特定枠とは・合区とは

「特定枠」ってなに?

2018年の公職選挙法の改正で、比例代表に「特定枠」という、あらかじめ政党の決めた順位に従って当選者が決まる仕組みが導入されました。

この「特定枠」とはどのような制度なのでしょうか。

参議院の比例代表は、各党が獲得した議席の枠の中で、名簿にある候補者が得た個人名票の多い順に当選する仕組み、いわゆる「非拘束名簿式」です。

特定枠は、この非拘束の候補者の名簿と切り離して、政党が「優先的に当選人となるべき候補者」に順位をつけた名簿をつくります。特定枠の候補は、個人名の得票に関係なく、名簿の順に当選が決まります。

『特定枠』の候補者から優先的に当選、当選順位をあらかじめ決めておくことができる

この特定枠を使うかどうか、また使う場合、何人に適用するかについては、各政党が自由に決められます。

初めて導入された前回2019年の選挙では、3つの政党・政治団体から合わせて5人が特定枠で立候補し、このうち4人が当選しました。

一方で、特定枠の候補は、選挙事務所を設けたり選挙カーを使ったりするなど個人としての選挙運動は認められていません。選挙の結果、特定枠の候補の名前が書かれた票は、政党の有効票となります。

「特定枠」と「合区」の関係は?

参議院の「選挙区」は長い間、都道府県を一つの単位として行われてきましたが、一票の格差を是正するため、2016年の選挙から「鳥取県と島根県」、「徳島県と高知県」が、それぞれ一つの選挙区となる、いわゆる「合区」がスタートしました。

その後、2018年の公職選挙法の改正では、比例代表に「特定枠」という、あらかじめ政党の決めた順位に従って当選者が決まる仕組みが導入されました。初めて行われた前回の選挙では、政党によっては、「合区」された「鳥取県と島根県」「徳島県と高知県」の選挙区で候補を擁立できない県からも、この特定枠を活用して比例代表に議員を擁立しました。

合区で「鳥取・島根」「徳島・高知」がそれぞれ一つの選挙区に