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【加美町】2022年7月26日放送

ぼのぼの館 夢を与える場所に

加美町の中新田図書館に人気漫画「ぼのぼの」にまつわるスポットが今年3月、誕生しました。その名も「いがらしみきお ぼのぼの館」。私も小学生の頃から親しんできた漫画、どんな場所なのか取材してきました。

そのスポットは図書館の児童書コーナーの一角にありました。作者のいがらしさんが加美町出身という縁で作られ、いがらしさんの漫画本やキャラクターのぬいぐるみが展示されているほか、仕事場の様子が再現されています。寄贈された机はいがらしさんが約30年間使っていたそうで、作業中にこぼした墨などがそのまま残っています。

漫画「ぼのぼの」は青年向けの漫画雑誌で36年連載が続くロングセラーで、アニメや映画にもなっています。主人公はラッコの子供「ぼのぼの」。穏やかでユーモアにあふれた森の仲間たちとの日常が描かれていますが、漫画には随所に哲学めいた言葉も登場し、名言集も出版されています。例えば、ある日、お腹を空かせて困っていたぼのぼのを、仲間のスナドリネコさんが助けた後、ぼのぼのに語ったセリフです。

「ぼのぼの 生き物は絶対 こまるんだよ」
「こまらない生き方なんか 絶対 ないんだよ」
「そしてこまるのは 絶対 終わるんだよ」

現在は仙台市内で作品作りを行っている、いがらしさんにこの日、足を運んでもらいました。ふるさと加美町について尋ねると「やくらい山の夕焼けが記憶にあり、ふるさとを思い出します。空気感が自分の子供の頃と全く変わらない」と話していました。ぼのぼの館には、いがらしさんが描いた加美町の風景画も飾られ、「やくらい山」の夕焼けもあります。

いがらしさんの実家は理容院だったそうです。店に漫画本がたくさんあったことで今の自分があると話していました。そして、「ぼのぼの館」について「作品を読んでくれた中から自分も漫画家になりたいと思ってくれるこどももいるかもしれません。子供たちに夢を与える場所になって欲しい」と話していました。


【取材:手嶌真吾アナウンサー】