2017年01月12日 (木)一人で楽しい"くりぼっち"


※2016年12月18日に放送されました。

若い人たちの間で使われる
”クリぼっち”という言葉、ご存じでしょうか?。
「クリスマス」と「ひとりぼっち」を組み合わせたことばで、
ひとりで過ごすクリスマスのことです。

これまで「1人でさみしい」、という印象が強かった”クリぼっち”。
しかしいま、クリスマスを”1人”で楽しもうという動きが出てきています。
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<かつては・・・>
クリぼっち=クリスマスを1人で過ごす寂しい時間・・・。
そんなイメージで、この言葉は使われていました。
「1人ぼっちを悟られないように隠れてひっそり過ごす」。
「大きなクリスマスケーキは
1人では食べきれないから買えない」などなど。

161218.5.jpgところがいま、
クリスマスムードで盛り上がる街中を歩くと、
今年の”クリぼっち”はひと味違うようです。

<優雅な“クリぼっち”を>
訪れたのは、多くの買い物客でにぎわう
東京・千代田区のデパート、「大丸東京店」。

クリスマス向けの商品が飾られ、
カップルや友人のグループなどがお目当ての品を探しています。
このデパートは去年まで家族や、カップルへのプレゼント交換を前提としてクリスマスの商品展開をしていたそうです。
ところが今年初めて、”クリぼっち”もターゲットにして
クリスマス商戦に入っています。

161218.1.jpgクリスマス商品を紹介する冊子では、
「今ドキ クリぼっちはけっこう楽しい!」と題して、
1人で楽しく過ごすさまざまな商品を紹介しているのです。

”かわいらしい部屋着!”
”チーズフォンデュ用の小さい片手鍋!”
「部屋で1人、くつろぎながらおいしいものを食べる」
そんな優雅なクリスマスを提案しています。

実は675人の顧客にアンケートをしたところ、
「クリスマスは家族や恋人と過ごすが、”本当は1人で過ごしたい”」
という人が6人に1人、17%あまりいました。

いつもよりぜいたくに
1人の時間を過ごしたいという人が、一定数いることにデパートは”クリぼっち商戦に勝機あり”と考えたんです。

161218.2.jpg大丸東京店・販売企画の大川菜帆さんは
「クリぼっちは1人で寂しいようなイメージがありましたが、逆に1人の時間を満喫し、思い切り楽しんで欲しいです」と話していました。

<ケーキもツリーも>
クリスマスに欠かせないケーキのコーナーにも
”クリぼっち”向けのケーキがクリスマスの1週間以上前から並べられていました。

161218.3.jpgファミリー用のホールケーキの隣にあったのは、
同じ丸い形の直径10センチほどのミニサイズのケーキ。
このほか、
クリスマスツリーや雪の結晶などをモチーフにした
クリスマスムード満載の1人用のケーキがあります。

ケーキを買いに来た30代の女性は
「1人で食べ切れるケーキが欲しいと思って買いに来ました。
周りに気を遣わずに楽しめるのがクリぼっちの良さです」と
笑顔で話していました。

クリスマスムードが漂い始めるころから、
こうしたケーキを売り出してアピールし、
クリスマスには”クリぼっち”の楽しみの1つにしてもらおうという狙い。
ショーケースの前で足を止める人たちは増えているそうです。

そして部屋に飾るだけで、
一気にクリスマスムードに演出するクリスマスツリー。
1年に1度のイベントで、
大きく豪華なツリーにあこがれていた人も多いと思いますが、
今年は逆にミニサイズが人気です。

161218.7.jpg東京・渋谷の大型雑貨店「東急ハンズ」では、
20センチから30センチほどの小さいクリスマスツリーを置く棚を増やし数も前の年の1点5倍にしました。

高さ10センチあまりの手のひらサイズのガラス製の小さなツリーや薄くて平たいツリーなど、かさばらずに飾れるツリーの前で、女性たちが足を止めて眺めていました。
こうしたツリーを自分用に買い求める人が多いそうです。

その背景にはフェイスブックやインスタグラムなどのSNSの広がりが
影響しているという指摘もあります。
東急ハンズ渋谷店の石田綱祐さんは「小さなツリーの周りに小さな雑貨を置いて1人でクリスマスを楽しむ様子を写真で発信するのがはやっているようです」と話していました。

<頑張った自分にプレゼント>
一方、男性向けに自分へのプレゼントを提案する特設コーナーも登場していました。

161218.8.jpgコーナーの名前は「男前クリスマス・マーケット」
誰かにプレゼントしてもらうのではなく、気に入った物を自分のために買う、クリスマスをそのきっかけにして欲しいという狙いです。

161218.14.jpg落ち着いた色の、
「木製のサンタクロース」や「置き時計」などが並べられています。
コーナーに来ていた20代の会社員の男性は
「日々頑張っている自分へのクリスマスプレゼントとして、家に帰ったら楽しくなるものを買いたい。1人のクリスマスを楽しみ、それをまた友達に話すのも楽しみです」と語ってくれました。

<楽しむ”クリぼっち”を>
調査会社・楽天リサーチが
先月、インターネットで20代から60代の男女1000人に行ったアンケートでは、
クリスマスを「1人で過ごす」と答えた人が20.4%、5人に1人に上りました。

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ならば”1人でさみしいクリぼっち”ではなく、
”優雅に楽しむクリぼっちを!”という今年のクリスマス商戦。
さてみなさん、今年はどんなクリスマスを過ごしますか?

 

 

投稿者:牧本 真由美 | 投稿時間:15時33分

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