2018年12月27日 (木)

TPPとEPAで変わる日本の貿易

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2018年12月23日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの高橋真麻さん、国際部布施谷博人デスクです。

 

国際部経済担当・布施谷デスクから、千里子さん、真麻さんにクリスマスプレゼント!

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箱を開けてみると…

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「TPP」と「EPA」の文字。

この日は、12月30日に始まるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)と、来年2月1日に始まる日本とEUとのEPA(経済連携協定)について、解説しました。

 

この2つの協定のおかげで、テーブルの上にあるものが、この先安くなるかもしれないんです。

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TPPは環太平洋という名前が付いていて、日本を含めたカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど太平洋の周りの11か国の協定です。

EPAは日本とEU=ヨーロッパ連合の28か国との貿易協定です。

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どちらの協定も国どうしで話し合いを繰り返し、交渉の末、決めた協定ですが、実は良い面も悪い面も両方あるんです。

 

まずは良い面。

日本に輸入されてくるいろいろなモノがこれまでより安く入ってきます。

輸入するときには、関税という税金がかかるのですが、たくさん取り引きできるようにしようと、国どうしでこの関税を下げることになったんです。

こちらのセットで詳しく説明します。

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ワイン…ヨーロッパからのワインは2月1日からゼロになります。

ステーキ…いま関税がかかっているオーストラリア産(税率約27%~29%)、ニュージーランド産とカナダ産(約38%)の牛肉は、今後関税が下がっていき、最後には9%になります。

チョコレート菓子…10%の関税がかかっているヨーロッパからのチョコレート菓子は10年後にゼロになります。

パスタ…1キロ30円の関税が10年後にゼロになります。

 

ただ、お店に並んでいる商品はすでに関税が上乗せされてから日本に入っているものなので、実際値下がりを実感するには、少し時間がかかります。

 

良い面は、日本の消費者が外国のものを買う時だけではないんです。

日本も自動車や電化製品などいろいろなモノを海外に売っていますが、その時の関税も下がります。

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ここで「近い将来こうなるんじゃないかニュース」が始まりました。

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『TPPやEUとのEPAがスタートして10年。関税が下がったことで、日本の自動車メーカーの海外での販売が軒並み増加しています。特にニュージーランド、カナダ、そしてEUで大きく伸びていて、各社ともさらに販売網の強化を図る計画です。

以上、近い将来こうなるんじゃないかニュースをお伝えしました。』

 

海外で日本車が人気!という未来ニュースでしたが、本当にこのようなニュースが流れる日が来るかもしれません。

ニュージーランドに輸出される乗用車の関税はいま10%かかっていますが、TPPがスタートすると同時にゼロになります。

カナダへの輸出も5年でゼロに。

ヨーロッパも10%の関税が下がり、8年でゼロになります。

 

ここまで良い面を見てきましたが、悪い面はというと、

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こちら、シップが“貿易のいろは”をまとめてくれた「航海日誌」を見てください。

貿易協定は、モノを買う消費者か、モノを作る生産者なのかで受け止め方が違います。

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今回の貿易協定でも輸入の牛肉が安くなれば消費者は嬉しいですが、日本の畜産農家にしてみれば、安くなった外国産との競争にさらされてしまいます。

協定は良い面だけというわけにはいかないんです。

 

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ここで、トランプ大統領がやってきました。

どうやら怒っているようです。

 

その理由は、スタジオのテーブルに並んだごちそうの中にアメリカのモノが全く入っていないからです。

アメリカが「仲間外れ」になっているんですね。

でもトランプ大統領は、就任してすぐ、自分からTPPを離脱したんです。

もともとはオバマ大統領のときにアメリカがリードしてまとめあげた協定だったんです。

TPPに残っていれば、アメリカから日本に輸出するモノの関税も下がるはずでした。

でもTPPから抜けたためアメリカから輸入されるワインには、これからも94円の関税がかかったままです。

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トランプ大統領の方に雪が降ってきました。

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アメリカ産の牛肉も関税は38%のままです。

ヨーロッパやTPP参加国の関税はこれから下がっていきますので、アメリカは不利な立場に取り残されてしまうんです。

アメリカの農家の人たちは日本の市場を奪われてしまうのではないかと懸念しているんです。

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アメリカがTPPを抜けたのは、失敗だったのでは?と感じるかもしれませんが、トランプ大統領がTPPを抜けたのには、トランプ大統領らしい狙いがあったんです。

それが2国間での交渉です。

不動産ビジネスで成功したトランプ大統領には自分が交渉すればアメリカにずっと有利な内容にできるという自信がありました。

実際にトランプ大統領は、韓国と結んでいた自由貿易協定の中身を変えました。

しかも、韓国側が大きく譲歩する形で見直したんです。

 

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アメリカと韓国の自由貿易協定について説明しヨーソロー

 

日本もひとごとではありません。

トランプ大統領は、日本にも2国間交渉を迫っています。

来年いよいよ交渉が始まります。

アメリカの畜産農家やワイナリーの人たちが不安を感じているため、かなり強い要求をしてくるかもしれません。

 

日本との協議でトランプ大統領はどう動くのか、布施谷デスクの大予想がこちらです。

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トランプ大統領は、「関税をTPPの水準より下げろ」と求めてくると思います。

ただ日本は、農家の人たちのことなどを考えるとTPP以上のことはできないと思っています。

 

さらにもう1つ。

「日本の車の輸出を少し減らせ」と迫ってくるのではないでしょうか。

できないならば、関税を引き上げてアメリカに車が入らないようにするとも言っています。

 

トランプ大統領がずっと問題だと言っているのが、貿易赤字です。

日本との貿易の場合だと、赤字の大きな原因は自動車です。

ただ日本にとっては、アメリカへの自動車の輸出は、最も重要なビジネスの1つ。

そう簡単には受け入れられません。

 

最後に…

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日本は世界との貿易、中でもアメリカにモノを売ることで成長してしてきました。

この先も、付き合っていかなければなりません。

トランプ大統領はあれこれと注文をつけてきそうですが、全部応じていては日本が持ちません。

難しいことですが、「できないことは、できない」とはっきりさせて、上手に交渉して行って欲しいと思います。

 

 

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「2019年のせかいまは、1月13日放送だヨーソロー。来年もせかいまをよろしくな!」

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これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2019年1月13日のゲストは、初登場!町田啓太さんです。

投稿者:芳川隆一 | 投稿時間:17:00


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