2021年01月22日 (金)令和3年の暦  【 三上 弥 】


こんにちは。
シニア・アナウンサーの三上弥(みかみ・わたる)です。

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新しい年「辛丑(かのと・うし)」の令和3年を迎えたと思ったら、
東京など首都圏の1都3県では
緊急事態宣言を出すような雰囲気になってきて、
実際に宣言が出されました。
この記事が掲載された時点では、
あわせて11の都府県に緊急事態宣言が出ている状況です。

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1月19日(火)午後には、
静岡県に県独自の「感染拡大緊急警報」が出ました。
感染者数の増減はどうなのか、各方面にどんな影響を与えるのか、
気になっている人は少なくありません。

NHKの放送・WEB・Twitter・LINEで伝えているニュースのように、
最新情報は刻々と変化しています。

今後の状況を容易に見通せないだけに、
収束を願いつつも、気の抜けない日々が続きます。


三上弥の「現場のことば」

第26回は、「令和3年の暦」です。


 令和3年の暦 ふだんの年と異なる日取りも 


2月に入ってまもなく、「節分」があります。
スーパーや神社・寺院で
豆が売られているのを見かけた人もいるでしょう。
実は、ことし=令和3年は、
ふだんの年と暦の日取りが異なる例があって、
確認することが肝要です。

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 節分2月2日 立春2月3日 


豆まきが行われる「節分」は
もともと季節を分ける日の前日という意味です。
現代では一般に、
二十四節気の「立春」の前日とされ、例年は2月3日です。

国立天文台暦(れき)計算室によりますと、
暦(こよみ)のずれの影響でことしは1日早くなり、
立春」が2月3日で、
前日の「節分」が2月2日になるということです。

立春」と「節分」が例年より1日早くなるのは、
明治30年以来、124年ぶりです。

来年=令和4年の「節分」は2月3日に戻ります。
その後、令和7年=2025年から4年ごとに再び2月2日になり、
2057年と2058年は2年連続で2月2日になるなど、
今世紀の末(すえ)にかけて2月2日になる頻度が
高まる傾向にあるということです。

令和3年のカレンダーのなかには、
節分」の日付を間違えて2月3日と記載したものもあります。
豆まきなどの行事を例年「正しい暦」どおりに実施している場合は、
日程に誤りがないか改めて確認しましょう。

 東京オリンピック延期 3つの祝日「移動」 


ほかにも例年と違う点があります。
東京オリンピック・パラリンピックが1年延期されたことを受けて、
令和3年は、祝日の並びにも特徴があります。

東京オリンピックによる交通機関の混雑緩和のため、
令和3年に限って3つの祝日を移動させる改正法が、
すでに可決・成立しています。

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令和3年のオリンピックの開会式は7月23日。
改正法では、▼開会式前日の22日に「海の日」を、
▼当日の23日に「スポーツの日」を、
▼8月8日の閉会式当日に「山の日」を、
それぞれ移動させるとしています

これによって、
土曜日日曜日・振替の「休日」を含めると、
令和3年は、
▼開会式の前後が4連休になるほか、
▼閉会式の前後も3連休になります。

 「夏季オリンピック」 と 「うるう年」 


4年に1度、主に「うるう年」に開かれる夏のオリンピック。
1年延期されたため、
令和3年に東京オリンピックが開催された場合、
うるう年ではない年に開かれる」
暦の上では極めて珍しい大会になります。
実は、初めてではなく「前例」があるのです。

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うるう年」は地球が太陽を1周するのが
実際には平均で365日5時間48分余りとなっているため、
4年に1度、年間366日の「うるう年」を設けることで、
暦と季節のズレを防いでいます。

それでも微妙にズレが生じるため、
さらに、100年単位でも調整しています。

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たとえば、1900年や2000年、
2100年など下2桁が「00」の年のうち、
千と百の位の上2桁が「19」や「21」 のように
4で割り切れない1900年や2100年は、
うるう年にならない決まりです。

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1900年=明治33年のパリオリンピックは、
うるう年ではない年」に開かれたため、
“「前例」がある”と言えます。

この項目であえて「夏季」としているのは、現在、
最近の「冬季」オリンピックは「夏季」と交互に行われているので、
うるう年」でないことが自明のためです。

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 公式の「暦」に基づいて 予定・当初の公表内容の点検を 


暦は、天体現象と密接に結びついているため、
なじみのある日付が
年によって前後にずれることがあります。

令和3年の暦は、例年と異なる日取りがいくつもあるため、
節分」に限らず、
公的機関が発表する最新の暦に基づいて、
行事などの予定を点検することがおすすめです。

さらに、東京オリンピック・パラリンピックの当初の日程をふまえて、
行事や任期、活動などについて「2020年=令和2年」までとか、
「2020年度=令和2年度」いっぱいといった
期限や期日を公表・公言していた例も少なくありません。

このような事例では、信頼の面から、
当初の言及内容があいまいに扱われていないか点検して
正しく誠実に運用することも心がけたほうがいいと思います。

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投稿者:三上 弥 | 投稿時間:17:30

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