2015年10月01日 (木)

子どものLGBT 教育現場の対応は?

昨日からお伝えしている「特集LGBT」の2回目。Eテレ「ウワサの保護者会」の司会を務める「尾木ママ」こと、教育評論家の尾木直樹さんと教育現場の対応について考えていきます。
lgbt2_01.jpg

まずはおさらいです。「LGBT」とは、同性を愛するレズビアンやゲイ、両方の性を愛するバイセクシュアル、体と心の性が一致しない性同一性障害など、トランスジェンダーの人たちなどを示す言葉です。電通ダイバーシティ・ラボの調査では、LGBTに該当する人は13人に1人に上るそうです。
 そんな中、尾木ママが注目しているのが「子どものLGBT」。実は、「T」(トランスジェンダー)に含まれる性同一性障害の子どもの場合、小学校に上がる前に、すでに6割が自分の性別に違和感を持っているんだそうです。(岡山大学ジェンダークリニック中塚幹也教授 調べ)
つまり、幼稚園、小学校の段階から対応が求められています。事態を重く見た文部科学省は、今年4月、全国の小中学校と高校に通知を出し、こうした子ども達をきちんと支援するため教職員の研修や医療機関との連携、相談体制の充実などを教育現場に求めています。そうした中、先進的な取り組みが始まって
います。

<「くん」ではなく「ちゃん」で呼ぶ>
lgbt2_02.jpg


かわいいものが大好きでスカート姿がよく似合うみっちゃん(仮名)。体は男の子ですが心は女の子なんです。「みっちゃんは、男の子ですか?女の子ですか?」と聞くと、キッパリ「おんな!」と答えます。
将来は、一緒にキャッチボールをしたいと思っていたお父さんは、みっちゃんに、男の子向けのおもちゃを買い続けました。しかし、ある日、みっちゃんの気持ちが爆発。ありのままのわが子を受け入れる決心をしたのです。「どの電車がいい?って言った瞬間に泣き崩れて、『もうわかってください。みっちゃんはかわいいのが好きだから!お願いします!』って泣き崩れたのが衝撃でした」(母親)
「本人は相当、嫌で嫌でずっと我慢してたんだなとわかって、悪いことしたなと思いました」(父親)
そんな中、みっちゃんの幼稚園では、ご両親と相談し、みっちゃんが過ごしやすいよう、様々な対応を考えました。
① 「くん」ではなく「ちゃん」付けで呼ぶ
② スカートをはくことも認める。
③ トイレは、男子用便器を使うか個室を使うか、みっちゃんの判断に任せる。
幼稚園では、みっちゃんが進学する小学校にもこうした対応のノウハウを伝えていく予定です。
「その子がその子らしく生きていくためにどうしてあげたらいいかなっていう、いちばん根っこのところを改めて考えさせられるというか、きっかけになったことかなと思っています」(みっちゃんが通う幼稚園教諭)

<制服に違和感を感じたら…>
lgbt2_03.jpg

一方、性の違和感に悩む子ども達が中学校に入学する時に直面するのが制服の問題です。
埼玉県新座市は、この問題に早くから取り組んできました。それは7年前のことでした。体が女性であることに違和感を持つAさんが女子の制服を着るのがつらいと担任に打ち明けました。訴えを受け止めた担任の先生は、まず他の先生たちを説得。次にAさんの要望をうけてほかの生徒たちにもAさんの悩みを話しました。さらに保護者会でも説明。Aさんは、こうした協力があって、男子の制服で登校できるようになりました。
「特別扱いとかじゃなく、一人の人として、お前はお前だしみたいな男だから女だからとかじゃなくて、一人の人としてみてくれていたっていうのは、すごい大きいのかなと思いますね」とAさんは当時を振り返ります。
新座市は、これらの経験を踏まえ、こうした生徒にどう向き合うべきか、4年前、具体的にマニュアルとしてまとめました。当時マニュアル作成に参加した教員の一人は「本人からの話もあるでしょうし保護者からの話もあるでしょうし、または、周囲の友人から等の話、いろいろ聞いて悩みの深さとか困り度をきちっと把握することが必要だと思いますね」と話します。

<子どものLGBTをどう見守るのか>
lgbt2_04.jpg

尾木ママは、「特に幼いお子さんの場合は、ある程度成長するまで、LGBTと決めつけずに経過を見守ることも大切だ」と語ります。その理由として挙げているのが、LGBTだけではない「Q」という状態の存在です。Qとは、クエスチョニングのQ、「迷っている」という意味で、心の性や恋愛対象の性があいまいだったり、揺れ動いている状態のことを指します。
「いずれにしても、大切なのは、親子それぞれが抱える苦痛をとりのぞくために、教育現場や医療機関を初めとした社会全体のサポートが必要。そもそも教育とは1人1人に寄り添うべきものだから」と尾木ママは強調しています。

■「性同一性障害」に関するメンタルヘルスの専門職を置いている医療機関
○あべメンタルクリニック(千葉県)
047-355-5335 
○大阪医科大学附属病院(大阪府)
072-683-1221
○岡山大学病院(岡山県)
086-223-7151
○関西医科大学附属滝井病院(大阪府)
06-6992-1001
○彩の国みなみのクリニック(埼玉県)
048-883-4591
○札幌医科大学附属病院(北海道)
011-611-2111
○さとうクリニック(岡山県)
086-943-0880
○ちあきクリニック(東京都)
03-5754-5678
○長崎大学病院(長崎県)
095-819-7200
○はりまメンタルクリニック(東京都)
03-5281-4800
○福岡大学病院(福岡県)
092-801-1011
○幹メンタルクリニック(北海道)
011-622-2525
○山本クリニック(沖縄県)
098-879-3303

投稿者:シブ5時 スタッフ | 投稿時間:17:50


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2019年12月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

バックナンバー


RSS

page top