2020年4月23日

2020年04月23日 (木)

新型コロナウイルス 感染拡大と抑え込みの分かれ目は

20200423_art_001.JPG

2020年4月19日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、Mr.シップ、国際部・花澤雄一郎デスクです。

坂下千里子さんは、新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワーク出演しました。

 

スタジオの人数を最小限にしてお伝えしました。

 

世界の新型コロナウイルスをめぐる状況を、花澤デスクとお伝えしていきます。

20200423_art_002.png

世界では感染者が233万259人、死者はおよそ16万917万人となっています。

依然としてペースを落とすことなく広がっています。

そして、感染者、死者ともに最も多いのはアメリカとなっています。

20200423_art_003.png

アメリカの感染者は、73万5,242人、死者3万9,089人となっています。

 

まずはアメリカの最新状況を、アメリカ総局の添記者に聞きました。

20200423_art_004.png

アメリカ総局・添記者)

アメリカではまだまだ厳しい状況が続いています。

特に感染者が多いニューヨーク州では、医療現場は引き続き深刻です。

 

ニューヨーク近郊にある病院の救急救命室で治療にあたる斎藤孝医師に現在の状況を聞きました。

20200423_art_005.png

まだ毎日かなりの人数が亡くなっています。

(感染者数の)山は高くはならないが、同じ高さで推移したままです。

秋口ぐらいまでかかるのではないでしょうか。

専門家によると年内かかるんじゃないかというところもあります。

 

アメリカ総局・添記者)

ニューヨーク州では新たな感染者の数自体は、ようやく横ばいから下降気味になってきていますが、医療現場が落ち着くのは、まだだいぶ先になりそうです。

さらに、アメリカ全体を見ると、感染者の数がまだまだ増えていきそうなんです。

20200423_art_006.png

フロリダ州やテキサス州などでは、ピークは来月頭になると予想されています。

感染拡大の歯止めには、まだ時間がかかる見通しです。

 

花澤デスク)

日本は、ここまでの事態にならないように、いま取り組んでいく必要があります。

そのためには、どうしたらいいのか。

それを考えていく上で、アジアの状況を見ていきたいと思います。

それが、こちら。

20200423_art_007.png

シンガポールと台湾です。

実は、対応のわずかな違いが、いま大きな差になって表れているんです。

 

台北の高田支局長と、シンガポールの山元支局長に聞きます。

20200423_art_008.png

はじめに、高田支局長に台湾のいまの様子を聞きました。

 

台湾・高田支局長)

台湾では、市民の危機意識の高さが感じられる光景が増えています。

通勤ラッシュの時間帯の台北駅です。

20200423_art_009.png

看板には「マスクを着用しなければ罰金」と書かれています。

台北の地下鉄では38度以上の熱があると乗れないんですが、そのために赤外線カメラが設置され、熱があると赤く表示されるようになっています。

さらに、係員が体温をチェックしています。

 

お昼どきの繁華街は、以前は多くの人でにぎわっていましたが、ほとんど人の姿は見られません。

台湾でも人気のかき氷のお店にも、お客さんはいません。

1月に初めて感染が確認されて以降、市民が外出を自粛するようになり、繁華街ではこうした状況が続いています。

店に入ってみると、QRコードで連絡先を入力してほしいとのことでした。

20200423_art_010.png

お店に来た人に感染が確認された場合、連絡できるようにということです。

それぞれの店が自主的にこうした対策を行うことで、感染経路がたどりやすくなっています。

この店では従業員の検温や、接客後の消毒・手洗いも義務づけ、守らなければ解雇するといいます。

20200423_art_011.png

「予防の対策は、飲食業に限らず、私たち1人1人がやらなければなりません。台湾をよくしたい、この感染症を収束させたい、という気持ちがあるから、いまは不便でも我慢できるはずです」。

 

では次に山元支局長、シンガポールのいまの様子はどうなっているのでしょうか。

 

シンガポール・山元支局長)

20200423_art_012.png

シンガポールの観光名所マーライオンの前は、ふだん大勢の観光客でにぎわう場所なんですが、今はひとりもいません。

20200423_art_013.png

シンガポールでは今月に入って、感染が急速に拡大してしまったため、企業はオフィスを閉鎖され、外出も厳しく制限する措置がとられています。

必要最小限の外出であっても、人と人との間隔をあけるようにと、白いシャツを着た監視員が食料品の買い出しなど、注意して回ります。

違反すると罰金が科せられ、繰り返すと起訴されることもあります。

 

花澤デスク)

