ウエカツ流 カナガシラの湯煮

魚をおいしく食べる伝道師“ウエカツ”こと上田勝彦さん直伝!!
誰でも5分でできて、最高においしい魚料理「湯煮」。

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ウエカツさんによると、湯煮にはうれしい「利点」が数々あるとか。
 ●とにかく簡単で、後片付けもラク!
 ●3つの約束を守るだけで、誰にでもできる 
 ●魚の種類を選ばない
 ●魚本来の味を楽しめる
 ●野菜との相性もよい


さっそく「3つの約束」にしたがって、その手順をご紹介。
魚はまず、鱗を取り、内臓を取り出す。

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最初のポイントは、下処理後に「魚に薄塩をしておく」。
手に塩をつけて、魚に揉み込むのではなく、なでるようにします。
薄塩をすることで、魚の身の表面に水分と一緒に潜んでいる「生臭み」が出てくる。

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2つめの約束。茹でるお湯に盃一杯の酒を入れる。
薄塩をしたことで出てくる「生臭み」を
酒に含まれる「うまみ成分」の有機酸が中和してくれる。
これで魚の生臭みが完全に消える。

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3つ目の約束が魚を鍋に入れた後、「お湯を沸騰させない」。
(沸騰しそうになったら、火を小さくする)
鍋の底につく小さな泡がつく状態をキープし、灰汁が出たら取る。

グラグラ煮たら、出汁が出てしまう。
出汁を出したいのならグラグラ煮てもよいが、
「湯煮」では魚自体を味わうため、沸騰させず、魚の旨みを身に閉じ込める。

だんだん火が通ってくると、白濁した煮汁が透明になってくる。
この煮汁の色を見ることで、火がちゃんと身の芯まで通ったかがわかる。


尻尾の方から、身が骨から離れ始めると、茹で上がりのサイン。ここまでわずか5分。

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「湯煮」のいいところは、いろいろな味付けで楽しめるところ。毎日食べても飽きない。
ポン酢をかけるだけでもいいし、醤油とレモンを組み合わせる手もあれば、
塩と胡椒にオリーブオイルをかければ、洋風にもなる。
さらに「湯煮」がすごいのは、「干物」でも「切り身」でも、魚のおいしさが味わえる。

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こちらは、たっぷりのネギと味わうカナガシラの湯煮。おなかの周りにある腹骨やトゲも茹でたことで取れやすくなっていた。ぜひ、お試し下さい。