青天を衝け

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Interview
五代友厚役 ディーン・フジオカさんインタビュー「五代さんが自分をそこに連れていってくれた」
見えない力で導かれている気がしてならない
Q:連続テレビ小説『あさが来た』(2015年)で演じられた五代友厚を、再び大河ドラマで演じられましたが、いかがでしたか?

『青天を衝け』で五代友厚と再会し、演じさせていただけて光栄でした。一度でいいから大河ドラマというプロジェクトに参加してみたいと思っていたので、五代さんが自分をそこに連れていってくれたと思うと感無量です。俳優人生において、同じ役を違うドラマで演じることはなかなかない経験だと思うんです。まさか、そんな幸運に恵まれることがあるなんて考えてもいなかったですから。何か、見えない力で導かれている気がしてならないですね。

---ディーンさんのなかに、五代友厚が染みついているように見えるのですが。

自分でそこまで客観視はできていないかもしれませんが、『あさが来た』で演じるまで知らなかった五代友厚という歴史上の人物との出会いは、自分にとってすごく大きなものでした。現在進行形で気付きを与えていただいていますし、会ったことはないけれど、すごい恩人のように感じているのは事実です。
五代友厚が歴史のなかでどのような行動をし、彼の信念や哲学に基づく行動が現代の社会にどんな影響を与えたのか、『青天を衝け』ではより分かりやすく描かれていると思います。彼の偉大な思想というか生きざまが、より多くの人に伝わるように、全力を尽くしたい思いで演じていました。

渋沢栄一というすごく会いたかった男に、やっと会うことがかなったシーン
Q:渋沢栄一と五代友厚がお互いを認識したうえで対面し、初めて会話のやりとりをするシーンは印象的でした(第30回)。あのシーンの印象は?

撮影を始める前のリハーサルのとき、吉沢亮くんから「ここのセリフをこういう言い方にしてもいいですかね。どう思いますか?」と言われ、「それだとこうなるけど、どうかな」というようなやりとりをしたのを覚えています。
そういうことは大抵は演出の方と話しますし、彼がそういうことをほかの役者に直接話すところも見たことがない。渋沢と五代が初めてちゃんと出会う大切なシーンですし、想像できないほどの熱量であのシーンと向き合っていたのかもしれません。そんなことがあり、とても印象に残るシーンになりました。
五代としてはうわさで聞いていた渋沢栄一というすごく会いたかった男に、やっと会うことがかなったシーン。新しい仲間と話せるワクワクがあったと思います。お互いに、「新しい日本をつくっていくんだ」という希望に満ちたシーンになればいいと思って演じました。

渋沢が成長していくのは五代にとってはとてもうれしいこと
Q:『青天を衝け』での渋沢栄一と五代友厚の関係性は、どのようなものだと思いますか?

どちらかというと五代のほうが兄貴というか、頼れる先輩なのかなと。そういう立ち位置でいるほうが渋沢にとって、成長や気づきにもつながると思いました。競争相手といえばそうなのですが、自分が思うのは、より良い日本の未来を一緒につくっていく仲間という意識が強いです。渋沢から見た五代はやっかい者で、手ごわくて、ライバル心みたいなものが芽生える相手なのかもしれませんが、五代から見た渋沢との関係は、もっと大きく包み込むような存在でいるべきなのかなと思って。

渋沢が成長していくのは五代にとってはとてもうれしいことであり、頼もしい仲間が一人増えるという気持ちになる。一緒に日本という国をより良い未来に導いていくうえで、渋沢栄一をすごく頼りにしていたと思います。五代のほうが早い段階でいろんなことを経験し、広い視野を持っていたと思うので、渋沢と会話をするときは、少しゆとりを持つというか、包み込むような……そんなイメージで演じていましたね。

“東の渋沢、西の五代”といわれるように、場所は違えど、同じ時代に同じ考えを共にする仲間。仲間の頑張っている姿というのは、双方にとって大きな刺激があり、お互いへのエールになっていたと思います。最後のシーンの「渋沢くん、日本を頼んだど」というセリフからも、“未来を託すことができる友”という関係なのかなと感じました。

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