2016年03月14日 (月)乳がん患者のためのレシピを開発
女性の12人に1人が、一生のうちに患うとされる“乳がん”
女性の患者の多くは、抗がん剤の治療による
けん怠感や吐き気などの副作用に苦しみながら
家族の食事を用意しているのが実情です。
こうした人たちを支援しようと東京のNPO法人などが、
「手軽に調理できる食事のレシピ」を開発し、
3月13日、試食会を開きました。
レシピを開発したのは、
がん患者を支援するNPO法人や
医師、料理研究家などで作るグループです。
東京で開かれた試食会には
患者などおよそ40人が集まりました。
8年前に乳がんと診断された栗橋登志さん(56)です。
抗がん剤治療を受け、
立っていられないほどのけん怠感や吐き気、
味覚障害などの副作用に苦しんだといいます。
しかし、夫と2人の子どものために
朝晩の食事や弁当を用意しなければならず、
体力的につらいうえ、家族に申し訳なさも感じていました。
栗橋さんは、当時について
「子どもたちにおいしい料理を作ってあげられなかったり
何日も同じメニューになってしまったりしたことが
とても辛かったです」と話します。
こうした患者の声を受けて開発されたのが、60のレシピ。
栄養のバランスを取りながらも、
調理方法は、
手軽に美味しく作るためのくふうがされています。
ポイント①“短時間”
けん怠感がある人たちが、台所に立つ時間を減らします。
「即席の味噌汁」は、
かつお節と少量のみそを、直接、お椀に入れて
ネギやショウガなどを足してお湯をそそぐだけで完成です。
ポイント②“煮炊きを減らす”
食べ物のにおいがついた湯気で、
吐き気を悪化させないようにするためです。
「ひじきとパプリカのサラダ」です。
湯通ししただけのひじきと、
赤や黄色の色鮮やかなパプリカをポン酢などであえました。
ポイント③“家族それぞれの味付け”
味覚障害があると、味付けがつい濃くなりがちです。
ベースは薄味にして、
家族に、好みの味になるまで調味料を足してもらいます。
「かぶのポタージュ」は早く火が通るかぶを
ごはんと一緒に煮たあと、ミキサーにかけます。
塩や桜エビなどのトッピングは別に用意し、
食べる人自身が好みで加えます。
栗橋さんは、
「こういうのが簡単にできたら子どもたちも喜ぶと思います。
患者仲間に広めていきたいです」と話していました。
レシピを開発したグループの1人、
NPO法人「キャンサーリボンズ」岡山慶子副理事長は、
「家族と一緒に楽しく食事をすることで患者の心も元気になり、
それが体の元気にもつながると思います」と話していました。
投稿者:牧本 真由美 | 投稿時間:17時47分