空から地域に注目! 山元町

宮城県内各地の四季の風景や東日本大震災からの復興の様子などをヘリコプターの空撮で伝えるシリーズ「空から地域に注目!」。今回は県の東南端、太平洋に面する山元町を太田直希カメラマンが取材しました。


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まず見えてきたのは、鮮やかな緑色が目を引く「東日本大震災復興芝生 ほ場」です。県内の企業が復興を願い、町の農家とともに「復興芝生」を生産しています。15万平方メートルの敷地で、全国各地の公園やスポーツ施設向けにオーダーメイドの芝生作りを行っていて、2021年の東京オリンピックでサッカーの試合が行われた宮城スタジアムでも、この芝生が使われました。

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およそ2年かけて育てた芝生は、出荷間近になると白いシートをかけて保温し、長さを最終調整します。ことしは、県内のサッカー場や野球場、そして公園の3か所に芝生を出荷する予定だということです。

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町の南側、福島県境付近にあるのは「社台グループ 山元トレーニングセンター」です。43ヘクタールの敷地に、競走馬の厩舎やトレーニングコースが整備されています。木のチップが敷き詰められた長さ900メートル、高低差33メートルの直線のコースで、負荷をかけたトレーニングができます。

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これまで中央競馬のG-1レースを制覇する馬を多数育てていて、4月の「皐月賞」や5月の「日本ダービー」で注目を集めたソールオリエンスも、ここでトレーニングに励みました。午前中は調教が行われていて、一般の人は事務所近くの駐車場から見学することができるということです。

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かつてJR常磐線が走っていた場所には、新しい復興道路「頭無西牛橋線(かしらなしにしうしばしせん)」ができました。震災前の地域の歴史を残すため、旧山下駅があったところには保管していた駅の看板を設置し、ホームを再現しています。

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赤く舗装した道路には白い線が引いてあり、かつての線路をイメージすることができます。町によりますと、住民の健康づくりを支援するため、白い線の横には歩いた距離を示す数字を等間隔で表示しているということで、担当者は「町の皆さんにとって思い出深い場所だと思うので、これからもぜひ散歩などに利用してほしい」と話していました。

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東日本大震災で最大で12.2メートルの津波被害を受けた山元町。豊かな自然を生かしつつ、大震災からの復興を着実に進める様子が、空から伺えました。

動画はこちらからご覧ください。

 



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仙台放送局
太田直希カメラマン
2022年入局。仙台市出身。
ヘリコプターでの撮影を担当。


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