コロナで変わる民泊 最新事情は 上山康博さん

 新型コロナウイルスの影響で観光業界は大きなダメージを受けました。多くの外国人旅行者でにぎわった民泊も例外ではありません。
2022みやぎ新春ボイス、7回目は民泊予約サイトの運営会社社長の上山康博さんです。コロナ後に向けて民泊の最新事情を聞きました。
(仙台放送局記者 伊藤奨)

【大打撃を受けた民泊業界】

新型コロナの感染が日本で初めて確認されてから2年。主な客層が外国人旅行者だった民泊は利用が激減し、業界全体が大きな打撃を受けました。

「外国人の利用はほぼありませんので、非常に大きな影響を受けました。民泊全体の市場からいうと、コロナ前に比べて40%ぐらい市場規模が減ったわけです」

上山さんの会社もひと月の売り上げがコロナ前の半分に満たない月もありました。逆に需要が伸びた分野もあるといいます。


【注目集めるワーケーション

「(外国人に対して)国内の人の新しい利用スタイルがこの2年間でスタートしています。それが『ワーケーション』です。リモートワークが当たり前になり、都心部でリモートワークするよりは密のない自然の中で仕事してみよう、そしてその延長でバケーションもしてみようという人が急増しています」

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ワーケーションとは仕事の「ワーク」と休暇の「バケーション」をかけあわせたことば。
リゾート地などで休暇を楽しみながら仕事をする新しい働き方です。混雑を避けた「滞在型」の観光スタイルとして注目が集まっています。

「自然の中で日々の仕事を展開できるのは非常に好評です。そういう環境ってよく考えると普通ないんですよ。少なくとも都心部に住んでいてはなかなか難しいことをしながら滞在するのは非常にわかりやすいんじゃないかなと思います」

インタビューした蔵王町の施設も長期滞在して豊かな自然や温泉が満喫できることからワーケーション向けとして高い人気があります。ワーケーションの人気を追い風に会社の売り上げは今、コロナ前の水準に戻りつつあるといいます。

「最初はある程度流行に敏感だったり、自身で決裁できたりするフリーランスの方が多かったんですけど、最近はようやく、いろいろな企業が制度設計をし始めています。メーカーや商社、行政もワーケーションとかリモートワークをちゃんと制度化して、今、全国でスタートしています」

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ことしに入って新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」が全国で急速に拡大しています。観光需要は再び落ち込むのでしょうか。

「オミクロンは本当に皆さん心配されていると思います。ただ、もう2年になりますので、これは関係するどの機関も感染拡大をコントロールする一定の手段を持ちつつあるのかなと考えています」

【キーワードは“地元への旅”

その上で、ことし、“目的地は地元”という旅が注目されるといいます。

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「私たち自身が知ってるようで知らなかった地元の良さ、地元の暮らしというものを再発見できるのが、ことしの前半だと思います。そして、ことしの後半になっていくと、1泊でどこか行くというより長期間で滞在して、今まで暮らしたことがないようなところに“短期住民”というような形で『暮らしのお裾分け』をもらえるような、そういう滞在がますます増えてくるんじゃないかなと思っています」

211216_itou.png伊藤 奨
平成28年入局 仙台市生まれ
福井局を経て地元・仙台局勤務
現在は経済・学術などを担当