2021年08月25日 (水)この2か月を振り返って 【 三上 弥 】
こんにちは。
シニア・アナウンサーの三上弥(みかみ・わたる)です。
久しぶりの「現場のことば」です。
この2か月は、
大雨や土石流といった緊急・災害報道が続きました。
「現場のことば」の読者の方々の近くでは、
どんな夏だったでしょうか。
静岡県では、8月20日すぎまでの大雨のあと、
暑さの厳しい日が続いています。
三上弥の「現場のことば」
第29回は、「この2か月を振り返って」です。
令和3年6月後半
静岡県では、
6月20日(日)に知事選が行われたあと、
23日(水)から25日(金)にかけて、
東京オリンピックの聖火リレーが行われました。
7月になって
6月30日(水)、
静岡地方気象台の記者会見などを受けて、NHKは、
「あす(7月1日)未明から来月(7月)3日にかけて
大雨となるおそれがあります。
気象台は、土砂災害や低い土地の浸水、
川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています」と伝えました。
7月1日(木)から、静岡県は実際に大雨となります。
NHKは、定時の放送枠に加えて
特別枠[放送局内では「特設」と呼んでいます]を設けて、
大雨関連のニュースや警戒を呼びかける放送を続けました。
2日(金)も3日(土)も、大雨警戒の放送が続きます。
3日は記録的大雨となり、朝から緊急報道に当たりました。
熱海市伊豆山の土石流
7月3日(土)には、
静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で土石流が発生します。
静岡県向け、東海・北陸ブロック、全国のニュースのいずれでも、
土石流関連のニュースを伝え続けたのは、ご存じのとおりです。
静岡県が、7月5日(月)の夜に、
被害を受けた地域に住んでいたとみられる
所在のわかっていない人の名簿を公表したことを受けて、
NHKでは名簿を放送しました。
担当した7月6日(火)朝の「NHKニュース おはよう静岡」では、
「熱海市で起きた土石流の発生から、きょう(6日)で、
人命救助に重要だとされる72時間となることから、
警察や自衛隊などは捜索や救助を
急ぐことにしています」で始まるニュースに続き、
名簿の名前と、心当たりのある場合の連絡先を伝えました。
テレビとともに、ラジオでも「特設」で伝え、
名前を読み上げるときには、ゆっくり、丁寧に、
所在のわからない方々が
無事でいてほしいと願いながら読んだことを覚えています。
生活情報
土石流の発生以降、
記者グループの多大な協力を得ながら
アナウンスグループが取り組んだのは、生活に関する情報です。
土石流発生当日の7月3日(土)に放送を始め、
NHK総合テレビの特別番組「心寄せて、熱海。」や、
テレビ・ラジオのニュースとおしらせで放送しました。
水をどうするのか、路線バスはどうなっているのか、
ゴミはどう処理するのか、支援や援助、義援金はどうすればいいのか。
―― 被害に遭った方々や、
支援に心を寄せる方々に届ける情報ということで、
忙しいなか取材に応じてくださった方々に深く感謝申し上げます。
東京オリンピック
東京オリンピックの期間中、
自転車のトラック種目が、
静岡県伊豆市にある「伊豆ベロドローム」で行われました。
入場者数の上限を収容人数の半分に制限した上で
観客を入れた「有観客」の開催です。
女子オムニアムでは、日本選手が銀メダルを獲得しました。
令和3年(2021年)の東京オリンピックで、
観戦が正式に認められた競技会場で
日本選手がメダルを獲得したのは、これが初めてです。
ほとんどの競技会場が「無観客」だった今大会で、
「日本選手が『観客の前で』初めてメダルを獲得した」のが
静岡県内だったというのは、記憶に残していい事実かもしれません。
8月の大雨
ことしの夏は、国内各地で大雨による被害が出ています。
8月の全国高等学校野球選手権大会は、
天候不良による日程の延期が続きました。
静岡県でも大雨が続き、
NHKの各メディアで情報を伝えています。
甲子園の大会は順延が続いたため、
8月の下旬には、
東京パラリンピック、甲子園、
緊急事態宣言をめぐる国会の質疑の放送が、
平日の同じ時間帯に重なるという状況も生じています。
防災・減災・災害関連情報 NHKの各メディアで
この2か月を振り返ると、
真剣に災害報道に向き合った濃密な日々でした。
全国のNHKの各部門・各世代のメンバーが
特別な態勢を組んで対応に当たるなかで、
何が必要な情報なのか、
自分自身の専門分野をいかしながら伝えることに
集中した日々だったと思い返しています。
今後も、ニュースをはじめ、防災・減災・災害関連情報について、
NHKのテレビやラジオ、「NHK NEWS WEB」、
「NHK ニュース・防災アプリ」などを活用していただければ幸いです。
投稿者:三上 弥 | 投稿時間:18:40