2012年12月18日 (火)"無料で住宅修理"トラブルに注意


「保険金を使えば無料で住宅の修理ができる」。そんな勧誘をめぐるトラブルが増えているとして、国民生活センターが注意を呼びかけています。トラブルに遭った男性の話からは、業者の巧みな勧誘方法が見えてきます。

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【勧誘する申請代行業者とのトラブル】
火災保険などの損害保険では、台風などの災害で住宅が壊れた場合、修理費用として保険金が支払われることがあります。
国民生活センターによりますと、この仕組みに目をつけて、工事の見積もりや保険金の請求手続きを代行する業者が、「保険金を使えば、無料で住宅の修理ができる」と勧誘しているということです。
しかし、「支払われた保険金の額が見積もりより少ないので解約しようとしたら、調査費として保険金の30%を請求された」、「代金を前払いしたが工事が行われない」といったトラブルが増えているということです。

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【トラブルに遭った男性は】
首都圏に住む男性は、1年ほど前に、ある業者から、「災害で壊れた住宅を無料で修理しないか」と勧誘されました。実家の屋根が台風による強風で壊れていたため、工事の見積もりの手配や、保険金の申請書類の準備などの代行を依頼しました。
男性は、「とにかく手間がかからない、お金がかからない、業者が全部やったものを保険会社に出すだけですよと言われると、人間なんて手間が大変だと考えるし、お金がかからないと言われればやってもらいたくなる」と話しています。

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その後、保険金、数十万円が支払われ、ほとんどを事前に業者に渡しましたが、足りなかったとして屋根の修理が行われず、トラブルになりました。

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男性は、地元の消費生活センターに相談しましたが、その際、意外な事実を知らされました。業者に言われるままに、台風で壊れた部分だけではなく、経年劣化とみられる部分まで保険金を請求していたことについて、詐欺に問われる可能性もあると指摘されたのです。
男性は、「業者は、『すべて請求する、それで保険金が来ればめっけもんだ』などと言っていた。許可をしたつもりはなかったが、業者が出した見積もりを自分が保険会社に請求してしまった。今思えば、簡単に契約すべきではなかったと後悔している」と話しています。

【今年度急増 詐欺に問われることも】
全国の窓口に寄せられたトラブルなどの相談は、今年度、すでに234件にのぼり、昨年度の同じ時期と比べ、2倍のペースで増えています
。中には、本来保険金が支払われない経年劣化についても、災害で壊れたことにして申請するよう勧める悪質なケースもあり、この場合、利用した人が詐欺に問われる可能性もあるということです。

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【注意点は】
国民生活センター相談情報部の柴田智彦さんは、以下のような注意点を挙げています。
▼保険金の範囲内で修理ができるのか、範囲内にとどまらなかった場合の負担はどうなるのか確認する。そもそも本当に修理が必要かどうか検討する。
▼契約している保険の内容を確認して、事実に基づいて保険金を請求する。保険会社にも相談する。
▼複数の業者から見積もりを取る。
▼修理の着工前に代金を全額前払いしない。
そして、トラブルに巻き込まれたら最寄りの消費生活センターに相談するよう呼びかけています。※最寄りの消費生活センターにつながる「消費者ホットライン」は、0570・064・370です。

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【取材後記】
損害保険で保険金が出るということを業者から初めて知らされた人は、「保険会社は保険金を払いたくないのでわざと黙っているんですよ」などと言われると、この人は自分の味方なのだと思い、ついつい信用してしまうそうです。しかし、業者は消費者の味方というより、工事の件数を増やし、代行の手数料を得たいがために勧めているだけかもしれません。
特によく考えてほしいのは、詐欺に問われる可能性があることです。住宅の傷みは、災害によるものなのか、経年劣化なのか判断のつきにくいところがあります。そうしたグレーゾーンで保険金が支払われるかもしれないと予想して勧誘している業者もいるようです。しかし、自分でしっかり確認しないまま、“無料”という言葉をうのみにして保険金を請求してしまうと、大きな代償を支払わされることもあります。
うまい話には必ず裏がありますので、十分注意してください。

投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:06時00分

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