2018年3月29日

2018年03月29日 (木)

権力集中、習近平の新時代とは

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2018年3月25日の出演者のみなさんです。

左から、芳川隆一キャスター、坂下千里子さん、Mr.シップ、ゲストの八嶋智人さん、国際部藤田正洋デスクです。

 

中国の習近平国家主席の権力強化について、国際部藤田デスクが解説しました。

 

年に1度の中国の国会にあたる全人代=全国人民代表大会が開かれ、習近平指導部の第2期目が本格的にスタートしました。

今回の全人代は、中国政治において「歴史的な転換点」となりました。

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全人代最終日に、演説の中で「今世紀中ごろまでに、社会主義現代化強国を作り上げる」と語った習主席。

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これは、「経済的にも軍事的にもアメリカを超える強国になる」という意味とされています。

今世紀中ごろとは、中国建国からちょうど100年の2049年とみられます。

そのためにも今回の全人代で、権力を掌握する必要があったということです。

 

2049年には96歳になる習主席ですが、長期に渡って権力を掌握するために、「歴史的な転換点」となる制度の変更=「憲法の改正」を行いました。

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「任期2期10年」の制限を撤廃し、国家主席の任期を無期限に続けることを可能にしました。

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のちのち振り返って、この任期の「無制限」への制度変更が歴史の重要な転換点だったとされるかもしれません。

 

さらに、今回の人事からも、権力の掌握を見ることができます。

68歳以上は引退するという慣例に従って、一介の共産党員に退いていた王岐山(おう・きざん)氏を国家副主席に抜てきしました。

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こちらも、今回の憲法改正で無期限に国家副主席にとどまることが可能になりました。

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他にも、学生時代の友人や、上海勤務時代の部下で周囲を固めました。

 

一方で、要職の中には習主席に近いとは言えない人物もいます。

今回の全人代でも再選された「李克強首相」です。

共産党内の序列ではナンバー2です。

かつては、習主席のライバル的存在でしたが、今では存在感が薄れています。

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重要政策は王岐山氏が、経済・貿易分野についても、学生時代の友人、劉鶴(りゅう・かく)氏が舵取りを行うとみられていることから、李克強首相の影響力は歴代の首相と比べて、限られたものになるという見方も出ています。

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今回改正された憲法の前文に「毛沢東」と並んで「習近平」という名前が盛り込まれました。トップにいる間に憲法に名前を書き込まれたのは毛沢東と習主席の2人だけです。

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習主席の権力掌握の様子を見て、絶大な権力を握り続けた毛沢東時代の強権政治の復活だ、文化大革命、つまり文革の暗い時代に逆戻りするのではないかと懸念する声もあるわけです。

 

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中国の毛沢東が発動した「文化大革命」がどんなものだったのか、オレがちょいと説明しヨーソロー。

 

文革の反省から「集団指導体制」に移行し1982年に国家主席の任期を規定したにもかかわらず、今回の全人代で任期が撤廃され1人に権力が集中する状態に戻ってきたのです。

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権力を集中した習主席が、今後中国をどうしようとしているのか、「経済」と「外交」から見ていきます。

 

中国経済は以前に比べると減速していますが、世界の中ではまだ高い成長率を保っています。

問題は「ゾンビ企業」と言われる赤字の企業です。多くの補助金で企業を生き延びさせてしまった結果、中国経済の足かせになっています。

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習主席は、強いリーダーシップで構造改革を進め、ITや電気自動車、ドローンといったハイテク分野などの成長が見込める産業への転換を目指しています。

 

外交で大きな課題となっているのは、貿易不均衡の是正を求めるアメリカのトランプ政権への対応です。

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また、中国とアメリカの間では、「台湾」をめぐっても大きな問題が浮上しています。

 

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日本との関係はと言うと、ことしは日中平和友好条約締結から40年という節目で、両国とも関係改善と発展に向けた努力をしています。

さらに、ことし前半には日中韓3か国による首脳会談が行われる予定です。

しかし、中国は国民の不満が噴出すると、国内の問題から目をそらそうと対外的に強硬な姿勢に出ることもあるため、関係改善ムードと油断するのは禁物です。

 

習主席の率いる中国がどこへ向かうのか、注目していく必要があると思います。

 

 

 

番組開始から、たくさんの先生と生徒たちで使い続けてきた、この教室、

実はこの日が最後でした。

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よく見ると、いたるところに3年間の歴史が感じられます。 

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来週からは、パワーアップした新教室で!

パワーアップした解説をお届けいたします!

 

 

 

※リハーサル時の写真も掲載しています。

 

これでわかった!世界のいま

NHK総合 日曜午後6:05~ 生放送

出演:芳川隆一 坂下千里子 Mr.シップ

2018年4月1日のゲストは、初登場!加藤清史郎さんです。

 

投稿者:Mr.シップ | 投稿時間:22:40 | カテゴリ:せかいま美術館 | 固定リンク


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