シンガポールのほうが、より厳しく外出を抑えていますが、実は感染の現状は大きく違っているんです。

台湾とシンガポールの感染者は、しばらくの間はほぼ変わらず推移していました。

しかし、その後はこんなに差が出ているんです。

20200423_art_014.png

台湾の感染者の数が420人、シンガポールはおよそ6,588人です。

人口10万人あたりの感染者の数で比較しますと、台湾は1.7人、シンガポールは116.8人となります。

シンガポール政府は感染者が急増し始めていると感じ、4月3日、一気に厳しい姿勢にシフトしました。

学校や企業のオフィスを閉鎖して外出も原則禁止にしたんです。

しかし、すでに感染は広がっていて、その後、この急増となっています。

20200423_art_015.png

ちなみに日本の人口10万人あたりの感染者は8.2人。

東京に限ると21.3人です。

 

なぜ違いが出たのか。

 

それぞれの政府や当局がとった対応について、見ていきたいと思います。

まずは、ウイルスが海外から入ってくるのを食い止める「水際対策」。

 

台湾・高田支局長)

台湾の水際対策は素早かったといえます。

中国・湖北省の武漢からの飛行機に対する検疫を去年の12月末の時点で実施。

さらに、1月26日には湖北省で暮らす中国籍の人が、台湾に入ることを禁止しました。

その後、2月11日に中国から台湾に入ることを、原則、禁止としています。

20200423_art_016.png

シンガポール・山元支局長)

シンガポールも水際対策は早かったんです。

1月29日に中国・湖北省で暮らす人や2週間以内に湖北省を訪れた人の入国禁止。

さらに、2月1日に中国全土からの入国を禁止しました。

 

ここまではほぼ一緒だったのが、何が分かれ目となったのか。

 

それぞれの「自粛」を巡る取り組みに違いが見えてきているんです。

 

台湾・高田支局長)

台湾では当局による外出の自粛要請に市民が非常に真剣に取り組んでいます。

その理由は、台湾のトップである蔡英文総統が率いる政権の危機感です。

台湾と中国の間では、多くの人が行き来しますから、一気に感染が広がりかねないと蔡政権は強く警戒しました。

連日、記者会見で国民に警戒を訴え、さらに多くの人が公平にマスクを買える仕組みを作ったり、公共交通機関でのマスクの着用を義務づけたりしてきました。

20200423_art_017.png

こうした当局の対応が市民の意識を高めたと思います。

 

シンガポール・山元支局長)

シンガポールでは逆に、国民の「自粛」がうまく根づかなかったんです。

最大の原因は政府の「あいまい」な態度です。

政府は当初、経済や社会活動に、強い制限をかけませんでした。

たとえば、マスクについては「症状がないなら着用するな」と繰り返していたくらいなんです。

20200423_art_018.png

そうした政府の姿勢によって生まれたのが「油断」です。

お酒を飲みに行ったりジムでトレーニングしたりと、市民はそれまでと同じような生活を送ってしまい、その結果、レストランや保育園、企業などで集団感染が起きたんです。

さらに外国人労働者にも感染が広がってしまい、政府は慌てて厳しい措置に踏み切りましたが遅すぎました。

20200423_art_019.png

 

このように、早い水際対策でともに効果を上げましたが、行政のメッセージの違いが人々の意識と行動に差を生んでしまいました。

メッセージの重要性がよく分かります。

 

最後にまとめです。

20200423_art_020.png

台湾・高田支局長)

「危機意識の徹底」。

台湾では、1日の感染者が数人程度に抑えられていますが、それでも市民は自粛にきちんと取り組んでいます。

当局の呼びかけを受けて、ひとりひとりが真剣に考えることが重要だと思います。

 

20200423_art_021.png

シンガポール・山元支局長)

「油断禁物」。

「自分は大丈夫」といった「油断は禁物」だということです。

政府は、当初、国民の生活を混乱させないよう、日本と近い「お願いベース」の自粛要請を選択しましたが、それが油断を生み、被害の拡大につながりました。

わずかな気の緩みがどれだけ危険かきちんと認識してほしいと思います。

 

 

花澤デスク)

日本は、いままさに感染が急激に拡大するか、抑え込めるのかの重要な分かれ目にいます。

わたしたち、ひとりひとりの意識と行動が問われています。

 

 

 

【この日の時間割】

1.新型コロナウイルス 感染拡大と抑え込みの分かれ目は

2.トランプ大統領の中国批判 新型コロナでも

Mr.シップ[ アメリカが、WHOが中国寄りだと思っている理由をオレがアニメで説明しヨーソロー。]

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:16:45 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2020年04月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

バックナンバー


RSS

page top