2017年02月10日 (金)チョコの渡し方がわからない?!


※2017年2月8日にNHK NEWS UPに掲載されました。

2月14日はバレンタインデー。
想いを寄せる人にチョコレートを贈る日として知られていますが…。最近は「チョコレートの渡し方がわからない」という人が増えているとか。インターネット上にはチョコレートの渡し方を“指南”するサイトまで新たに登場。
バレンタインデーをめぐって何が起きているのでしょうか?

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<“渡し方”検索“>

170208.2.jpgここ数年、バレンタインデーが近づくとネット上での検索数が急上昇するワードがあります。それは、「渡し方」です。

インターネット検索サイトのグーグルで調べると、5年前から、バレンタインデーの1週間ほど前だけ、「渡し方」という言葉の検索が増える傾向にあることが分かります。実際、検索サイトのヤフーに「チョコ」「渡し方」と入力してみると…。入力した単語とペアでよく検索される単語を自動的に表示する「サジェスト機能」によって、10パターンほどが同時に表示されました。
小悪魔的な渡し方、こっそり渡す方法、職場での渡し方…。
大手出版社によると、こうしたワードで検索しているのは、生まれた頃からインターネットが身近にある10代、20代のいわゆるデジタルネイティブ世代。
さまざまなシチュエーションでの「渡し方」を探しているようです。


<“指南”サイトまで登場“>

170208.3.jpg若い人たちは、“チョコの渡し方が分からない“のでしょうか?ニーズに応えようと動いたのが、大手出版社の小学館です。バレンタインデーを1週間後に控えた2月8日、チョコレートの渡し方を“指南”する漫画のサイト、「KYUNPAD(キュンパッド)」の公開を始めました。

サイトでは少女マンガや少年マンガ、青年誌で連載を持つ11人の漫画家がそれぞれ、「チョコレートの渡し方」を1ページから5ページ程度の書き下ろしのマンガで提案しています。

企画したマーケティング局の高橋尚子さんはサイトを制作した理由を次のように話しています。
「若い人たちはインターネット上のコミュニケーションは上手ですが、“渡し方”をネットで調べなければいけないほど、リアルな人づきあいが苦手だったり、恥ずかしかったりするのかもしれないと感じました。“渡し方”が分からなくて悩む人たちの背中を押すような内容にしたいと思いました」


<ポイントは“こっそり?>

170208.4.jpgサイトでは自分が“渡したい”と考える状況を見つけやすいようにと、学校で、帰り道に、部活中に、バイト中に、夫婦で…など、17通りの「チョコの渡し方」を提案しています。中でも、若い人向けにと考えられたのが“こっそり”渡したり、“義理チョコっぽく”渡したり、また、本命の相手かどうか分からないような感じで渡すシチュエーションです。

高橋さんはこうした場面設定が求められる背景に、恋愛に消極的な男性が増えていることがあると説明します。
「いわゆる“草食系”、恋愛に消極的な男性も増えているようです。そんな男性にチョコを渡すためには女性が頑張らなければならない。でも、堂々と渡すのは恥ずかしいですよね。そんな恥ずかしさを消せるようなシチュエーションもそろえました」


<“恋垢”で恋愛相談も>
ネット上でバレンタインデーをめぐる若い人たちの動きを調べると、あるツイッターのアカウントやハッシュタグにたどり着きました。その名も「恋垢」(こいあか)、恋愛用のアカウントです。

「好きな人に『バレンタイン渡してもいい?』と聞くつもりです。応援してくれたら嬉しいです。#応援してくれる人RT#恋垢さんと繋がりたい#好きな人がいる人RT」

“恋をしている人とつながりたい”、共通の想いを持つ人どうしでつながり、相手を想う気持ちを打ち明けたり相談しあったり、また、応援を求めたりしているのです。

こうしたツイッター上の動きについて広告大手の電通が2年前、首都圏や関西などに住む高校生以上の未婚の男女3000人を対象に調べたところ、女子高校生はツイッターのアカウントを1人あたり平均で3.4アカウント持っていることが分かったということです。若い人たちは、自分がメインで使う『本(ほん)アカ』に加えて、趣味のことしかつぶやかないアカウント、恋愛用のアカウントなど複数を使い分けていて、その中には、本人が特定されないからこそ赤裸々につぶやいているものも多いということです。

調査をした電通若者研究部の吉田将英さんはこの状況を次のように説明します。
「私たちが人によって話す話題を変えるように、若い人たちはネット上でも相手に応じたコミュニケーションをしているのです。『おいしいお店』『コストパフォーマンスの高い家電製品』など、若い人たちは検索をしながらいろいろな情報を得て選択をしてきましたが、恋愛には、正解がありません。だからこそ、一歩踏み出すきっかけに、また、決断するために、匿名性のあるアカウントで本音を打ち明け、応援を求めているのかもしれません」


<本当に“分からない”の?>

170208.5.jpg検索サイトで“渡し方”を調べたり、ツイッター上で不特定多数の人にアドバイスや応援を求めたりする若い人たち。チョコレートの渡し方、本当に分からないのでしょうか。吉田さんは、もちろん恋愛が苦手だとか本当に分からなくて調べている人もいると思いますが、と前置きをしながら次のように話していました。

「デジタルネイティブで、インターネットでの『検索』が当たり前の行動になっている世代なので、『分からない』というよりは、まず世の中の平均値がどこにあり、周りのみんながどのようにしているのかをとりあえず調べてみることが特性としてあります。そのうえで、アレンジを加えたり個性を加えたりしたいのだと思います。恋愛は1対1の関係性ですが、例えば、『チョコの渡し方が気持ち悪かった』などとうわさになるとネットを通じて一気に拡散してしまうというリスクにもさらされている世代です。リスク回避のためにもまず、“平均”、“一般”を調べているのかもしれません」。

あなたは、どうやってチョコレートを渡しますか?また、もらいたいですか?バレンタインデーに向けて、インターネットで検索をして理想の“渡し方”を思い描いたり、かつての淡い想いを思い出したりしてみるのも楽しいかもしれません。

投稿者:清有美子 | 投稿時間:14時29分

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