2018年05月10日 (木)

世界の働き方改革

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2018年5月6日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの高橋真麻さん、国際部松木昭博デスクです。

 

外国人から見て、日本人て働きすぎなの?

世界の働き方って一体どうなっているんだ?ヨーソローということで、

国際部松木デスクが「世界の働き方」を解説しました。

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ヨーロッパでは2000年前後からいろいろと取り組みが進んでいるのですが、日本はまだまだ遅れていると指摘されています。

 

日本でも、国会で関連の法案が実質的に審議入りしました。

日本政府はこちらの9つを掲げています。

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こうした取り組みの背景には、もちろん働く人にとって仕事をしやすいようにしようということもありますが、日本経済を維持しようという狙いもあります。

少子高齢化で人口が減り、「働く人」もどんどん減るため、世界3位の経済規模はどんどん縮小してしまいます。

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そこで今回は、ここにあげた9つの中から、

「長時間労働の見直し」「非正規の人の待遇改善と柔軟な働き方」「働き手の確保と子育て支援」の3つのポイントに絞ってみてみましょう。

 

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「働き方改革」から、果実をつけた3本の木が現れました。

これらの木は、働き方改革を進めてきた海外の3つの国を表しています。

 

まずは「長時間労働の見直し」ですが、そもそも日本人は本当に働きすぎなのか。年間の総労働時間で世界と比べてみると…

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アメリカや韓国より少なくヨーロッパ諸国より多いですね。

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そして、フルタイムで見ると2024時間、かなり長い時間働いています。

残念ながら「過労死」や「過労自殺」が社会問題になっています。

日本では、働く側と会社側の合意があれば時間外労働が可能で、その場合、上限を超えても罰則はありませんでした。今後は、時間外労働にも罰則付きの上限を設ける方向です。

 

こうした罰則付きの労働時間の管理は、ヨーロッパではすでに導入済みです。

長時間労働を見直してきた、ドイツを見てみましょう。

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面白いのは、「労働時間口座」。残業したらその時間を貯めておける制度です。

そして、給料として受け取るか、休みにするかを選ぶことができます。

働いた分はしっかりと休める仕組みです。

そして、有給休暇は平均で30日もらえます。ちなみに日本は18日です。

それでもヨーロッパNo.1の経済大国です。

 

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ヨーロッパNo.1の経済大国ドイツだけど、働き方改革も関係してるみたいなんだヨーソロー。

 

次に、「非正規の人の待遇改善と柔軟な働き方」。

フランスを参考に見てみましょう。

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フランスは正規と非正規の賃金差が少ないです。そして、同じ職場で同じ仕事をしていたら賃金も同じという「同一労働同一賃金」が裁判の判例になっています。

そのため、パートは働く時間が短い分賃金は少ないけど、1時間分のベースはフルタイムとほぼ同じ。賃金だけでなく、休暇や労働時間、社員食堂の使用なども含め非正規の人を不利に扱うことは法律で禁止しています。

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フランスで特徴的なのは、「働きやすさ」を目指していく流れです。

代表的な例が「テレワーク」です。

インターネットのメールやテレビ電話などを活用した、場所にとらわれない柔軟な働き方のことです。

フランスでは、テレワークは法律に基づく「権利」となり、ダメな場合は会社側がなぜダメなのか理由を説明しなくてはいけなくなりました。

ただ、いつでもどこでも仕事になってしまうため、「インターネット接続を切る権利」も保障されています。

 

3つめの「働き手の確保と子育て支援」は、スウェーデンを参考に見てみましょう。

ここまで見てきた「長時間労働の見直し」「非正規の人の待遇改善と柔軟な働き方」は、労働者や企業の取り組みを国が制度で支える形でしたが、こちらの「働き手の確保と子育て支援」には、制度そのものに予算が必要になるため、国をあげた取り組みになります。

 

スウェーデンは、男女双方とも、仕事と育児の両立ができる社会を目指してきました。

各国に先駆け、1970年代から、父親も育児休暇の対象にしてきました。

その結果、女性の社会進出や就業率が国際的にも高水準になりました。

取材で女性官僚の部屋を訪ねたら、執務室に小さな子どもを遊ばせるスペースがありました。

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国がバックアップする育児休暇も充実しています。

 

もちろん、「働き方改革」をして、すべて良かったと言うわけではありません。

ドイツでは労働時間が短くなった分、非正規労働者が増え、正規と非正規の賃金格差が拡大傾向になっています。

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フランスでは、労働者の権利が守られている分、これから働こうという人には厳しく、若者の失業率が20%台と高いです。また、企業も解雇などの調整が難しくなっています。

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スウェーデンでは、色々な子育て支援制度や手当がある分、税金が高いです。

消費税率は(軽減税率はありますが)、25%です。

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そしてどの国でも、企業の幹部たちは働く時間などの規制を受けないケースが多く、負担が大きいです。

 

働き方改革はどんな社会を目指そうとしているかに関わっています。

それぞれの国の事情や、目指すことがあって初めて働き方の改革もできたということです。

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個人や会社の取り組みで変えられるところがあるけど、変えられないところもあります。

この芽をどのような木に育て、どのような実をつけさせるのかひとごとではなく、自分の暮らす社会のこととして捉えることが明日からの仕事の活力や、将来への期待につながれば良いですね。

 

 

 

※リハーサル時の写真も掲載しています。

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年5月13日のゲストは、ハリー杉山さんです。

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:15:35


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