衆院補選 沖縄3区

  • 告示:4月9日
  • 投票:4月21日

与野党激突 野党側支援の屋良氏が初当選

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設反対を訴えた無所属の新人でフリージャーナリストの屋良朝博氏が、自民党の新人で元沖縄・北方担当大臣の島尻氏を破り、初めての当選を果たしました。

屋良氏は56歳。沖縄の新聞社「沖縄タイムス」で論説委員や社会部長などを歴任し、現在はフリージャーナリストとして活動しています。

屋良氏は、選挙区内の名護市辺野古で工事が進められているアメリカ軍普天間基地の移設反対を訴え、玉城知事のほか、立憲民主党や共産党、社民党などの支援を受けました。

そして支援政党の支持層を固めたほか、支持政党を持たない無党派層の支持を集め、初めての当選を果たしました。対する自民党の島尻氏は移設容認の立場で選挙戦に臨み、公明党などからの支援を受けましたが及びませんでした。

屋良氏は「長く続いている普天間基地の移設問題に対し、確実に解決策を示していきたいという訴えが有権者に響き、県民の強い民意が改めて示された結果だと思う。辺野古沖への移設が解決策にはならないということを明らかにして、早急な抜本的解決を図っていきたい」と述べました。

屋良氏を支援した玉城知事は「移設工事は、工事期間や予算の面で公共工事としてはでたらめだと断じざるをえない」と述べました。玉城知事としては、ことし2月の県民投票で辺野古沖の埋め立てに反対が多数となったのに続き、今回の補欠選挙で移設反対を訴えた候補者が勝利したことで、移設阻止に向けた働きかけを強めていくものとみられます。

以下は投票日前に公開したコンテンツです

選挙戦リポート

選挙戦リポート

動画 8分45秒

(2019年4月18日 沖縄で放送)

事実上の「与野党対決」で激しい論戦が続く衆院沖縄3区の補欠選挙。選挙区内には名護市辺野古があり、米軍普天間基地の移設の是非が大きな争点です。選挙戦を追いました。

第一声(届け出順)

屋良朝博候補は「辺野古の海には絶対に1本の指も触れさせないという決意を持って立候補を決めた。沖縄から政治を変えていこうではないか。沖縄から、この国に民主主義とはいったい何なのか問いかけていこうではないか」と訴えました。

島尻安伊子候補は「普天間基地の危険性の除去を考えた時、苦渋の選択だが、今建設中の名護市辺野古沖にいったん移さなければならない。沖縄の振興、そして何よりも沖縄に暮らす皆さんの暮らしを守っていきたい」と訴えました。

  • 屋良候補 横顔・第一声全文

    横顔

    1.政治家を志したきっかけ
    沖縄の基地問題を解決するのは、政治であると強く認識したため
    2.座右の銘
    海納百川
    3.趣味
    アウトドアレジャー
    4.好きな有名人・歴史上の人物
    瀬長亀次郎
    (理由)固い信念と郷里愛
    5.自分で思う自分の性格
    一事を深く悩まないこと

    第一声全文

    はいさーい、ぐすーよー、ちゅーがなびら。わったーうちなー、まきてぃーないびらんどー。玉城デニー知事の議席を守って出馬します、屋良朝博でございます。よろしく、よろしくお願いいたします。

    今回の選挙はまさに沖縄の民意、沖縄の民主主義、わったーうちなーのちむぐくるをかけた戦いになります。辺野古の海は絶対に一本の指も触れさせない。そのような決意を持って立候補決めております。

    残された2週間、沖縄の3区の皆さまに沖縄を守っていきましょう、沖縄の自然を守りましょう、そして子どもたちの孫たちの未来を守っていきましょう、そう訴えて参ります。

    きょう、新聞に載っていました海兵隊の航空計画、普天間をアメリカ海兵隊は2028年まで使う計画であることがはっきり書かれていたそうです。これから10年、少なくとも10年、普天間はあの危険な普天間のままで放置されるわけです。

