選挙を知ろう
【世界選挙紀行】スウェーデン①
悔やんだら、もう一票!『後悔投票』
- クリスティーナ・リムンさん
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スウェーデン選挙管理委員会
「あの候補に入れたのは、間違いだったかも…」
一票を投じた後に後悔したら、改めてもう一票入れることができる…そんなのアリ!?
スウェーデンにはある!「後悔投票」というシステムだ!
リムンさん「『期日前投票』に行った人は『後悔投票』をできます。投票日当日に指定された投票所で、新たな一票を入れると、前の一票が取り消される仕組みです。」
実際どうやる?「後悔選挙」
と、その前に!!
知っておいてもらいたい、スウェーデンと日本の選挙の違い!
スウェーデンでは、投票箱に票を入れるのは有権者ではなく、選挙管理人が入れるのだ!
有権者は投票用紙を「投票用封筒」に入れて、選挙管理人に手渡す。選挙管理人は、「身分証明書」「選挙権カード」(投票所の住所と、有権者番号が記載)で、本人確認を行う。その後、投票箱に封筒を投じる。
《通常の投票》
では、「後悔投票」の流れを見てみよう。
① 期日前投票
期日前投票では、「投票用封筒」は二重にして使われる。投票用紙を入れた「投票用封筒」を「選挙権カード」と一緒に、さらに大きめの封筒に入れて、投票箱に投じる。
《期日前投票》
② 期日前投票→ 選挙当日の指定投票所へ
「期日前投票の封筒」は、その有権者の指定投票所へ送付される。
③ 選挙日当日
指定投票所へ届けられた「期日前投票の封筒」は、当日の投票時間が終わるまで、投票箱に入れられずに保管される。
- 後悔投票を行う場合: 本人確認をすれば、期日前投票を行ったと分かる。そこで「後悔投票」で新たに1票を入れると、「期日前投票の封筒」は投票箱には入れられず、新たな1票の方だけが有効となる。
- 後悔投票が行われなかった場合: 投票時間の終了後、「期日前投票の封筒」から「投票用紙」と「選挙権カード」が分けて取り出され、「投票用紙」の入った封筒が投票箱に入れられる。二重封筒なので、投票した中身が見られる心配もない、という。
リムンさん「期日前投票の期間がとても長いため、『後悔選挙』というシステムが必要なのです。国内の期日前投票で18日間、海外からの投票で45日間もあります。投票日間近になってから、有権者が考えを変えるような選挙運動や、政治的な出来事があるかもしれませんからね。2014年の選挙では、7,000人強の有権者が『後悔投票』を利用しました。」
割合では2014年の投票者のうち0.1%ですが、それだけ真剣に考えたってことかも。
国情報
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- 国名:スウェーデン王国
- 首都:ストックホルム
- 人口:約983万人
- 投票権:18歳以上
- 国王:カール16世グスタフ
- 首相:ステファン・ロヴェーン
- 有名なもの:イケア(IKEA)、エイチ・アンド・エム(H&M)、ノーベル賞、シュールストレミング(世界一臭い塩漬けニシン缶詰)、ボルボ(Volvo)、サーブ(Saab AB)
(掲載されている情報は2016年6月現在の内容です)