選挙を知ろう

「政党」って、なあに?

藤井剛さん藤井剛さん (明治大学文学部特任教授。長年、高校で“18歳”を指導。)

選挙に関する素朴な疑問にズバリ答えます。

素朴な質問!

女子高生

「政党」って、なんですか?
選挙の時に「無所属」の人もいるし、「政党」って必要なの?

藤井教授の答え!

「政党」
共通の政治的主義・主張を持つ者によって組織され、一定の政治的利益や政策の実現のために活動し、政権獲得を目指す集団。

…って言うとムズカし~い感じがしますが、簡単にいえば「同じ目標を持って活動する仲間の集団」。「部活」と似ている、といえると思います。

部活では、「県大会出場」「全国大会制覇」といった目標を掲げて、仲間同士が協力し合って目標達成を目指しますよね。政治における「部活」が「政党」です。

政党の場合でいえば、最大の目標は「政治的利益や政策の実現」。そのために「政権獲得」を目指すのです。

「政治的利益や政策の実現」とは、例えば「原子力発電所の再稼働を認める、認めない」、「老人ホームの建設よりも、給付型奨学金を実現したい」「老人ホームなどをたくさん作って、社会福祉を充実させたい」など、私たちの生活に関わってくることを実現しようとすることです。

そういった「政治的利益や政策の実現」を目指そうとするときは政治家一人でいるより、政党に所属して一緒に活動することで、協力し合って能力やできることを伸ばすことができるのです。政治において、多数決は大事な原則です。だから多くのチームメイトがいる方が、自分たちの意見が通りやすかったり、政権を取りやすかったり、戦略も練りやすいですよね?

18歳の子ども選挙相談室②

もちろん、政治家が全員、政党に入らなくてはいけないかというとそうではありません。政党に入っていない政治家を「無所属」と呼びます。部活に入っていないのに、一人で大会に参加する人もいるのです。

ちなみに、都道府県知事や市町村長は当選するのは一人なので、選挙で当選するためにはいろいろな政党や団体からの推薦などが欲しくなります。そのため、どこかの政党に属していると、いろいろな政党などから推薦などが受けられなくなるので、無所属で立候補することが多いのです。

いろんな政党があるけど…

ちなみに日本では、政党がその目標などを理由に、禁止・解散などをさせることはできません。その理由は、日本国憲法によって「結社の自由」が保障されているからです。

「結社の自由」とは、目的を持って集団をつくるのは自由だということです。

明治時代から太平洋戦争が終わるまであった大日本帝国憲法(=明治憲法)にも、一応「結社の自由」はありました。しかし、いまの日本国憲法と違って、「いつでも法律で制限できる」とされていたのです。

制限ができたら、本当の意味での自由ではありませんよね。
「治安維持法」や「治安警察法」という法律が作られ、政府にとって都合が悪い政党や労働組合が解散させられたりしました。「自由に部活動をしていい」といっていたのに、突然「バスケ部は生意気だから活動停止」とか「文芸部は思想が偏るから廃部」など命令するようなこと。

さらに当時、不当な取り調べや、投獄、拷問が行われ、命を落とした人もいたのです。特に戦時中はそのような出来事が多くあったため、戦後に作られた日本国憲法に「結社の自由」が定められ、政党などを、法律でいつでも制限することはできなくなりました。この「結社の自由」は、現在ではほとんどの国の憲法にも定められています。

女子高生

自由に発言する環境が整っていないと、討論も発展しないだろうし、「結社の自由」って大切かもね。