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【石巻】2022年6月29日放送

開局25年のラジオ石巻
地元に愛される理由を探る

石巻にあるコミュニティFM「ラジオ石巻」が今年5月で開局25周年を迎えました。このラジオ局、最大の特徴は「地域密着」。地元に愛され続けてきた理由を取材しました。
取材で訪問中も放送は続いていました。毎日朝から夕方まで13人のパーソナリティが交代で、地域の天気や行政機関からのお知らせ、地元の子供たちが活躍したスポーツ大会の結果など身近な情報を発信しています。

長年、パーソナリティを務めてきた松浦佳奈さんにラジオ石巻の特徴を聞いてみると「地域密着はもちろん、市民の声をできるだけたくさん届けるラジオです」と答えてくれました。例えば、新型コロナの影響で臨時休校が続いていた時期には、自宅で過ごす児童・生徒たちに学校の先生がラジオで直接メッセージを伝えるコーナーを放送。子供たちからは「久しぶりに先生の元気な声が聞けてほっとしたよ」など反響も大きかったそうです。

ラジオ石巻では開局当初から続いている人気コーナーがあります。「みんなの夢ぼうけん」です。幼稚園や保育所を訪ね、子供たちに好きな食べ物や好きな動物、大きくなったら何になりたいかをインタビューします。一生懸命に答える姿がかわいくて、放送を楽しみにしている保護者や親せきも少なくありません。このコーナーを続ける目的について松浦さんは「子供たちや地域の皆さんの思い出に残ってほしい。石巻市民全員の声を届けたいという思いです」と話していました。

以前は小学校にも訪問していたこのコーナー、これまで子供たちに行ったインタビューはのべ2万5000人以上に上るそうですが、今回の取材でその音声が2003年から19年分、大事に保管されていることが分かりました。そして、驚くことに私が小学5年生の時に受けたインタビューも残っていたのです。

18年前、当時の自分が何を話したかは覚えていませんでしたが、再生してもらったところ、こんなメッセージが…。「最近夢中になっていることはパソコンでゲームをすることです。将来の夢は建築家になっていろいろな家を設計したいです」。その頃、我が家は自宅を新築したばかりで家づくりに興味を持っていた頃でした。そしてこんなメッセージもありました。「10年後の自分へ一言。毎日楽しいですか。どんな時でも楽しくやって下さい」。

タイムカプセルを開けたような懐かしい気持ちでいっぱいになりました。10年後の自分に贈ったメッセージに、何とも言えない嬉しさと、大人になった私に前向きな気持ちを与えてくれました。

25年間、地域に入ってたくさんの声を集め、そして、音声を大事に保管してきたラジオ石巻。地元に愛される理由がよくわりました。私にとって忘れられない取材になりました。

【取材:佐々木成美キャスター】

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