仙台弁『いずい』『いづい』どっちの表記が正しい?

「居心地の悪さを表す、仙台弁は『いずい』『いづい』どちらの表記が正解ですか?」
ニュースサイト「TOHOKU360」の編集長・安藤歩美さんと一緒に調べました!

助っ人に仙台弁こけしさん!
今回の調査にあたって、県内で仙台弁の魅力を広げようと活躍する「仙台弁こけし」さんにも協力してもらいました!
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「まず、皆がどう思ってるか、気になるっちゃー」

調査開始!町の人に聞いてみると…
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「ズーズー弁だから『いずい』だと思います」
「いづらいが語源だから『いづい』だと思います」と綺麗に半分に分かれました。

こちらは情報サイト「仙台つーしん」さんがWEBで実施し、2000人が参加したアンケート。結果はやはり、ほぼ半分でした。

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西日本にルーツが・・・?

『いずい』と『いづい』一体どっちなんだろう…悩んでいたそのとき、
仙台弁こけしさんが一冊の本を持ってきてくれました。
そこには『いずい』のルーツが西日本にあるという記述が!

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方言学のエキスパートに聞いてみた!

さっそく本を書いた東北大学の教授のもとを訪ねました。
方言学のエキスパート小林隆教授です。

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小林教授「『いずい』という言葉は元々『えずい』という言葉で室町時代の京都で使われていました。」

実際に室町時代で使われていた文字が記載されている資料を見ると、たしかに使われています。
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「えずい」は「恐ろしくてぞっとするような」という意味です。

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小林教授「これを証拠に「す」に点々が本家本元の形なのだと分かります。」

つまり、語源を元にすると『いずい』が正解!

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『えずい』は江戸時代に関東で意味が変わった!


さらに小林教授は『えずい』が江戸時代に関東で意味が変わったことをを教えてくれました。

こちらは江戸時代に『えずい』がどのように使われていたかを示す資料です。

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小林教授「江戸では“目の中にごみが入ってごろごろして嫌だな”その感覚で使われ、今の仙台で使われるような意味に変わっていきました。」

その後、関東を経由し、宮城で『いずい』と発音されるようになったそうです。

『いずい』の意味は現代でも変化している!

小林教授は、『いずい』の意味は現代においても、変化を続けていると言います。

「『いずい』の意味も拡張しています。今日一日、気の合わない人と一緒にいたから『いずい』とか、こういう使い方が新しく広まっています。方言はこころを通い合わせるために必要なものになってきていて、そういう機能が現代社会では大きくなってきています。」

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ちなみに「いずい」は北海道でも使われているそうです。

調査を終えて…
安藤さん「西からどんどん伝わったのが面白かったですね」
仙台弁こけしさん「昔の言葉だと思ってたけど今も変わってて感動したっちゃね~」

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皆さんからいただいた『いずい』エピソード

最後に、皆さんからお寄せいただいた『いずい』エピソードをご紹介します!
・靴の中に石が入っていずい
・親戚の法事、知ってるような知らない人のような人ばかりでいずい
・いずいを説明するのが、いずい!
・トレーナーの下にロンT着た時に、袖口がたごまって、いずい。
・タートルネックのセーターを着た時、首元がいかいか(チクチク)していずい!
・下着が定位置に居なくて、いずい
・まなぐさ、ばがでぎで、いずい。 ジャス、たごまって、いずい。

たくさんの投稿をお寄せいただき、ありがとうございました!

 

 

「仙台弁」シリーズ第2弾「『だから~』使う?使わない?」の記事はこちら!


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