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高井正智です。平日のニュース7を担当しています。
スーツを脱いで、37歳、一児のパパとして、普段着で歩きます!
選んだのは「子育て世代が多い、世田谷区」。
(うしろは世田谷区役所) -
世田谷といえば、路面電車・世田谷線でしょう!異論は認めません!?
だってうちの子、電車大好きなんですもん。
でも、まだ「でん」と発音できません。だから我が家では、電車は「しゃ!」 -
「しゃ!」の線路沿いにある公園へ。
親子の集まりがあるんだそうです。近づくと、次第に大きくなる子どもたちの元気な
声。
ん?やけに、にぎやか? -
うわー!
ママと子ども、ママと子ども、ママと子ども、40組くらい・・・って、パパは1人
もいないのかーいっ!!イクメンはいずこへ?(自戒の念をこめて) -
集まりは、児童館のサークル活動だとか。
「どうして参加されたんですか?」
「幼稚園に入る準備なんです」
「?」
「このあたりは幼稚園になかなか入れないから、情報交換してるんです」
「?!?!」 -
このあたりでは、幼稚園でさえ、入る競争が激しくなっているんだとか。
世田谷区はそもそも、保育所の待機児童の数が日本で一番多いとされていますが…。 -
やはり、いらっしゃいました。お子さんを保育所に預けられず、困っているママです。来年4月から仕事に復帰すべく、まさに今、保育所探しの真っ最中。でも、実はこの方…。
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実はこの方、ご自身が「保育士」なんだそうです。 「私が復職できれば、待機児童の受け入れのお役に立てるのですが、そもそも私が預けられなくて…」なんだか、とてもモヤモヤします。
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こちらのママは、育休を1年延長して、保育所を探し続けたそう。
「認可、認証、無認可…全部だめでした。無認可は片っ端から1件1件電話しました。探している間は、本当に辛かったです」 -
結局、復帰を待っていた会社も限界となり、辞めることに。
お子さんに向けられる優しい微笑みの中に、苦しい現実と向き合ってきた強さのようなものを感じました。
子育てする親たちは、そんなに強くならなくてはならないんでしょうか。 -
場所を変えて、児童館へ。
自転車がずらっと並ぶ光景を見ると「本当に少子化?」などと感じてしまいます。 -
子)「どこが痛いでちゅか?」
(高)「先生、おなかが痛いです」
(子)「ならばこのおくしゅり(お薬)をどうじょ」
(高)「おぉ、治りました!」
(子)「(どや顔+満面の笑み)」 -
児童館にも、保育所に入れず大きな決断をしたママがいました。
「保育所に入れなかったこともあって、世田谷区を離れることにしました。来月、引っ越しです」事態は本当に深刻です。 -
親子と向き合う児童館の職員のみなさんも訪ねました。
お昼を食べている方もいらっしゃいました。
ご本人には恥ずかしくて言えませんが、その麻婆豆腐の匂いのおかげで、私のお腹が鳴り続けています。 -
館長の高野さん。「児童館で働く私たちも世田谷区の職員。ですから、同僚は、待機児童を減らす対策にあたっている。その一方で、ママやパパからは切実な声が寄せられる。心が引き裂かれそうになる時があります」
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館長に案内されたのは、先日の雨で雨漏りした場所。
「児童館の建物はボロボロです」
なんだなんだ?! -
「でも、職員はいつも笑顔でいることにしています。だって私たちが苦しそうだと親御さんが辛いでしょ?『建物ボロボロ、職員ニコニコ』」
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ようやく会えました。「しゃ!」が好きな男の子のパパです!「よく遊ばせに来るんですよ。イクメン?いえいえ、今や当たり前ですから」。
サラッと言った!今、サラッと言った!! -
最後にお会いしたパパです。
「うちは夫婦共働き。1年にわたり保育所に入れなかったので、私が、時間の融通のきく仕事に転職しました。仕事と子育ては、セットで考えなくてはならないから複雑で難しい」 -
そんなパパに、最後の質問。
「息抜きはなんですか?」
「はじめは子育てがストレスでしたが、子どもと公園で遊んだり、新しい言葉を覚えて話すなど成長を感じたりした時に、本当に癒されます。楽しいですよ」
心に、刻みました。 -
「子育て世代が多い、世田谷区」。歩いてみると、働く同世代の親子の現実に心が痛くなりつつ、それを支える人や子どもたちの笑顔に癒されるものとなりました。さぁ、私も帰って子どもと遊ぶぞーっ。「しゃ!」