2020年12月18日 (金)新型コロナウイルスと文化・風習・行事日程  【 三上 弥 】


こんにちは。
シニア・アナウンサーの三上弥(みかみ・わたる)です。

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冷え込みが厳しい季節になると、
太平洋側にある静岡県は空気が澄んできて、
富士山がより鮮明に眺望できるようになります。

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取材に向かうとき富士山が見えると、
背筋が伸びるような感覚になるのは不思議です。
国内最高峰には、
人々を前向きな気持ちにさせる何かが
宿っているような気がしてなりません。

三上弥の「現場のことば」
第25回は、「新型コロナウイルス文化・風習・行事日程」です。

 新年一般参賀 

例年1月2日に皇居で実施される「新年一般参賀」は、
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、
令和3年については実施されないことがすでに決まりました。

一般参賀に限ったことではなく、
新型コロナウイルス
飛まつによって感染することが分かっているわけですから、
たとえマスクを着けたとしても
「おしくらまんじゅう」のような状態が
どのようなことを意味するのかは明らかです。

年の瀬や新年の恒例行事も、
感染拡大防止のために変化しています。


 分散参拝 

NHKニュースでも取り上げているように、
全国各地の少なからぬ神社や寺院では、
分散参拝」を呼びかけています。

新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるからといって、
初詣をやめましょう」とは言っていません。
「時期を分散させてお参りしましょう」という呼びかけです。

師走に入った初日に取材した神社は、
地元では大変よく知られています。

地域の象徴ともいえる神社が、
12月に入った時点で
分散参拝」を呼びかけていることには感心しました。

ポイントは、参拝者どうしが適切な距離を確保することなので、
初詣の参拝者が「3が日」に集中しなければいいわけです。

縁起物の授与や賽銭(さいせん)のことも
考える必要があるでしょうから、
毎年初詣に訪れる人たちが
数か月の間に分散して参拝すれば困りません。
参拝者も感染のリスクを減らすことができます。

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「いつまでに」参拝するかは、
「節分」や「立春」ごろまでだったり、
3月上旬までだったりと、呼びかけがまちまちなので、
馴染みの神社や寺院に合わせればいいでしょう。


 忘年会・新年会 

全国各地のニュースを確認すると、
忘年会で新たな感染者の集団=クラスターが発生した事例が
すでに出ています。

乾杯の発声、会話の盛り上がり、歌などで、
空気中に漂いながら容易に広がるのがウイルスです。
スーパーコンピューターが解析した
あの「飛沫(ひまつ)の広がりの映像」を思い出せば、
今シーズンはどうすればいいのかおのずと結論が導かれます。

忘年会新年会をやるかどうか、
やる場合も「オンライン」を含めて
どう対策するのかよく考えて実施したほうが、
のちのち「ああ、しまった!」という事態にならずに済みそうです。

特に、年末年始は多くの医療機関が休みになるでしょうから、
先を読んで対策をとるのが賢明といえます。

 文化・風習の変化 

初詣忘年会新年会という恒例行事も、
令和2年の暮れから令和3年にかけては、
例年と違う形になりそうです。

ほかにも、帰省、多くの人々が集う祭りや祭祀(さいし)、
餅つきや書き初めといった新年の行事も、
感染防止の観点から
それぞれの方針が決まっていくことでしょう。

大切なのは「一律中止」というのではなく、
分散参拝のように、
どうするのが理にかなっているのかよく考えることです。

取りやめたほうがいいものもあれば、
時期をずらしたり
分散させたりすることで実施できるものもあります。
ケース・バイ・ケースなので、
感染防止を第一に何ができるか知恵を絞ることが大切です。

さらに、1年後やその先どのような形に落ち着くのかは、
現段階では見通せません。

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 「例年通り」に行われることも 

昭和から平成に時代が移るとき、
世の中は「自粛ムード」に包まれました。
自粛ムードのなかでも、大学や高校の入学試験のほとんどは
予定通りの日程で実施され、
大相撲初場所は1日だけ後ろに日程をずらして行われました。

新型コロナウイルスの影響が避けられない今回も、
世の中のムードとは別に、
感染防止策をとりながら
予定していた日程どおり行われることも多々あります。

新型コロナウイルスに対しては、
どの世代の方々も感染しないよう努めるのは大前提として、
入学試験などに挑む若い世代の方々が、
健康管理に留意しつつふだん通りの力を発揮することを願っています。


 祝日のない師走 令和3年に向けて 

師走で日曜を除く休みの日といえば、
先帝祭(せんていさい)として昭和2年から22年まで続いた“祭日”「大正天皇祭」、
平成元年から30年まで続いた祝日「天皇誕生日」(=23日)がありました。

先帝祭というのは、宮中の大祭(たいさい)のひとつで、
この場合、前の天皇が崩御した日(亡くなった日)に当たります。
大勢の人が繰り出して盛り上がる「おまつり」ではなく、
宮中祭祀(さいし)の「祭」と同じ意味での「祭」です。
現在はない「祭日(さいじつ)」というのも、宮中祭祀と深く結びついていました。

「大正天皇祭」は12月25日でした。
このため、昭和2年から22年までの暦では、
12月25日が赤い文字や「日の丸」付きで印刷されていたのです。

ことしも12月に祝日はありません。
一方、クリスマスを楽しみにしている子どもたちはたくさんいます。
サンタさん」がやって来るのを待ちましょう。

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「子(ね)」から「丑(うし)」へ。

十二支十干(じっかん)でいうと、
庚子(かのえ・ね」から「辛丑(かのと・うし」へ。

干支(えと)といえば、
最近では「十干」になじみが薄くなっているものの、
本来は十干と十二支を組み合わせたものです。

10と12の最小公倍数が「60」なので、
暦がひと回りする60歳が「還暦」となります。

この年末を安寧に過ごし、
よき新年・令和3年を迎えられるようにしましょう。

令和2年も「現場のことば」を読んでいただき、
ありがとうございました。

投稿者:三上 弥 | 投稿時間:21:00

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