2011年08月09日 (火)夏に注意 脳梗塞と心筋梗塞


夏に注意が必要な病気というと、まず浮かぶのが「熱中症」です。ことしは特に節電が求められるとあって、その危険性も高まっています。
しかし、夏には熱中症以外にも注意が必要な重大な病気があります。それは、脳や心臓の血管が詰まる「脳梗塞」「心筋梗塞」です。

まず、脳梗塞です。脳梗塞の患者およそ2万人を調べたデータによりますと、冬に多いと思われがちですが、実は発症は夏に最も多くなっています。なぜ夏に増えるのか、取材しました。

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20110809012.jpg脳梗塞で治療を受けている67歳の男性です。
先月19日、左足にしびれを感じ、うまく歩けなくなりました。今も左手の指をスムーズに動かすことができません。発症した先月中旬は厳しい暑さが続いていましたが、この男性は、食事以外では、水分をほとんどとっていなかったといいます。
発症当時の男性の脳の画像です。白くなっている部分が脳梗塞を起こした場所です。

20110809013.jpg【脱水に注意】
脳梗塞の季節ごとの発症などの研究をまとめた東海大学医学部の瀧澤俊也教授は、 夏の脳梗塞は、暑さによる「脱水」が関係しているケースも多いと指摘しています。

脱水が起きるとなぜ脳梗塞が起きやすくなるのか。
脱水状態では、血液中の水分量が減少し、密度が高くなります。すると、摩擦などの刺激によって、血液を固める働きをする血小板が、小さな塊を作り始めます。

20110809015.jpg20110809016.jpgさらに、周りの赤血球や白血球を取り込みながら、血の塊=血栓を作り出すのです。
瀧澤教授は「脱水にならないように水分補給を行い、血液の粘度が高くならないようにすることが重要です」と話しています。

20110809017.jpg【寝る前の飲酒に注意】
もう一つ注意点があります。寝る前の飲酒です。
お酒で水分をとったと考えがちですが、発汗作用や利尿効果があるため、実は、寝ている間に水分が失われていきます。膀胱にたまったものは、体内から排出されているのと同じ状況で、血液中の水分が失われているのです。

20110809018.jpg前橋市内に住む男性が脳梗塞になったのは37歳のとき。発泡酒を3缶飲んで、そのまま就寝。翌日の午前中に発症しました。原因ははっきりしませんでしたが、担当の医師からは、脱水の可能性もあると言われました。

瀧澤教授も「夜、寝る前にお酒を飲んで水分をとったという気になっても、逆に、アルコールが利尿効果をもたらして、血液の中の脱水状態を起こし、血液を『サラサラ』から『ドロドロ』にしてしまって脳梗塞を起こす場合があります」と警告しています。

寝る前にお酒を飲んだあとは、必ず水分をとることを忘れずに行う必要がありそうです。

【心筋梗塞にも注意】
さらに、夏に注意するのは脳梗塞だけではありません。同じように血管が詰まって起きる「心筋梗塞」です。こちらも脱水には注意が必要です。

夏の心筋梗塞の危険性を指摘している心臓内科の医師、浜中一郎さんは
「夏場の心筋梗塞では、ある程度、若い方も注意が必要だと思います。暑い時期にソフトボールをしていたとか、野球をしていたというなかで、急に胸が苦しくなって、明らかに脱水症がきっかけになって起こってくるタイプの心筋梗塞もよくみられます」と話していました。

さらに、浜中さんは、脱水した状態で心筋梗塞が起きた場合、より症状が重くなる危険性があると指摘しています。脱水が引き金になって起きるということと、脱水しているために、出来る血栓も大きなものになって重症化しやすいというのです。

20110809021.jpg脳梗塞、心筋梗塞のいすれも脱水を防ぐことが夏の注意点です。
さらに、脳梗塞の場合、発症までに前兆が現れることがあります。一過性脳虚血発作と呼ばれるものです。

具体的には、
▽片方の腕や足など半身にしびれなどの異常を感じる
▽ろれつが回らなくなる
▽視野が半分になるなどの目の異常
といった症状があります。

ところが、こうした症状は一時的なもので、短時間で症状が回復するため、多くの人は見落としてしまいます。こうした症状を感じたら、専門の病院で診察を受けることが大事です。

取材を通じて、私自身も、食生活など生活習慣の見直しはもちろんですが、水分補給にも気をつけなければならないと考えさせられました。

投稿者:森田拓志 | 投稿時間:06時00分

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