選挙を知ろう

【18歳選挙権トリビア】
申し込みなしで届く!選挙への招待状

河村和徳さん河村和徳さん

東北大学大学院情報科学研究科准教授。共通投票所導入を検討した、総務省投票環境の向上方策等に関する研究会のメンバー。

自動的に送られてくる「投票所入場券」

18歳になっていよいよ「有権者」になると、選挙期間中に「投票所入場券」が郵送されてくる。有権者の名前と、どこが指定された投票所であるかが書かれたその入場券を持って、投票所に行き、係の人に見せる。「投票所入場券を忘れたけど、投票できたよ?」と言う人もいるかもしれないが、その場合は身分証の提示を求められたり、生年月日を聞かれたりして、受付に時間がかかったんじゃないだろうか。

「投票所入場券」が、市区町村の選挙管理委員会から送られてくるのは、私たちが「選挙人名簿」という名簿に登録されているから。もし、この名簿に載っていなかったら投票所に行っても投票はできない。引っ越したばかりの人が、新しい自治体の投票所に行ったのに投票できなかったということがしばしばニュースになっているが、それは引っ越したばかりで、選挙人名簿に載るのに必要な条件「住民基本台帳へ3か月以上登録されている」を満たしていないからだ。

あれっ?名簿に登録した覚えはないけど?

あれっ?名簿に登録した覚えはないけど?

…と思う人もいるだろう。
選挙人名簿に登録する方法には、「自ら申し出て登録を要請し選管が確認して名簿に載せる方法(申告主義)」と、「選管が要件を満たす者を職権で名簿に登録する方法(職権主義)」がある。現在の日本は後者の「職権主義」で名簿が作られている。そのため、届け出をしなくとも「投票所入場券」が送られてくる仕組みだ。

選挙人名簿へは、「定時登録」と「選挙時登録」の際に登録されるよう、法律によって定められている。「定時登録」は、毎年3月、6月、9月、12月の決められた月に行われる。そして、選挙が近づくと投票できる人を再確認する必要が生じるため、「選挙時登録」が行われる。

登録が申込み制だった時代も

日本の選挙人名簿の歴史を振り返ると、ほとんどの期間、「職権主義」で選挙人名簿が作られてきたが、住民基本台帳法ができる前には「選挙人名簿の登録は、原則申出による」とされた時代もあった。昔は、選挙直前だと、登録を希望する者が殺到する可能性があり、二重登録や脱漏などが発生するリスクが高まるということで、「選挙時登録」は行われなかった。

選挙人名簿への登録を申出制にすると、忙しくて役所に行くヒマがないという人は投票できなくなってしまう。また公共交通機関がない地域に住む人は、選挙人名簿の登録のためだけに役所に行かねばならず、大変だ。

こうした過去と比較すると、現在の選挙人名簿の仕組みは「楽な仕組み」と言えるかもしれない。ただ、昔の人よりも、「私たちは有権者なんだ」と思う機会が少ないことも事実。何もせずに「投票所入場券」が送られてくるから、かんたんに「選挙なんて行かなくていいや!」という人も出てきてしまう。それも投票率が低くなる原因なのかもしれない。