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【色麻町】2022年7月27日放送

かっぱに出会えるまち

大崎地域南部の田園地帯にある色麻町は豊かな自然が魅力です。しかし町を歩くとあちらこちらにかっぱが。その「かっぱ伝説」一体どんなものなのでしょうか。

住民のみなさんに聞き込みしても核心には迫れず…。「もうこの人に聞くしかない!」と生まれ住んで70年あまりの早坂利悦町長を訪ねました。かっぱ伝説は平安時代にさかのぼるといいます。勢力拡大を狙う朝廷は、坂上田村麻呂を奥州(今の東北)に派遣。途中、河川の氾濫で行く手を阻まれた坂上田村麻呂を助けたのが、色麻の東右衛門という男でした。見事な泳ぎで案内役を務め、朝廷を勝利に導いたのです。

東右衛門は泳ぎの上手さから「かっぱ」という姓を坂上田村麻呂から授かりました。亡くなった後は住民から功績をたたえられ、一関地区の「磯良神社」にまつられたそうです。

ですから、この神社のご神体は「かっぱ」。60年に一度御開帳され、次にこの姿を見られるのは2047年だということです。

この伝説をもとに町を盛り上げようと、色麻町では30年以上前からかっぱによる町おこしを続けています。夏まつりでは、かっぱの仮装をした町民がオリジナルソング「カッパブギ色麻」に合わせて町を練り歩きます!

色麻町には本物のかっぱも…!?町づくりに関わるNPO法人の理事をしている菅原一杉さんです。

菅原さんを含む町の商工会が中心となって、ことし5月に作成した町のガイドブックです。自慢の温泉やえごまなど…町内の観光スポットや特産品が載っています。それぞれのページにはQRコードがついていて、読み込むと動画が流れるしくみです。かっぱの菅原さんがその場所を訪れ、店主と会話しながら魅力を紹介してくれます。

菅原さんは「色麻の人のあたたかさをどうしても伝えたくて動画も作った。食べ物や風景だけでなく、あの人に会ってみたいと色麻を訪れてほしい」と話していました。実は私も初めて訪れた色麻町。“かっぱも喜ぶ”きれいな風景と優しい住民の笑顔がある美しい町でした。取材にご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました!

【取材:岩間瞳キャスター】