2020年4月 1日

2020年04月01日 (水)

原油で対立 ロシアvsサウジアラビア

20200401_art_001.JPG

2020年3月29日の出演者のみなさんです。

左から、永井伸一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストのハリー杉山さん、岩田明子解説委員です。

 

 

【この日の時間割】

1.新型コロナウイルス アメリカは今&日本の対応は

2.原油で対立 ロシアvsサウジアラビア

 

 

1時間目は、新型コロナウイルスの感染が急激に加速しているアメリカについてアメリカ総局の添(そえ)徹太郎記者が、ヨーロッパについてロンドンの向井麻里支局長が解説しました。

20200401_art_002.png

20200401_art_003.png

 

そして、日本国内の動きについて岩田明子解説委員が解説しました。

20200401_art_004.png

 

 

2時間目は、こちら。

 

Mr.シップ「ずっと家の中にいると、体がなまるな~伸さん!」。

伸さん「そうだね、シップ。体動かしたいね!」。

シップ&伸さん「筋肉体操だ!」。

20200401_art_005.png

Mr.シップ「お!スクワットだな」。

伸さん「やってみるか~?これは下半身にきくね!」。

Mr.シップ「そうだなあ、大丈夫か~?伸さん!どこまでできるか、意地の張り合いだ~!」

 

世界でいま意地を張り合っているのが、ロシアとサウジアラビアです。

主役はこの2人。

20200401_art_006.png

原油生産量2位のロシア・プーチン大統領と、3位のサウジアラビア・ムハンマド皇太子です。

この2か国が、いま意地の張り合いをしています。

 

ロシア・モスクワ支局の北村記者、そして、サウジアラビアの隣の国・UAEのドバイから吉永支局長が解説しました。

20200401_art_007.png

まず、どんな意地の張り合いなのか、吉永支局長に聞きました。

20200401_art_008.png

問題となっている原油ですが、いま価格が大きく下がっています。

20200401_art_009.png

これに伴って、日本ではレギュラーガソリンが9週連続で下がっています。

日本人にとっては、ガソリンが下がるのは良いことです。

ただ、今回、原油価格が急落したことも、日本や世界の株式の今の記録的な値下がりに拍車をかけたともいわれているんです。

 

原油価格の下落がなぜ起きたのか。

それは、サウジアラビアやロシアなど世界の産油国が「たくさん原油を生産するようになる」ということで価格が下がっているんです。

たくさん生産する理由、それがロシアとサウジアラビアのケンカ別れなのです。

 

[原油価格が下落する前は、みんなで協力して、高い価格で原油を売っていたんだヨーソロー]

 

サウジアラビアにとって原油は、とっても大事な資源です。

おかげで所得税はないし、医療費は基本タダ、社会福祉だって手厚いんです。

だから、原油の価格が下がることは国家を揺るがす一大事。

必要とされる量より多く生産すると、原油の価値が下がって高く売れなくなり、収入が減ってしまいます。

つまり「たくさん」生産しすぎるのは、よくないんです。

そこで、サウジアラビアは、産油国のみんなで協力してほどほどに生産し、高い値段のまま原油を売ろうと呼びかけました。

そして、最近はみんなで協力して「ほどほど」に作ってきたんですが…。

3月に入って、サウジアラビアとロシアが、決裂。

そのせいで「ほどほど」に生産していた原油を、お互い「たくさん」生産することになってしまったんだヨーソロー。

 

 

サウジアラビアは中東諸国を中心に、産油国の利益を守ろうという集まり「OPEC=石油輸出国機構」のリーダーです。

20200401_art_011.png

そして、OPECだけじゃなくてロシアなども一緒に「これまでよりも、もっと大規模に原油の減産をしましょう」と提案していました。

こんな提案した理由は、新型コロナウイルスの影響です。

原油を一番輸入してるのは中国ですが、感染の拡大で工場が止まったり、経済活動が大きく落ち込みました。

このため、必要な原油の量が一気に少なくなりました。

20200401_art_012.png

さらに影響は世界に広がっています。

このままだと、さらに原油が余って、値段が下がってしまうので「一緒に生産量を減らしましょう。それで価格を維持しましょう」と提案したんです。

20200401_art_013.png

でも、この提案をロシアが拒否しました。

 