    政府は1日も早い危険性の除去と言っております。政府、今の政権、信じられるでしょうか。防衛省の日報隠し、毎月勤労統計の改ざん、そして国会議員たちの政権に対するそんたくばっかりのこの政治に、私たちの未来、子どもたちの未来を託せるでしょうか。

    沖縄から政治を変えていこうではありませんか。沖縄からこの国に民主主義とはいったい何なのか問いかけていこうではありませんか。私、屋良朝博は、普天間の問題、熟知しております。もう20年以上もこの問題、研究し、取材をし、記事を書いて参りました。どこをどう動かせば普天間の危険性はすぐにでも除去できるということを知っております。これを国政に持って行き、日米両政府になぜこうしないんだと訴えて参ります。必ずやすぐにでも解決できるような普天間の問題解決策を、プランを提示していくことをお約束します。

    子どもの貧困の問題、社会保障の問題、高齢化の問題、さまざまあります。玉城デニー県政が、一つ一つ地域と連携した取り組みを今始めております。私、屋良朝博もそれを全力でバックアップし、沖縄の明るい未来を作っていく、その仕事をやっていきます。

    しかし、今申し上げたように沖縄を何十年も悩まさせ続けているこの普天間の問題、アメリカ軍の基地の問題、クリアしないと私たちは明るい未来へと進めない。あの大きな普天間、1日でも早く閉鎖させ、跡地利用をもって普天間の再開発、それが必ず、沖縄市、うるま市、そして北部へと経済効果は伝ぱしていくでしょう。それを1日も早く達成させなければ、私たちの子どもや孫たちの未来を明るく照らすことはできません。

    今の政治は近隣諸国と仲よくできていますか。脅威ばっかりをあおって、沖縄に基地を固定化させるだけで責任逃ればっかりしているじゃないですか。私たち、うちなーんちゅは、昔この島を取り囲む、大海原を乗り越えてアジアの人たちと仲よく貿易をして、大きな富を作ってきたその歴史と伝統文化があります。それが私たちのアイデンティティーであり、私たちの誇りであります。

    玉城県政も21世紀型のアジアとの交流、アジアのダイナミズムを沖縄に取り込んできて、沖縄を活性化させていく、新しい思考のもとで経済政策を推進していくという約束をされております。私屋良朝博も強力にバックアップし、うちなーんちゅが、わったーうやふぁーふじが、ご先祖様がやっていた、このアジアの人たちの友好関係を基にした信頼関係に根ざしたアジアとのつきあい、貿易をもって沖縄を再活性化させていく道を絶対に探ってそして実現させていきます。

    沖縄を前へ前へと前進させていこうではありませんか。古い形の利権構造の中で生きている沖縄、もう終わりにしましょう。大きな公共工事で本当にもうかるのは、いったいどこなんだ。辺野古の埋め立てをして本当に利益をあげるのは、いったいどこなんでしょう。沖縄だけが犠牲になって本当にいいんでしょうか。

    私たちの子どもや孫たちに誓いましょう。新しい沖縄、もっとみんながわくわくドキドキできるような沖縄を作っていく。うまんちゅがちむどぅんどぅんするような沖縄をつくっていこうではありませんか。私、屋良朝博が先頭に立って引っ張って参ります。ぜひとも皆さま、お力をお貸しください。よろしくお願い致します。ありがとうございました。

  • 島尻候補 横顔・第一声全文

    横顔

    1.政治家を志したきっかけ
    自ら4人の子育てを通して改善の余地のある行政サービスや制度を変えたいとの思いから那覇市議に立候補。
    それ以来「台所から政治を変える」とのモットーで活動してきた。
    2.座右の銘
    いつも喜んでいなさい
    信天無我
    3.趣味
    闘牛観戦
    釣り
    4.好きな有名人・歴史上の人物
    キュリー夫人
    (理由)自宅キッチンに併設したラボで発明
    5.自分で思う自分の性格
    明るい
    6.好きな食べ物
    ヒージャー汁
    7.苦手なこと(もの)
    夫のグチを聞くこと

