2013年10月25日 (金)誇大な"セールストーク" 違法と判断


「糖尿病が完全に治る」などと、実際にはない効果を口頭で説明し、誇大に売り込んでいたとして、消費者庁は、東京の医療機器販売会社に再発防止を命じました。
こうしたセールストークが景品表示法違反にあたるという初めての判断です。その実態と背景を取材しました。 

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【“セールストーク”は違法 初の判断】
消費者庁が景品表示法違反にあたると初めて判断したのは、「電位治療器」という家庭用医療機器のセールストークです。東京・府中市の医療機器販売会社「株式会社ヘルス」が、3年前から、実際にはない効果を口頭で誇大に売り込み、消費者に誤解を与えていたということです。
電位治療器は、一部を布団の中などに入れて使うもので、国が認める効果は、▼頭痛、▼肩こり、▼不眠症、▼慢性便秘の4つの症状を「和らげる」ことです。治るわけではありません。
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ところが、商品の無料体験会場では、「膝の痛み、治りますよ」、「糖尿病を芯から治すなら夜寝て2年半かかるが、2年半で完治する」といったセールストークが行われ、効果の認められていない症状や病気まで、根拠もなく、和らぐどころか、治ると断言していたのです。
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【被害者は】
埼玉県に住む男性に話を聞きました。重い内臓の病気を患う高齢の母親が、セールストークを信じ込み、50万円でこの医療機器を購入しました。男性は、「母親はすっかり信じ込んでいました。すごいんだ、何でもできるんだというような興奮した感じでした」と話していました。
男性の母親は、その後、亡くなりました。男性は、母親が機器に望みを託してしまい、効果のある治療に専念できなかったことを後悔し、「母は亡くなる数日前も医療機器に座り続けて最後まで生きようとした。お年寄りは新しい情報を得るのが難しいので、販売員の言うことを真に受けやすい」と話していました。
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「株式会社ヘルス」は、組織的にこうした根拠のないセールストークをしていたことを認め、「命令を受けたことを真摯に受け止め、再発防止を徹底していきたい」と話しています。

【相談は高齢者が目立つ】
国民生活センターによりますと、こうした「電位治療器」のセールストークなどの相談は、この10年余りで2000件を超え、増加傾向にあるといいます。また、低周波や温熱などの「家庭用の医療機器」までその対象を広げると、相談数は5000件近くまで増えます。
いずれも特徴的なのは、60代以上が70%余りと、高齢者が目立つ点です。
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国民生活センター相談情報部の伊藤汐里さんは、「高血圧や糖尿病、関節の痛みなど、高齢者がもともと持っているような悩みにつけこんで、本来うたってはいけない効能効果に及んだセールストークが行われているので、そうした業者は信用しないでほしい。病気を抱えている人は、医療機関での治療を優先してもらいたい」とアドバイスしています。
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【取材後記】
セールストークをめぐる処分は、消費者庁が4年前に発足して以来初めてです。相談件数が増えているのに、これまで処分がなかったのは、証拠が残りにくいという調査の難しさがありました。担当する職員の数は限られ、手が回っていませんでしたが、体制が次第に整い、今後、悪質なセールストークについて規制を強化していくということです。
年を取れば、健康上、気になるところも増えていきます。それが、気になるだけではなく、悩みや苦しみにまでなってしまったとき、「何にでも効きます」といったセールストークは魅力的です。
しかし、国が認めている効果は限られています。今回の再発防止命令を受けて、業界団体でも再発防止のためチェック体制を強化しています。業界団体がまとめた家庭用の医療機器について国が認めた効能効果の一覧はこちら。http://www.hapi.or.jp/consumer/kounou_shiyou.html
過剰なセールストークはうのみにしないでください。万が一、トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センターへ相談してください。番号は0570-064-370です。

投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:06時00分

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