新型コロナウイルス月ごとの感染者の傾向(1月8日放送)

【月ごとにコロナを分析】
東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言が出されるなど感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス。宮城でも感染者が相次いでいます。

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11月・12月の1か月間に発表された感染者は981人で、11月のほぼ2倍に急増し、1か月の発表者としてはこれまでで最も多くなりました。

9月からの数を振り返ると、
▽9月は199人、
▽10月は320人、
▽11月は484人でした。 

9月から10月にかけては1.6倍、10月から11月は1.5倍だったのに対し、11月から先月はほぼ2倍ですから、感染拡大のペースが増加しているのが分かります。

【年代はまた若い世代が増加】
12月の感染者を年代別に見てみます。
▽10歳未満が20人、
▽10代が43人、
▽20代が212人、
▽30代が213人、
▽40代が169人、
▽50代が103人、
▽60代が112人、
▽70代が55人、
▽80代が40人、
▽90代が14人でした。

年代別の割合で見ると、20代と30代の2つの年代を合わせると43%、半分近くを占めています。
11月の35%と比べると、8ポイント増加しました。
一方、70代以上の高齢者は11%で、11月に比べて10ポイントの減少となり、若い世代の感染者が全体の数を押し上げたことがうかがえます。 

【登米市は1人→76人に】
居住地別にみると
▽仙台市が最も多く627人で全体の3分の2近くを占めました。

次いで、
▽登米市が76人、
▽石巻市が57人、
▽大崎市が43人、
▽名取市と塩釜市が21人、
▽栗原市が20人、
▽利府町が19人、
▽柴田町が17人、
▽多賀城市が12人、
▽気仙沼市が11人などと
なっています。

2番目の数になった登米市は、11月まではたった1人でしたので、12月になって一気に感染者が増えたことになります。
登米市のように、これまで少なかった地域でも感染が確認されるようになりました。

【経路最多は“飲食店”】
気になる感染経路を調べると、全国的に言われているように「飲食店」に関連するものが多くなっていました。

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発表時点で感染経路が推定可能な531人を詳しくみると、
▽「飲食店」が143人と
最も多く27%を占めたほか、

▽「家庭」が101人、
▽「高齢者施設」が40人、
▽「職場関係」が23人などでした。

 「飲食店」の内訳は
▽バーやスナックを含む
酒を提供する飲食店が77人、
▽接待を伴う飲食店が66人となっています。

【クラスターも急増】
12月はあわせて19の施設で感染者の集団=クラスターが発生しました。
このうちのおよそ3分の2を「飲食店」が占めました。

「飲食店」の所在地は
▽仙台市が9店舗で最も多く、
▽登米市が3店舗、
▽柴田町が1店舗でした。

また、
▽酒を提供する店が7つ、
▽接待を伴う店が6つでした。

 県や仙台市が公表した感染拡大の要因を見ると、
▽マスクを着けず十分な距離をとらずに会話していた、
▽大皿料理を取り分けて食べていた、
▽カラオケなどの歌唱をしていたなど、
これまでも再三、注意が呼びかけられていた内容が並んでいます。

【陽性率も徐々に増加】
もう1つ、注目したい数字があります。検査した人のうちどのくらいが感染していたかを示す「陽性率」です。
県の公表資料をもとに計算すると、12月末までに県内ではあわせて2万4800件あまりの検査が行われ、「陽性率」は8.56%でした。

一方、月ごとに見ると、第一波と言われた
▽4月は4.66%でした。

その後は、
▽10月が8%、
▽11月が9.41%、
▽12月は11.67%と
初めて10%を超え、増加傾向にあります。
この数字からも感染拡大に直面する状況がうかがえます。

【1月もハイペースか?】
1月に入ってから7日までの1週間で発表された感染者は236人。
12月の第1週は109人でしたので、単純に比較すると2倍以上の数字になっています。
先週の人口10万人あたりの感染者は、10.23人で全国で26番目となっていますが、このままでのペースでいけば、12月を上回る感染者数になってもおかしくない状況と言えます。
改めて感染対策に気を配り、感染リスクの高い場所を避けるなど自分の身を守る行動が大切です。