2013年01月09日 (水)リフト代無料でスキー場集客を


この年末年始は厳しい寒さとなった所も多くなりましたが、その寒さで雪に恵まれたのは、各地のスキー場です。この時期のスキー場というとリフトに乗るために長い行列に並んだ記憶がある方も多いのではないでしょうか?ただ、かつてとは違って、スキー場を訪れる人は年々、減っています。そうした状況に歯止めをかけようと、各地のスキー場では、若者や子どものリフト代を無料にして集客を図る取り組みが広がっています。

20120107_rihuto3.jpg

 

スキー人口のピークは、平成5年で1860万人でした。それが、おととしには600万人ほどと、3分の1まで減っています。スノーボードの客を合わせても970万人とピークのころの半分ほどとなっています。

20120107_rihuto2.jpg
減少に歯止めをかけようと、各地のスキー場では、進学や就職などで新たな生活を始めることも多い19歳の若者を対象にリフト代を無料にしてスキーやスノーボードの楽しさを知ってもらおうという動きが広がっています。

20120107_rihuto5.jpg
大手情報サービス会社が各スキー場に呼びかけて昨シーズンから始まり、参加したおよそ7割のスキー場で若者の客が増えたということで、今シーズン参加するスキー場は、全国で136か所と1.5倍に増えました。このうち、新潟県南魚沼市のスキー場は、今シーズンから本格的にリフト無料の取り組みを始めました。

20120107_rihuto4.jpg
入口には「19歳はリフト無料」と書かれた、ひときわ目立つポスターが掲げられ、ゲレンデには、大勢の若者のグループが訪れ、スキーやスノーボードを楽しんでいました。スノーボードを楽しむという19歳の男性は「ちょうど19歳なので、うれしいです」と話していました。また、19歳の女性は「19歳で初めて“ただだから来よう”と思っている人もいると思う」と話していました。

20120107_rihuto6.jpg
「舞子スノーリゾート」の田中章生社長は、「何か食べていただくとか、何か買っていただけるというところに期待しています。19歳でスキーやスノーボードにはまっていただければ、将来、ずっと長いリピーターになっていただけるので、そういう狙いもあります」と話していました。

20120107_rihuto7.jpg
一方、全国でスキー場を経営する大手ホテルグループは、9か所のスキー場で今シーズンから新たに始めた取り組みがあります。小学生以下の子どものリフト代無料の取り組みです。そのうちの一つ、新潟県湯沢町のスキー場です。

20120107_rihuto9.jpg
子どもたちの腕にはリフト無料のチケットがつけられ、お父さんやお母さんからスキーやスノーボードを教わっていました。子どもの1人は、「楽しいし、いろんなところが滑れてよかった」と話していました。また、別の子どもは「転んだりもしますが、楽しいです」と喜んでいました。

20120107_rihuto10.jpg
「子どものリフト代無料」、その狙いは…、実は親たちです。家族と訪れた父親の1人は、「映画『私をスキーに連れてって』の大ブームのころによく来ました」と振り返ってくれました。

20120107_rihuto13.jpg
このように、今の小学生の親はちょうど、かつてのスキーブームを経験した世代です。子どものリフト代を無料にして親に来てもらうことで客の増加につなげようというのです。ゲレンデを訪れている親からは、「無料だと気軽に遊ばせてあげられる」といった声や「来る回数が増える」といった声が聞かれました。

20120107_rihuto14.jpg
苗場スキー場の大塚裕司支配人は「一緒に来ている親が子どものリフト券以外のところでいろいろご利用いただいていると感じる。間違いなく(親子連れの客が)増えているので手応えはあります」と話しています。

20120107_rihuto17.jpg
【利用客 なぜ減少?】
では、そもそもスキーに行く人はなぜ減っているのでしょうか?やはり経済的な理由が大きいと思います。景気の低迷が続き、「お金がかかる」というイメージがあるスキーには、なかなか目を向けられないという状況があるようです。特に以前はスキーブームの主な担い手だった若者の意識の変化は大きいのではないでしょうか。スキーが流行した当時の若者とは異なり、「消費を控える」層とも言われています。関心があっても、行きにくいということではないでしょうか。

【リフト代無料 狙いは?】
次に、果たしてリフト代無料とはどういう狙いがあるのでしょうか?スキー場は利益が上がらないのではないかと考える方もいると思います。利益は上げられないのでしょうか?実はそうでもありません。利用客が多くても少なくても、リフトは動かすので、運転の経費は変わりません。むしろ、人が乗っていない空の状態で動かすよりは客に来てもらったほうがよいという考え方です。

20120107_rihuto24.jpg
利用客が増えれば、リフト代が得られなくても、スキー用品のレンタル代や施設での飲食代の収益が上がります。実際、先ほどご紹介した19歳のリフト代無料の取り組みを始めたスキー場では、利用客が増加し、リフト代以外の収益が上がっています。リフト代無料を取り入れていなかったおととし12月に比べて、先月・12月は、▼利用客が40%増加した上、▼レンタル関係の収益が80%、▼飲食関係が40%も増加しているということです。また、紹介した子どものリフト代無料の取り組みを始めたスキー場も、利用客は増加し、飲食や宿泊関係、レンタル関係などの収益が上がっているということです。

20120107_rihuto18.jpg

より重要なのは、「お試し」ででも、スキーの魅力を感じてもらうことです。リフト代を無料にすることによって、「スキーは料金が高い」というイメージを変えて、ゲレンデを訪れるハードルを下げる。そして、まず体験してもらうことを重視しています。そうすることで、若い世代に将来的にも利用客になってもらおうという長期的なねらいがあります。

  
20120107_rihuto1.jpg

投稿者:宮本知幸 | 投稿時間:06時00分

トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