    第一声全文

    ご参集の皆さまおはようございます。いよいよ今回の沖縄3区補欠選挙、きょうから始まります。島尻安伊子、立候補いたします。ぜひとも皆様方の最終最後までのお力添えを私、島尻安伊子にお与えいただけますよう、まずもってお願いを申し上げます。ありがとうございます。よろしくお願い致します。

    これまで、沖縄全県で参議院議員として仕事をさせていただいておりましたけれども、3年前落選をいたしました。そのあと、みずからの足で、また全県を回らせていただき、1人でも多くの皆さまの声が聞きたいということで活動を続けておりましたところ、今回のこの3区での立候補ということになりました。このチャンス頂いた私にとって、これは必ずやこの議席を取ってまた皆さまに喜んでいただける、そんな政策をどーんと前に出して頑張っていく所存でございます。

    これまでも沖縄全県の振興ということで携わって参りました。やはりこの南北の格差、今那覇の一極集中という中にあって、これからの沖縄をけん引していくその可能性がある地区というのはやはりこの中北部であります。このポテンシャルと言ったら皆さん、もう、ほかではない、やはりこの沖縄市、うるま市、そしてやんばるの地域、これにほかならないわけであります。

    中部の中城湾港、ここをきちっと整備していく。ヒト、モノ、お金、そして情報がきちっと集約できる、集積していけるそんな港を作っていきたいと思っております。そうしたことで今でも、昨年までも大型クルーズ船は着岸してそこから観光客は上陸をしているわけでありますけれども、もっともっと、大型クルーズ船を誘致してくる、そうなると今までなかった観光ルートを敷いていけることができるんです。今までは那覇からしか入って来れませんでしたが、これからは中城湾港、そして本部港、ここに大型クルーズ船が着岸します。中部から、北部から入って、そして中部、北部を観光して、そしてまた、中部、北部からお帰りいただくというそういうルート、観光ルートを敷いていくことができるんです。

    だから今まで以上に、今まで以上に魅力のある観光スポットを作っていかなければなりませんし、そして交通インフラもしっかりと整備していかなければならないんです。高速道路の新しいインターチェンジも作って参ります。そしてヒト、モノが自由に行き来できるようなそんな交通インフラをひいていきたいと思っています。海上交通、そしていよいよ鉄軌道。やんばる、中部を循環するような鉄軌道も私は頭の中に入ってるんです。皆さまの声を聞いて、こんなものがあったらいいなということを次々と私は実現していきたいと考えているんです。

    人の暮らしを守っていくという中でも、やはり医療の問題、北部の基幹病院はすぐにでも着手していきたいと思っております。暮らしを守るそういう意味でも子どもたちの育ち、そして福祉、お年寄りの介護の問題、いろいろな問題を解決していく。それがこれからの中北部の姿として皆さまとともに実現していきたいと考えております。

    さて、基地の問題も私は政策発表させていただきましたけれども、やはり、なんと言っても普天間の危険性の除去を考えた時に、これはやはり今建設中の辺野古にいったん移さなければならない。苦渋の選択ではあります。あのきれいな海を埋めてもいいと言う人は誰1人いません。私もその1人であります。

    だけれどもきょう、この瞬間にもあの世界一危険だと言われる普天間の飛行場の周辺の皆さん、危険と隣り合わせで暮らしておられる訳でございます。やはり、この今建設中の辺野古に移させていただいて、そして将来にわたっては、アジアの安全保障、国際情勢が落ち着いた時にはこの辺野古の滑走路が民間でも使えるというようなその可能性を私は模索していきたいと考えております。

    それができたときに劇的にこの南北の格差というものはなくなりますし、これが沖縄の均衡ある発展、沖縄振興に必ずや貢献していけるものだと信じております。そして県民の悲願であった普天間の全面返還を、皆さん実現させようではありませんか。

