選挙を知ろう
ガラパゴス日本! 独特な投票方式
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河村和徳さん
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東北大学大学院情報科学研究科准教授。共通投票所導入を検討した、総務省投票環境の向上方策等に関する研究会のメンバー。
選挙でも「ガラパゴス」
ガラパゴス・ケータイ、いわゆる「ガラケー」という言葉がありますね。
ワンセグ、ICチップを使った電子マネーによる支払い…。日本製の携帯電話は、初期の頃から、先進的な技術や機能が組み込まれていましたが、海外では普及しませんでした。世界標準から外れてしまった日本製の多機能携帯は、他の島々と隔離され独自の進化を遂げたガラパゴス諸島の生き物になぞらえ、「ガラケー」と呼ばれました。
日本の選挙の仕組みも、実は「ガラパゴス」的。世界と比較すると、日本オリジナルだったり、かつては世界でもあったがもう日本ぐらいしかないという仕組みがあります。たとえば「投票の時、候補者の名前を投票用紙に書く自書式」を採用している国は日本ぐらいしかありません。
マークシートを使った記号式にすれば、集計ミスは減ると思えますし、集計スピードは早くなります。書き間違えや他事記載(関係のない余計なことを記入すること)による「無効票」も大幅に減らせるかも。しかし、「自分の名前を書いてもらいたい」という政治家が少なくない、などの理由から、世界でも珍しい自書式投票が今でも続いているのです。