「おはよう靴下」って、なぜ宮城だけ?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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「おはよう靴下」とは、「穴の開いた靴下」のことを指す、宮城の方言なんです。
しかし、県外ではほとんど使われていないようなんです。
どうして宮城県だけなんでしょうか?


みんなは知ってる?

「おはよう靴下」がどれくらい使われているのか、街でインタビューしてみました。

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「男の子の靴下が穴が開いていると『おはよう靴下になってるよ~』って。小学生くらいですね。」
「ピンとこない。『靴下に穴が空いた』としか言わない…」
「靴下の親指が出てて、それで友達に『あ、おはよう靴下だ』って言われたことがあります。」

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ジャス隊が調べたところ、宮城出身の人の約6割が使っていました。
その中でも、10~30代の若者が多く使っていることが分かりました。


方言に詳しい人に聞いてみた!

宮城の方言に詳しい、宮城学院女子大学の志村 文隆教授にお話を伺いました。

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志村教授
「昔からある方言集などには載っていないです。比較的新しい方言だと思われます。」


実は「おはよう靴下」は本格的な研究が行われておらず、由来などはハッキリわかっていません。
岩手県の一部でも使われるそうですが、ほとんどが宮城県だそうです。
しかしなぜ宮城県で使われるのでしょうか。志村教授によると使用する場所がポイントだといいます。

志村教授
「使う場所は学校が圧倒的に多くて、それも部活で靴を履きかえる場面とか、結局靴下を出すというそういう場面のところで使われているようです。
子供たちが学校で使う方言は学区外の地域に広がりにくいため、なかなか県を超えて外に広がっていかない、ということがあるんです。」

さらに「おはよう靴下」という表現には、「他者への配慮」があるといいます。

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志村教授
「靴下に穴が空いているというのは本人にとってマイナスの状況ですので、そこで何か別の和らげる言い方を考えて言い換えたのではないかと。
宮城県民の優しさがそういうところに出たのかもしれませんね。」



どんな風に使うの?あの人がレクチャー!

実際にどのように使うのか、仙台弁マスターの仙台弁こけしちゃんに教えてもらいました!

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こけしちゃん
「おはよう靴下ね。どんな時に使うか、早速やってみっちゃ!」

 



~LESSON1「学校」~

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「いや~今日も授業疲れたね~」



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「あ、なんだべ安藤さん。おはようしてっちゃ。」



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「あ~、おはよう靴下だっちゃ。おしょすい~!(恥ずかしい)」



~LESSON2「家」~


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「ただいま~
いや~、今日おはよう靴下になっちゃっておしょすかった~」



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「んで穴っこ縫ってけっから!」
「いいよいいよ、新しいの買うよ」



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「んだか。んで、なげさいわ~(捨てなさい)」

「んだな~」




いかがですか?
みなさんもぜひ、「おはよう靴下」使ってみてくださいね!

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安藤のひとこと。

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安藤さん
「おはよう靴下、最近では略して『おはくつ』と呼ばれたり『グッドモーニングソックス』と呼ばれたりしているそうです。
こういう"ちょっと恥ずかしいこと"を笑いに変えてくれる、そして和ませてくれるそんな言葉なのかなと思いますので、そんな素敵なユーモアから生まれるような方言がもっと増えてくると楽しいなと思いました。」





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