    子育ての問題、そしてこの沖縄の子どもの貧困の問題、3年前から事業化をしたわけでありますが、やればやるほど重いケースも出てきております。若年妊産婦の数も残念ながら沖縄市、うるま市が全県の中でも数が多いということもデータとして浮き上がって参りました。その中で、沖縄市には若年妊産婦、10代、18歳以下、こういった女性が若年妊産婦としていれるこの居場所を作りたいということで沖縄市で始めたわけでありますけれども、やはり私は4人の子育てをした母親としても女性としてもこういった現実を受け入れて、そしてみずからの人生を歩んでいくそういう女性をやはり支援したい。なんとか、なんとか支援をして、そして一つでも多く健全な家庭を歩んで、営んでいってもらいたいその思いでいっぱいであります。

    先頃発表された県民の意識調査でも、県民の皆さんが多くの皆さまがこの沖縄の貧困の問題については着手すべきだ、これを解決に向けて進めるべきだということが見えて参りました。そして2位にあがってきたのが基地問題であります。皆さん、特出すべきは前年度、同じ時期に同じ質問の調査がされたわけでありますけれども、その時の結果よりも今回のこの2位の基地問題に対するパーセンテージは10%も低くなっておりました。県民の意識は次の沖縄振興法に向けて、私は基地問題よりもやはり沖縄の経済の発展、沖縄の振興、そして何よりも沖縄に暮らす皆さまの暮らしを守っていくことなんだという調査だと考えております。

    皆さん、新しい年号が発表になりました。新しい時代はもうすぐそこにあります。ぜひとも今回の選挙、島尻安伊子、勝たせていただくことで沖縄の新しい次の時代へのページを開こうではありませんか。必ずや必ずや私も皆さまとともにこの沖縄の新しい時代を作っていく。そして本当の意味で明るい沖縄をつくっていく。その仕事をすると、させていただきたいと思っております。

    どうぞ4月の21日が私たちの勝負の日であります。みんなで、みんなで勝って本当の意味で次の時代に渡せるしっかりとした明るい沖縄をつくって参りましょう。どうぞ私もぬちかじり、ぬちかじり、ぬちかじり走って行く所存でございますので、皆様方の最後の最後までのお力添えをいただきますようお願いを申し上げまして、第一声にかえさせて頂きます。ありがとうございます。ありがとうございます。頑張ります。

選挙の構図

ニュース画像

衆議院沖縄3区の補欠選挙は、沖縄県の玉城知事が去年の知事選挙に立候補して失職したことに伴うものです。

選挙区内の名護市辺野古では、政府がアメリカ軍普天間基地の移設工事を進めていて、移設反対を訴える無所属の屋良氏を立憲民主党、国民民主党、共産党、自由党、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党が支援しているのに対し、移設を容認する立場の自民党の島尻氏を公明党と日本維新の会沖縄県総支部が推薦する構図となりました。

ニュース画像

選挙戦 終盤解説

選挙戦リポート

動画 4分4秒

(2019年4月19日放送)

記者が解説!候補者が訴える政策は

選挙戦リポート

動画 8分15秒

(2019年4月12日放送)

記者が解説!衆院補選沖縄3区スタート

選挙戦リポート

動画 4分36秒

(2019年4月9日放送)

当選を表します。
当選確実(以下「当確」)を表します。

当確は、開票所での取材をはじめ、事前の情勢取材や出口調査などを参考にしながらNHKが独自に判定するもので、開票率が0%でも当確になることがあります。選挙管理委員会による得票数の公式発表がなくても、最終的に当選すると判定した場合です。

  • 立候補者の氏名で表示できない漢字は、常用漢字やひらがななどに置き換えています。
  • 立候補者の年齢は、投票日現在です。
  • 顔写真は、撮影の承諾を得た候補について掲載しています。