なぜ、ロシアが拒否をしたのか、モスクワの北村記者に聞いてみました。

20200401_art_014.png

減産すると、原油収入が大きく減ってしまいます。

それに自分たちが減らしている間に顧客を奪われる可能性もあります。

そうした事態を嫌がった、というのが大きな理由です。

だから「やりたいなら他の皆さんでどうぞ」と提案に乗りませんでした。

そうすれば「価格は維持されて、自分たちの収入は維持できる」と考えました。

 

 

それに対してサウジアラビアは「ロシアが協力しないのはずるいし、それでは減産の効果が弱い」と考えました。

原油生産量が世界2位のロシアと3位のサウジアラビアが組んで減産するから効果が大きいし、原油の価格も維持できる、はずだったんです。

怒ったサウジアラビアは、減らさないどころか最大限まで生産を増やすことにしました。

さらに、輸出先の国々にさらなる値引きも持ちかけています。

20200401_art_015.png

ロシアが協力しないなら、こうしてやる!とばかりに「価格戦争」を仕掛けたんです。

サウジの強みは、世界一安いとされる「生産コスト」と自在に生産量を変えられる「調整力」です。

これを武器に安い原油をどんどん市場に供給すれば、ロシアは苦しくなって「すいません、やっぱり一緒に減産します」と言うしかないだろう、と考えていると思います。

しかし、ロシアは今のところ譲る気配がないんです。

 

とは言っても、ロシアは国家財政のおよそ4割を石油に頼っており、苦しくなっています。

しかし、サウジアラビアは6割ともっと依存しています。

なので「先に音を上げるのはサウジアラビアだ」とロシアは考えています。

しかも今回、サウジアラビアは正面切ってロシアにケンカを売った形です。

これに対して簡単に折れてしまっては「強いリーダー」が売りであるプーチン大統領としては格好がつきません。

20200401_art_016.png

 

さらに、このロシアの強硬姿勢はサウジアラビア以外に、アメリカを強く意識したものなんです。

アメリカはいま、原油生産、世界一です。

仮に今、ロシアが減産に協力すると、価格が上がり、アメリカは減産もせず恩恵だけを受けることになります。

ロシアが減らした分の顧客をアメリカに奪われたら最悪だ、という危機感もあります。

さらにロシアは、6年前からアメリカによる経済制裁を受けています。

国内経済へのダメージは深刻で、アメリカへの恨みつらみが積み重なっていますから、アメリカが利益を得るようにはしたくありません。

20200401_art_017.png

この戦いは、プーチン大統領にとって、アメリカを世界一の産油国の座から引きずり下ろす戦いでもあるんです。

 

この意地の張り合いはどうなるのでしょうか。

20200401_art_018.png

「勝者なき戦争」。「崖っぷち」。

 

モスクワの北村記者は「崖っぷち」と書きました。

ロシア経済は、新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けていて、今後、悪化が予想されていました。

そこにこの原油の暴落で追い打ちをかけられ、持ちこたえられるのか、という不安が国民の間で広がっています。

プーチン大統領は「崖っぷち」に追い込まれていると思います。

ロシアが先に音を上げるわけにはいかない、というジレンマに陥っています。

この先しばらくは資源大国の威信をかけた「崖っぷち」での攻防が続くと思います。

 

続いて吉永支局長は「勝者なき戦争」と書きました。

この意地の張り合いはがまん比べです。

原油価格の下落は、産油国や石油産業の全てにとって、大きな打撃です。

このままいけば、サウジアラビアやロシアよりも前に他の産油国が「がまん比べ」に耐えられなくなって経済・社会が崩壊、混乱する国も出てくる可能性があると思います。

そして、中東などで混乱が広がれば、今度は逆に安定的に原油が来なくなるリスクもあります。

さらに、世界経済全体への悪影響も出始めています。

日本にとって、いまガソリンが安くなると喜んでいるだけでは、のちのち大変なことになってしまう恐れがあります。

 

 

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:永井伸一 坂下千里子 Mr.シップ

2020年4月12日のゲストは、岡田結実さんです。

投稿者:永井伸一 | 投稿時間:17:32 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

カレンダー

2020年04月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

バックナンバー


RSS

page top