2018年08月13日 (月)数字の読み方・2020【三上 弥】


こんにちは! 三上弥です。

着任直後から、
事件や台風、猛暑といったニュースが続きました。

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暦は秋になったものの、暑さが続いています。
涼を感じるせせらぎの写真を載せて、
残暑お見舞い申し上げます。

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放送の現場で伝える仕事をしていると、
ことばについての蓄積が結構な量になります。
このブログでは、「現場のことば」と題して、
放送現場で気づいた表現やことばについて時々綴っていくことにしました。


「現場のことば」、初回のテーマは「数字の読み方・2020」。
「2020」という数字が主役です。

数字の読み方は、一筋縄ではいきません。

東京オリンピック・パラリンピックが西暦2020年に開かれます。
開催の数年前から、
この「2020」を冠した催しや事業の名称を頻繁に見かけるようになりました。

でも、「2020」の読み方は様々です。

基準になる数字の読み方は、「2」が「に」、「0」が「れい」です。
4桁の数字としてふつうに読めば「にせんにじゅう」、
ひと文字ずつ読む場合は「にー・れい・にー・れい」が素直な読み方ということになります。

ところが、主催者によっては、「にー・ゼロ・にー・ゼロ」と読ませる事例や、
「にー・まる・にー・まる」と呼ぶ事例もあって、「2020」の発音は多様です。

「ゼロ」という読みは英語の「zero」から、
「まる」という読みは「0」という数字の丸っこい形から来ているのは理解しやすいと思います。

比較をするために「1」を例に出します。
「1」が縦棒の形に似ているからといって、
「1010」を「ぼう(棒)・れい・ぼう・れい」とか「ぼう・ゼロ・ぼう・ゼロ」、
あるいは「ぼう・まる・ぼう・まる」と読んだらどうでしょうか。

かなり無理のある読み方になります。
ふだん「1」を棒にたとえて読むことはほとんどないためでしょう。

一方、「いち・まる・いち・まる」ならば、あり得る読み方です。
スタジオや建物の名称で「101」や「109」を「いち・まる・いち」や「いち・まる・きゅう」と呼ぶのも、
ある種の慣れのようなもので、あまり違和感はありません。

 

「2020」の話に戻ります。

「2020」を「トゥー・れい・トゥー・れい」、「トゥー・ゼロ・トゥー・ゼロ」とは、まず読みません。

「にー・まる・にー・まる」という読み方は、語呂は悪くないものの、
数字の基準となる読み方と、
数字の0(れい)が〇(まる)に似ているから「まる」と発音するという読み方の混合なので、
実はやや無理をしている読み方ということになります。
それでも、「101」や「109」のように、慣れのような感覚や語呂の良さで自然に響くのでしょう。

主催者が読み方を「にー・ゼロ・にー・ゼロ」や「にー・まる・にー・まる」としている場合、
伝え手はその読み方を「固有名詞」として尊重します。

でも、「2020」が、どうして「にせんにじゅう」や「にー・れい・にー・れい」、
英語読みの「twenty-twenty」や「two thousand twenty」ではないのかという点については、
誰がどのような考え方に基づいて決め、どんな最終決定がなされたのか、
それぞれについて興味深く感じます。

きっと、「何となく決めた」、「語呂がいい」といった「感覚」で決めている事例もあるでしょう。

数字の読み方ひとつをとっても、
音声化する際には、どのように伝えるのか確認することが欠かせません。

「2020」の読み方というのは多様で、
数字の発音は易しく分かりやすいようで、実は、難しいことを示している好例です。

これから東京大会本番に向けて、
公式行事のほかにも「2020」を冠した催しやモノが少なからず登場します。
どれが正しくて、どれが間違っているという視点ではなく、
それぞれの「2020」はどう読むのか、関心をもって確認することが大切です。

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投稿者:三上 弥 | 投稿時間:15:00

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