市バスの優先席、最近向きが変わった?なぜ?
今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!
最近仙台市バスの優先席の向きが変わっているというのです。
普段からよくバスを利用する人はお気づきかもしれませんね。
さっそく行っ…
…誰?
実は今年度から、皆さんの疑問により深くお答えするためにメンバーを増強して、ジャージをまとった調査隊・ジャス隊を結成したんです!
(よろしくお願いします…!)
「ジャス」って何?という方はこちらをご参照ください!
仙台弁「ジャス」のルーツを調べてみた!
気を取り直して!
今回は倉持隊員が、仙台市交通局 川内営業所にやってきました。
お話を伺うのは三嶋 幸喜さん。
三嶋さん
「よく気が付きましたね!
見たほうがわかりやすいと思うので、実際に車両をお見せします。」
三嶋さんに案内していただき、まずは横向きの優先席があるバスを見せてもらうことに。
この優先席は、入り口と前輪の間にあるスペースに、より多くの人が座れるよう、横向きになっています。
向きが変わった理由は“車内事故”
三嶋さん
「運転手さんは、もちろんいつも安全運転を意識しています。
しかし、自転車が出てきたとか、車が出てきたとか、どうしても急ブレーキをかけなくてはいけないこともあります。
横向きの席だと、急ブレーキがかかった時に転んでけがをしてしまうことが結構多いんです」
やむを得ない急ブレーキも、小さな子どもや年配の方には強い衝撃。
転倒してケガをしてしまうのだそうです。
乗客目線で違いを体感!
どのくらい違いがあるのか、ジャス隊が実際に座って比べてみました。
すると…
座席の向きと手すりの有無で、こんなに変わるんですね。
つかまるところが増えたことで、立ったり座ったりもしやすくなったそうで、利用者からも好評なんだそうです。
“優先席”ができたのは実は最近!
岩野キャスター
「優先席って、前を向いてるのもありましたよね?」
そうなんです。あったんです。
しかし!
画像のような前向きの優先席、昔は各バス会社が自主的にやっていた取り組みだったので、形も名前もバラバラだったんです。
ちなみに仙台では「ゆずりあいの席」と言っていました。
これが平成17年に法整備が進み正式に「優先席」と名付けられ、形も横向きになりました。
バスの歴史を振り返ってみよう!
NHKに昭和初期のバスの映像がありました。
こちらは観光バスなんです。
当時は交通の発達によって観光が盛んになり始めたときで、仙台市も観光に力をいれようとしていました。
さらに、高度経済成長期を迎えたことで、仙台には企業の支店が増え、通勤や通学のためにバスを使う人が増えてきました。
この影響で、搭乗可能人数が69人に増え、大型化が進んでいきました。
そして昭和48年。
高齢化が進んだことで、鉄道でシルバーシート、つまり優先席が導入されたことをきっかけに、バスでも同様の意味合いを持つ座席が普及しました。
その後、バリアフリーの考えが普及していき、仙台では平成10年に、段差がなく乗り降りがしやすいノンステップバスが導入されました。
「バスは時代を映す“鏡”」
またしても新システム「安藤のひとこと。」です。
コーナーを振り返って感じたことを安藤さんから一言でまとめていただきました。
安藤さん
「バスはずっと身近にあるものなので、変わらないと思いがちです。
しかし、時代のニーズに合わせて進化しているということがわかりました。
これからも、安全性やバリアフリーの観点から、市民の声をどんどん反映させて、使いやすいバスに進化していくことを期待したいです。」
編集後記
撮影中、三嶋さんは「こんなにたくさん車両を撮ってもらえて嬉しい。本当に嬉しいです。」と仰っていたのがとても印象的でした。
乗客の安全を守るため、日々進化している市バスですが、少しずつ変わっていくためなかなか気づいてもらえないのだそうです。
「興味を持ってくれることが嬉しいんです」という言葉に、取材に来て良かった、投稿してくれた人がいてよかったと思いました。
市民の声を受け、誰でも安心して使えるようにたくさんの工夫が施されているバスに、明日からはもっと感謝しながら乗れそうです。
今年もみやぎアップデートでは皆さんから「気になる・知りたい」を募集しています。
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