲載しています。



 新型コロナ以降の変化 

最近は、マスク着用の考え方についての報道が増えています。
着用の状況は、今後、どのように変化していくのでしょうか。

「分かりそうで分かりにくいもの」といえば、
マスク着用に限らず、統計上すぐにデータが出ないものでも、
新型コロナウイルスの感染拡大以降2年余りの間に、
気づいたら変わっていたことは少なくありません。

▼対面ではなくオンラインで実施
▼営業時間・開館時間の短縮
▼仕切りの設置
▼消毒用アルコールの設置
▼温風で手を乾燥させる機器の使用中止
▼使い捨て容器・道具・手袋の活用

読者の方々の身の回りでも、
「そういえば......」と思い当たる変化があるかと思います。
感染拡大が報じられてから急に変わったものもあるので、
収束の過程で、▽元に戻るのか、▽変わったままなのか、
▽別な形になっていくのか、
こうしたところもしっかり見ていきたいと考えています。

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これから本格的な梅雨の時期を迎えるので、
雨や河川に関する最新の防災情報を確認しましょう。


投稿者:三上 弥 | 投稿時間:14:30

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