2020年02月14日 (金)数え方の確認 【 三上 弥 】
こんにちは。
シニア・アナウンサーの三上弥(みかみ・わたる)です。
遠州灘に沈む夕日です。
浜松市の海岸から撮影しました。
寒風がしみる日でも、
静岡県では滅多に雪が降りません。
寒い日も時々あるとはいえ、
春はもうすぐです。
三上弥の「現場のことば」
第16回は、「数え方の確認」です。
基準点を明確に
東京オリンピック・パラリンピックの開会式まで、
ともに200日を切りました。
オリンピックまたはパラリンピックまで「あと何日」という場合、
通常、開会式を基準に数えます。
開会式の前日が「あと1日」、
前々日が「あと2日」といった具合です。
東京オリンピックのソフトボールとサッカーの試合は、
開会式の2日前=7月22日(水)に始まるので、
「何から数えて何日前」なのかは最初に確認したほうがいい点です。
年目/日目/か月目
「〇年目」・「△日目」・「◇か月目」といった場合、最初の年や日を含みます。
大相撲ですと、1日目は「初日」、
8日目は「中日(なかび)」、15日目は「千秋楽」です。
1日目、15日目は使いません。
「この会社に入って〇年目」「デビュー△年目」という用例では、
新人・ルーキーは「1年目」ということになります。
「満」の数え方
9月1日に「関東大震災から〇年」というときは、「満」で数えます。
「大学時代の友人と15年ぶりに会った」というときの「ぶり」も、
満の数え方です。
「目」とは異なり、最初の年は含みません。
第〇回/回目
行事や催事の回数でおなじみの表現です。
最初が「第1回/1回目」というように、最初をカウントします。
「第△回目」という表現を散見するものの、
「第△回」か「△回目」のほうが、重複感がないためおすすめです。
伝統行事・長寿者・著名な故人の場合の注意点
ここまで見てくると、
年月や回数の数え方の基本ルールは分かるかと思います。
ただ、数十年あるいはそれよりも長い「伝統」がある場合、
数え方がごちゃ混ぜになっている時があるので注意が必要です。
生誕〇年、没後〇年といった表現も、同様に確認したほうがいいでしょう。
執筆の時点で、大正9年=1920年2月1日生まれの人を例にとると、
2月1日に満100歳の誕生日を迎えたことになるので、
ことしは生誕100年です。
「年目」の場合、生まれてから100年目ではなく、101年目です。
伝統ある行事や催事、著名な故人の場合、
「満」と「年目」、「回」が混在している場合があるので、
行事・催しの主催者や各メディアが伝える時は確認が欠かせません。
東京大会を前に
東京オリンピック・パラリンピックでも、
「世界新」「大会新」「日本新」のような記録が各競技で出るはずです。
記録を更新するときは、何年ぶり、何大会ぶりといった表現が頻出します。
コンピューターを含む機械が自動的に計測するケースが多いとはいえ、
人間が改めて確認する場合もあるでしょう。
数え方の基本を知っておくと、
正確さや記録更新時の興味がいっそう増します。
予定通りこの夏に東京オリンピックが開催されると、
これまでに東京オリンピックの開催が決まったのは3回目、
実際に行われるのは56年ぶり2回目です。
昭和15年、昭和39年、令和2年のうち、
昭和15年の大会は、戦争などの影響で行われませんでした。
近現代の歴史を振り返ると、大会の開催には、
世界の各国・各地域の友好的な関係が底流にあることも
忘れてはなりません。
投稿者:三上 弥 | 投稿時間:16:00