選挙を知ろう
70年前の4月10日 女性が初めて選挙へ
18歳選挙権は、『70年ぶりの大改革』とも言われます。
では、70年前にはどんなことが行われたのでしょうか?
2016年4月10日は、婦人参政権70年の記念日
実は、ちょうど70年前の1946年4月10日は、“日本で初めて、女性が投票に行った日”なんです。
つまり、18・19歳のみなさんが選挙権を得るということは、日本では“70年ぶりに、有権者が拡大する”ということなんです。
ここで、70年前をちょっと振り返ってみましょう。
女性の参政権獲得に取り組んだ、市川房枝さん
市川房枝さん
こちらの写真は、市川房枝さん(1893~1981)。
女性の政治参画や地位向上、それに不正のない政治を目指すことに、生涯を捧げた女性です。
市川さんは、1924年に「婦選獲得同盟」を設立し、女性参政権獲得運動のリーダーになりました。
それから20年以上かかって、70年前の1946年、ようやく、女性が選挙で投票できるようになったわけです。
第1回婦選大会(1930)
市川さんの言葉は、現代を生きる私たちにも、響くものがあるのではないでしょうか。
市川さんが、まさに女性の参政権獲得運動を行っていた最中の1931年(いまから85年前!)に録音されたレコードから、いくつか、市川さんの言葉を紹介したいと思います。
- 市川房枝
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いままで政治は男の仕事で、女は決して携わらないもの、女は家の中でご飯を炊いたり、子どもを育てたり、と世間で決めていましたし、また女の人自身も長年そうだと思い込んで暮らしてきました。しかし実際は、その女の仕事と決まっている、家を治めたり、子どもを育てたりすることと、政治とは非常に関係が深いのです。
- 市川房枝
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法律を作る時にも、男ばかりで作りますと、つい女や子どもの側のことが良く分からないため、女や子どもに不利益な法律を作ってしまうことにもなります。そこで、女の人も、男の人と一緒に政治をしなければならない。
- 市川房枝
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ところで、婦人を政治に参加させると、家庭から飛び出して政治運動をするようになりはしないかと、心配する人がいます。・・・(中略)・・・しかし、よく考えてみますと、衆議院議員の選挙にしても県町村会議員の選挙にしても、4年に1回ずつ行われるだけ。2~3時間もあれば十分投票に行かれます。それも赤ん坊をおぶって行っても、買い物のついでにちょっと立ち寄ってもいいわけです。
- 市川房枝
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たった一票と言えば一票でありますが、しかしこの一票を持ってこそ、女も初めて男子と同様に一人前の国民として認められることになります。そのうえ、この一票が欲しいがために、政府や政党、および議員には、いやいやながらも婦人の望む政策を取り上げ、これの実現に努力するようになります。
いかがでしたか?
「男」を「大人」に、「女性」「婦人」という言葉を「18・19歳」に、「家庭や子育て」を「学校」や「勉強すること」などに置き換えてみると、どう読めるでしょうか。
市川さんは色紙によく「権利の上に眠るな」、と書いたそうです。
せっかく得た権利はきちんと使おう、というのが、70年の時を経て新しく有権者となる、みなさんへのメッセージかもしれません。